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感傷的なものが刺さる理由

僕は感動的なCMや広告が好きだ。何かを勇気付けるような、美しい歌詞とメロディの音楽が好きだ。

つまりそれは、ちょっとロマンチックだったり、結末を接する人に想像させるようなきれいごとだったりを謳っているような作品だ。

でもストレートに感情を吐き出しているものは、少し苦手だ。誰かの感情を真正面から受け入れるだけの器量は僕にない。そんな作品は、心が安定した強い人たちが接するものだと思っている。

最近、ラジオで「仕事や生活に疲れ、心が弱っていると感傷的な作品が突き刺さるようになる」という話を聞いた。

ハッとした。そうか、僕は常にこの状態なのか。ということは、ある程度人生のことを考えるようになってから、僕はずっと心が不安定な状態のまま生きていることになる。これまで、感傷的な作品が好きなことっていうのは自分の「センス」なんだと思っている部分があった。なんでみんな好きじゃないの?なんでみんなこれに感動しないの?といった具合だ。

周りのみんなが好きなのは「好きだ」とか「嬉しい」をまっすぐに謳っている力強いものばかりで、僕にはそういったものって、摂取するのがとてもしんどい。受け止め切れないのだ。

摂取してしんどいものは、距離を置くようになる。自然な流れだ。

昔、親に「お前はこういうのばかり好きだね」と言われたことがある。なんだか否定をされたようで、ひどく嫌な気持ちになったものだ。

でもそれで好きなものが変化するわけがない。何も変わらない。変える必要もない。

これからも、好きなものに囲まれて暮らして行こう。いっぱい感動して行こう。それで心の安定が少しでも保たれるのかもしれないし。そんな淡い望みもありつつ、決意した話である。

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