<第3回 FIELD PROJECT>コミュニティと発信のデザインを考える
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<第3回 FIELD PROJECT>コミュニティと発信のデザインを考える

みどりを生かして地域をより良くする。その企画において、コンセプトづくりや情報発信等はどのように行なっていけば良いのでしょうか。2021年2月6日、FIELD PROJECT(※)の第3回を開催。今回も庭師やガーデンデザイナーなど、様々な分野のプロである6組7名の方々が参加されました。「コミュニティと発信のデザインを考える」というテーマでワーキングとディスカッションが行われた記録をお届けします。(緊急事態宣言下ではありますが、マスク着用で参加者間のディスタンスを取り、粛々と開催されました。)

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※FIELD PROJECTとは?

参加者一人ひとりがSOCIAL GREEN DESIGN のプロジェクトをそれぞれのフィールド(場所)で企画し、実践していくために行う、実践志向型のワークショップです。2020年12月から2021年3月まで、毎月・全4回の開催を予定しています。

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当日は以下のような流れで進められました。

当日の流れ
13:30-14:00 開場
14:00-14:20 イントロダクション
14:20-15:20 宿題の共有:(5分発表)
15:20-15:50 レクチャーとディスカッション
- Case Study PLUS KAGA
15:50-16:05 休憩・会場レイアウト変更
16:05-16:20 ワーキングの説明
16:20-17:50 ワーキング(プロジェクトの深掘り)
17:50-18:00 次回案内・アンケート記入
18:00-19:00 フリーディスカッション

まずは会を始めるにあたり、イントロダクションとして、SOCIAL GREEN DESIGN コーディネーターの三島さん(株式会社フォルク)が、企画づくりのコツについて「つくりたいコミュニティが、つくりたい社会になっていくと良いのではないか」というお話をされていました。社会へどのような影響を与えうるかという広がりをイメージしながら、企画を考える段階に入っているのです。

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参加者の宿題共有

まずは、参加者6組7名が前回の宿題として取り組んだ新しいみどりを活用して作りたいコミュニティのビジョンやその内容、情報発信などに関して、発表を行いました。参加者それぞれの自己紹介に関しては、第1回第2回の記事をご覧ください。

中村直樹さん(京都府・造園中村や)
:私は嵐電が打ち出している「沿線深耕」の考えに沿った「庭電」というコミュニティを作りたいです。庭仕事を通して、花や木を育てるのが好きな人と一緒に、集い、語らい、愛する街ができたらと考えています。(地域資源である)フジバカマという植物に、アサギマダラという蝶が飛んでくるような街が作りたいです。
山本朗弘さん(東京都・株式会社ウチダシステムズ)
福祉施設で地域の方とのつながりを増やしたいのですが、緑化の基準やセキュリティなどの制限もあり、緑の少なさや垣根が障壁となっています。それならば、将来の楽しみがある収穫だったり、外からでも成長の変化がわかるような植物などを植え、そこにコミュニティを作るのが良いのかもしれません。梅やコーヒーの実、焼き芋などを植えることで、垣根を緑によって変えていけたらと考えました。
山中真之さん(東京都・平和不動産株式会社)
日本橋兜町で、子供を中心とした次世代に投資するようなコミュニティができたらと考えました。屋上菜園を通して、ファームスクール、farm to table、コンポストステーションなど、食についての持続可能な循環を作りたいです。周辺にある食に関する企業やカフェやお店との連携を進めながら、新しい再開発エリアの形を想定しています。

