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2022年に聞いてよかったアルバム

Spotifyの2022年まとめによると今年の再生時間は「54,317分」聴いた楽曲数は「6,674曲」とのことでした。ジャズを中心に約905時間聴いた中から、特によかったアルバム15個をまとめてみます。

Watch The Sun / PJ Morton

歌声、演奏、音作り、全てにおいて優しく温かく、大きな安堵感に包まれる一枚。ついにスティービーワンダーを迎えた「6. Be Like Water」を始め、豪華ゲストアーティストの参加曲はどれも心地よくて、最後にポジティブなゴスペル曲で締めるアルバム構成も最高の超名盤。

Affinity / Bill Laurance

スナーキー・パピーのメンバーとして知られるBill Laurenceのソロピアノ・アルバム。内省的な深く美しいメロディから軽やかな旋律まで、ピアノの良さを隅々まで味わえる。ビル・エヴァンスの名曲「8. Peace piece」が入っているのも嬉しい。

Somnio Novo / Olivia Belli

こちらもピアノソロ。4曲のオリジナルと3曲のリミックスが入ったEP。オリジナルの美しさもリミックスの解釈もそれぞれ見事で、今年のベストチルアルバムだった。特に「4. Prelude」「6. As I Was - Slow Meadow Rework」「7. Two Seas - Ed Carlsen Rework」が好き。

VINCENT / FKJ

FKJことフレンチ・キウイ・ジュースの2枚目のアルバム。メロウでセクシーな曲が中心になっているなか、時折挿入される子守唄のようなシンプルなメロディに心奪われる。夜中に誰かと一緒に聞きたい一枚。

be am / Bugge Wesseltoft

こちらも基本的にはピアノソロ。凍りついた真冬の川のような静寂と、分厚い氷の下に潜む大きな流れのようなスケール感の両方を併せ持った美しいアルバム。とにかくきれいな「2. tide」、サックスとフェンダーローズの音色に痺れる「5. roads」、鳥の囀りとカリンバが共演する「9. life」など名曲づくし。

yield / cktrl

今年はじめて知ったミュージシャンで一番かっこいいのは間違いなくcktrl。音数は少ないのに、荘厳さのある楽曲は妖しくも魅力的で、耳が離せない。プロジェクトのサウンド・アイデンティティについて本人が語ることも最高なのでここに引用します。

「古いレコードをサンプリングしなくても、あの感覚と美しさを持ったものを、またゼロから作ることができるということを示したいんだ。」

BLK VINTAGE: THE REPRISE / BLK ODYSSY

BLK ODYSSYも今年はじめて知ったけど、驚くほどかっこよかった。知的に成熟されたサウンドに、ポエトリーリーディングやラップ、コーラスの絶妙な重ね方。昔ディアンジェロのアルバムをはじめて聞いたときのような衝撃だった。

Starfruit / MoonChild

どのアルバムも安定して気持ち良いムーンチャイルド。ここまで多様なゲストアーティスト参加の作品は初じゃないでしょうか。個性の強いボーカリストばかりだけど、どの曲もムーンチャイルドらしさがブレなくて良い。「8. Get By」に参加しているTank and the Bangsはノラ・ジョーンズやジェイコブ・コリアーとのコラボもあって一気に好きになったアーティストだった。

The State of Things / Quentin Angus

ボーカルに併走するようなギターの良さが光る、それからドラム、ベース、ピアノのどれもすごく良い。現代的なジャズの醍醐味が詰まった一枚。「5. Somewhere Over the Rainbow」のアレンジはこれまで聞いた中で一番かっこいい。

The Parable of the Poet / Joel Ross

マイルス・デイヴィスの「In a Silent Way」のようにオクテット編成で作曲と即興の間の曲づくりという、ジャズの伝統を受け継いで、さらにアップデートしようとするアプローチに痺れる。「1. PRAYER」の何という安らぎに満ちた演奏か。

Oui / GURLS, Trondheim Jazz Orchestra

ノルウェーの女性3人によるジャズトリオのGURLS。Youtubeを見るまで、今作が大編成のビッグバンドだと気づかずに聞いていた。シルキーなボーカルと洗練された音作りが気持ちいい。そういえばBugge Wesseltoftもノルウェーだった。ノルウェージャズいい。

Black Mona Lisa / BRAXTON COOK

なんて大人な音楽なんだろう。30歳でこんな大人な曲を作れるなんて、年齢と成熟は関係ないということを思い知らされる。ボーカルとサックスがメインの曲が多いけど、ギターも超良くて、調べたところAndrew Renfroeだった。

Fix You (Live for There With Care) / Jacob Collier

今年のベストソング。11月のZepp DiverCityでの神ライブを見て「天才すぎる。モーツァルトかよ…」と思って「Jacob Collier Mo…」とgoogle検索ボックスに打ち込んだら、サジェストで「Jacob Collier vs Mozart」と出てきて文字通り脱帽。

Ghost Song / Cecile Mclorin Salvant

これまでにリリースした全てのアルバムでグラミーのジャズ・ヴォーカル・アルバム賞を受賞しているセシル・マクロリン・サルヴァントの新作。パイプオルガンやリュートのような古楽器を用いた演奏、古くから伝わる民謡、聖歌を交えて歌い上げられる現代ジャズヴォーカルの最高到達地点に心が震えた。

Astral Traveling / Chip Wickman

オリジナルはロニー・リストン・スミスですね。現代的解釈のコズミック・ジャズいいな。特に「2. Sais(Egypt)」のフルートソロに耳が持っていかれる。

あとAstral Travelingといえばファラオ・サンダースですね。今年惜しくも亡くなられてしまいましたが、彼のおかげで一層ジャズが好きになりました。この曲は1971年リリースですが、今聞いても全く色褪せない超名曲。


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