ついにアクティビストから面談依頼がきました

A:ついに、アクティビストから面談依頼が来てしまいました。しかも、2つのアクティビストからです。

T:どこ?

A:米国Dalton Investmentsの日本拠点とシンガポールの3D Investment Partnersからです。

T:Daltonと3Dか。それで、社内の反応は?

A:いまいちピント来ていない方もいますが、「これは大変だ」「ようやくアクティビストに目をつけてもらえるようになった」というものまで、いろいろです。

T:なるほど。米国Dalton Investmentsは、香港のOasis Managementと同じくらい日本での活動が活発だけど、最近は、3D Investment Partnersの活動も非常に目立っているよね。何しろ、先日は、富士ソフトが非公開化したからね。

A:今回のことがあってから調べましたよ。ビックリしました。富士ソフトは従前から非公開化の要請を受けてきただけでなく、上場4子会社をすべて完全子会社にしていたのですね。

T:そうだよ。富士ソフトは米国の投資会社KKRがTOBをするわけだけど、その発表の前の段階でも5千億円ほどの規模があった上場企業。そうしたところが、アクティビストの活動の結果、非公開化を選ぶとはね。しかも業績はよく、普通に優良企業だった。

A:そうですね。2023年からMBOによる非公開化が特に目立っていますが、時価総額が小さかったり、上場の意義が乏しいような企業によるものが多かった印象ですが、アクティビスト主導という形では、これまでになかった規模のものだと思います。

T:カナダのアリマンタション・クシュタールによるセブン&アイ・ホールディングスへの買収提案が話題だけど、富士ソフトの事例はなかなかのニュースだと思うよ。8月は月の半ばだけで、10件以上の上場廃止が発表されていて、MBOや親会社によるTOBが続いているよね。

A:はい。投資銀行の友人に聞くと、案件は多数あるようですね。

T:同じようなことを聞いているよ。間違いなく今年はもっと続くだろうね。

A:そう思います。話は戻りますが、アクティビストとの面談はどのように考えたらいいのでしょうか。

T:他の投資家と同じ姿勢で取り組むのが良いと思うよ。コーポレートガバナンス・コードもあるわけだし。

A:差別はしてはいけないということですね。

T:そうだね。例えば、香港Oasis Managementとは面談したことがあるけれど、ごく普通の海外投資家という印象だった。他社に聞いても、同じような認識のところはあったよ。ただ、もちろん、綺麗なことばかりではなく、裏側ではいろいろとある可能性はあるし、苦労している会社もあることは事実だと思う。

A:私も、最初の面談でいきなり大変なことになるとは思っていないのですが、一度、ターゲットになったら相当時間が奪われますよね。経営陣はこの点を非常に警戒、心配しています。

T:そうだね。こればかりは避けられないところがあるよね。もはや日本の上場企業でアクティビストに狙われていない会社を探すほうが難しくなってきているからね。

A:先輩はどこを警戒します。

T:やはり世界最怖とも言われる米国Elliot Managementかな。運用資産残高は10兆円を超えるし。最近では、三井不動産、住友商事、ソフトバンクグループなどへ投資しているよね。

A:今度のところも含めて、どんなところなのか興味もあります。

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