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冨田ちなみさん(兵庫県・ Gokansha)
食べられるなど日常生活の中で活用できる植物を植え、変化していくような庭づくりを目指したいです。まずは興味を持っていただいた方向けにワークショップをしたり、イベントを行ったりすることを想定しています。この庭を生物の循環とかけて「ぐるぐるの庭」と名付けました。壁に絵を描いたり、ベンチを作ってもらったり、関わりやすい雰囲気づくりを行います。
茂木和枝さん(東京都・一般財団法人・世田谷トラストまちづくり)
緑がありゆるく様々なレイヤーの人が繋がっていくような場を作りたいです。こもれびの庭市民緑地にある植物を生かして、四季を意識した「お正月の(花や植物を束ねて飾る)スワッグづくり」や「桜の蒸留水づくり」などのワークショップの開催を考えています。経験値に関係なく参加しやすい、ふらっと立ち寄れるものにしていきたいです。
道場美恵さん・宮崎敬子さん(石川県)
街の若い方々がいろいろな情報に出会うきっかけになる場所をめざしています。少しずつ成長していってほしいという願いを込めて、「明日庭(あすにわ)」と名付けました。ちょっとオープンな里庭を考えています。「庭の視聴覚室」「庭の厨とテーブルと畑」「庭の温室」様々な場所を敷地内に整備します。茶道具を作ってきた地域(石川県加賀市)の歴史も生かした場づくりです。お庭を訪れてくれた人がどんどん繋がってくれたら嬉しいです。

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(茂木さんの「人とみどりをつなぐデザイン」に関する発表スライド)

PLUS KAGA のケーススタディ

その後は運営の金田さんから、企画づくりのヒントということで、(株)フォルクが石川県加賀市で取り組んでいるPLUS KAGAの事例をご紹介いいただきました。

金田さん(運営):PLUS KAGAは石川県加賀市でまちの未来を大学生と地域の方が一緒に作っていく取り組みです。加賀市は県内で一番人口減少が進む町ですが、九谷焼という伝統工芸品や、カモやカニをはじめとする地域の食など、素敵なものがたくさんあります。大学生がこのプロジェクトに関わりたくなる背景としては、座学だけではなく、実践したいという人が増えているからです。1年目に夏と冬にワークショップを行い、そこで考えた企画を2年目からは個人プロジェクトとして実践します。個人プロジェクトの中には、地域の荒れた山(萬松園)を子どもの遊び場として再生していく企画や、使われなくなった保育園を活用する企画などがあります。

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金田さん(運営):PLUS KAGAのコミュニティでは、大学生が自ら動くことで、地域の方との横の繋がりが増えていきます。大学生の宿泊や運営体制に地域の人も関われるように、PLUS KAGA LOCALというコミュニティも作りました。発信については、PLUS KAGAのfacebookページなどに、大学生それぞれが進捗を投稿しており、この投稿を地域の方々は楽しみにしています。今後は高齢者向けへの周知を頑張りたいです。

金田さんは企画を発信する時のポイントとして、以下の3点を挙げていました。企画づくりに大事な考え方として、押さえておくと良いかもしれません。

①誰に向けて発信したいかを考える。(どこにいるどんな人...)
②その人の向けてのメディアを選択する。(チラシ・クチコミ・HP...)
③常に相手の立場に立って考える。(イベントの日にち選び・イラストのテイスト...)

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金田さんの発表が終わった後、参加者からの質問の時間になりました。

山中さん:PLUS KAGAに地域の企業の方々が関わるモチベーションはどこにあるのでしょうか?
金田さん(運営):PLUS KAGAに関わることで、地域の方同士も新しい繋がりが生まれるのと、(人口減少社会において)次世代への影響を考えてのことだと思います。
三島さん(運営):気づかなかった課題や魅力を外から来た大学生が気づかせてくれるからかもしれません。
道場さん:私は娘がPLUS KAGAに参加しました。PLUS KAGAで来てくれる大学生は可愛いです。損得無しについつい助けたくなります。
三島さん(運営):大学生には修学旅行とは違って、一人一人が自分の責任で地域の方と関わってもらいます。だから、本気で地域の方も関わってくれるのです。

FIELD PROJECTの参加者と運営者を交えたグループワーク

その後は、2つのグループに分かれて、ディスカッションの時間となりました。参加者の企画はどうブラッシュアップされていったのでしょうか。まずは運営の(株)フォルクの三木さんから、ワークショップに関する説明がありました。

