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社会福祉士はドラえもんです


生活環境が変わる春、これから新しい出会いが増えると思います。
自己紹介で職業を伝える機会も多いわけですが、どうにも社会福祉士という職、ピンとこない人が多い。福祉=介護職と思っている人、福祉は激務だというイメージを持っている人などさまざまです。
というわけで、社会福祉士とはなんぞやということを言語化しておくことにします。

社会福祉士はドラえもんです

かつて実習先の雑談で出たお話の受け売りですが、簡単に言えば「こんなこといいな できたらいいな」の世界です。

ドラえもんは、のび太にこんなことしたい!って言われて、それに合わせた道具を出す。道具を使って、のび太のやりたいことが実現する。
社会福祉士の仕事ってだいたいこんな感じのイメージです。

社会福祉士は地域包括支援センターや病院、学校や福祉施設等さまざまな場所に設置されます。その業務は多岐に渡りますが、クライアントが「やりたい」に力添えするというスタンスは同じ。
ドラえもんも、いい道具があるよって押し売りしてくるケースはあまりありません。


少し彫り下げると、私たちは生きていく上で自己決定を行っています。どこの大学に行くか、どんな仕事をするかといった大きな選択から、晩御飯になにを食べるか、車と電車どちらで行くかといった日常的な選択までさまざまです。

しかし、自己決定を行うのが難しい方々もいます。

・障害があり意思を表明するのが難しい

という例は想像しやすいですね。他にも

・どこに相談したらよいかわからない
・家庭内暴力を受けているが離婚を切り出せない
・学校でイジメにあっているが告発できない
・世間にマイノリティを理解してもらえない…etc.

障害以外にも、周りや環境等さまざまな要因によって自己決定を阻害される人たちがいます。また、

・家族や周りの人が、適切な支援ができるか悩む

というケースもあるでしょう。そのような方々に制度や法律に関する情報提供をしたり、必要な支援を行うことで、「したい」を実現するお手伝いをするのが仕事です。

「自己決定権の尊重」は社会福祉士の業務の一部に過ぎないわけですが、今回はあえてここに焦点を当てて書いています。この姿勢が業務の中核をなすと考えているからです。


国家試験の問題を読めば、職業像が見えてくる

正解は1.4

例えばこれ。3年前の問題ですね。
この問題からわかることは、「クライアントが意思を表明してないことを勝手にやるな」ってことです。

福祉職はバタバタ動き回っているイメージがあるかもしれません。しかし実際は、クライアントが決定をする・自分で動くまで待つという業務も多い。
こだわりが強く、1時間かけて納得のいくまで着替え続ける方がいました。こちらで服を選択すると、自分で服を選ぶという機会を失ってしまうので、存分に時間をかけて着替えてもらってました。

また、我々は勉強しているので、お話していく中でこういう支援がピッタリ!とプランを考えたくなります。しかしご本人の意思によって「ベスト」ではなく「ベター」を選択せざるを得ない、ということも頻繁に起こり得ます。この葛藤が、苦しい部分でもあり、やりがいを感じる部分でもあるのです。

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