三木さん(運営):まずは、コミュニティに関わるメンバーを想像してから、メンバーの属性、コミュニティの役割、コミュニティから得られることという3種類の付箋を作ってください。それから、作りたいコミュニティをまとめ、名前なども決めていきましょう。5分ブレスト、15分コミュニティの構想、10分発信アイデアという時間配分で、合計30分がそれぞれの参加者の持ち時間です。

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各グループ、とても熱心にディスカッションが繰り広げられていました。例えば、道場さんと宮崎さんの石川県加賀市の家の庭を活用した「明日庭」のプランについては、誰に向けてコミュニティの魅力を発信していくかというディスカッションが行われました。

茂木さん:若い人向けというキーワードがありましたが、若い人が集う場所を求めて、高齢者の方も来たくなるかも知れません。高齢者がDIYなどのスキルを場で生かせるとコミュニティが広がりそうですよね。
冨田さん:年齢が上の方は農作物の育て方も教えるというのもありだと思います。子育てをしているような主婦の人がいたら、子供とワイワイしているだけでもその場の癒しになりそうです。
道場さん:コミュニティは人が限られると入りづらくなります。(皆さんのアイデアを参考にしながら)そういう雰囲気を崩していきたいですね。
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道場さん:地域の中高生をはじめとした若い世代の方々にもぜひ来て欲しいです。
金田さん(運営):企画を作ってくれるDJグループとかいたら盛り上がりそうですね。映画と星空鑑賞会とかをやると、カップルとかが盛り上がりそうです。
宮崎さん:(石川県加賀市内だと)デートで行くところが少ないですからね。
道場さん:行ったら意外と良かったという風に口コミで広がりそうです。
三木さん(運営):チャリで気軽に大画面の映画を見に行けるというのは、とても良さそうですね。

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その後は、運営の三島さんから「宿題の連絡と本日のまとめ」があり、第3回のFIELD PROJECTは終了しました。ディスカッションを経て、参加者それぞれの企画もかなり具体的なアイデアがたくさん出ている印象を受けました。次回の最終発表会に向けてどのようなプランが出来上がるのか、とても楽しみです。

三島さん(運営):約一ヶ月後、いよいよ次回が最終発表会です。それに向けて個別相談を行わせていただければと思っています。本日もありがとうございました。

それからフリーディスカッションということで、三密に気をつけながら、飲食なしの参加者や運営者を交えた交流会を開催。今回も最終発表に向けて徐々にアイデアが洗練されていくような充実したFIELD PROJECTとなりました。

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運営の伴野さんと三木さんが参加者それぞれのディスカッションを、グラレコとしてまとめてくれました。

▼道場さんと宮崎さんの企画に関するディスカッション

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▼冨田さんの企画に関するディスカッション

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▼茂木さんの企画に関するディスカッション

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▼山中さんの企画に関するディスカッション

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▼中村さんの企画に関するディスカッション

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▼山本さんの企画に関するディスカッション

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▼今後のFIELD PROJECTの予定はこちら
次回は第4回(最終回)です!参加者の皆さんの最終的な企画はどうなるのでしょうか。ライブ配信も行われるようなので、ぜひfacebookページなどの今後の発信にご注目ください。

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▼第1回 FIELD PROJECTの記録はこちら

▼第2回 FIELD PROJECTの記録はこちら

▼SOCIAL GREEN DESIGNの詳細はこちら

▼FIELD PROJECTの運営を担当されている株式会社フォルクの詳細はこちら。

▼FIELD PROJECTを開催している会場・東京日本橋のE&Gアカデミー(運営:株式会社ユニマットリック)についてはこちら。

(執筆 稲村行真)










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みどりといえば、庭の花壇や、街路樹など、普段何気ないところに存在します。それをより良く使って、地域課題の改善や持続可能な暮らしに役立てるのが「SOCIAL GREEN DESIGN」です。