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【全アルバムレビュー】日本ロック史の殿堂 BOOWY

みなさんどうも。
本日は日本ロック史に名を刻む伝説のバンド『BOOWY』の不朽の名アルバム達を紹介していきたいと思う。
「『BOOWY』ってなに?」といった若者から「『BOOWY』は俺たちの青春やった…」というベテランまで、今一度『BOOWY』の魅力を味わっていただきたい。

では早速始めていくゼ

BOOWYとは

左上から: Vo.氷室京介、Gt.布袋寅泰、
Dr.高橋まこと、Ba.松井常松

Vo.氷室京介、Gt.布袋寅泰、Ba.松井常松、Dr.高橋まことの4人組で構成されたロックバンド。
芯の強い8ビートを基調にパンク、ニューウェーブ、ロックを展開する独自の音楽性や斬新なビジュアルで多くの若者を熱狂させた。
しかし人気絶頂の最中、突然の解散宣言。
1988年に完成直後の東京ドームで開催された『LAST GIGS』では、9万枚以上のチケットがわずか10分で完売し、その際に東京の電話回線をパンクさせるなど、その人気は社会現象をも引き起こした。

1st MORAL

高橋まことの顔がブレすぎである

1982年リリースされた記念すべきBOOWYの1stアルバム。
当時のキャッチコピーは「エアロスミスとアナーキーとサザンを足して3で割ったバンド」、「ラスト・パンク・ヒーロー」など散々なものだったとのこと。なかなかの言われようである。
印象的なインストナンバーから始まるこのアルバムは、まだ20歳前後のBOOWYの荒削りなパンクロックを全面に表現した作品である。
歌詞も中期、後期の作品に比べストレートで、不良少年が抱く社会への不満をわかりやすく描いた楽曲が多い。
ただ、「IMAGE DOWN」、「NO NEW YORK」、「ON MY BEAT」など後期になってもライブで演奏される曲も多いことから、当時から彼らの音楽的才能、表現力は類稀なものであったことが窺える。
当時のBOOWYは前述した4人に、サックスの深澤、ギターの諸星を加えた6人編成となっているが、アルバムを通して深澤のサックスはあまり聴こえない気がする。深澤は一体何をしているのか…
YouTubeにあがっている当時のライブ音声を聴くと深澤のサックスめちゃくちゃ聴こえてくるのだが…まったく謎なアルバムである。

2nd INSTANT LOVE

松井常松の顔が怖い

1983年リリースの2ndアルバム『INSTANT LOVE』は「ラスト・パンク・ヒーロー」と呼ばれたパンク青年達が、ニューウェーブでメロディアスな音楽性へと成長していく過渡期のような作品かと思う。
ただ、メロディアスな部分が多い中でも、「TEENAGE EMOTION」、「LONDON GAME」のようにデビュー時の荒削りなパンクスタイルを残した楽曲もある。
「THIS MOMENT」のようにレゲエ調でしっとり聴かせる楽曲もあったりと、新たな色を取り入れる実験的要素も見られる。
まさにに過渡期である。
ちなみにこんなこと言ったら熱狂的なBOOWYファンの先輩方に叱られそうだが、私はこのアルバムがBOOWYの作品の中で1番パッとしない感じがして苦手である。
そういえばライブでも演奏されている曲が少ないような…
BOOWYのメンバーにとってもこのアルバムの楽曲は印象が薄かったのだろうか。
とはいえBOOWY成長の過程で無くてはならない1枚であることは確かである。

3rd BOOWY

松井と高橋がどっちかわからなくなる時が
あるんだよなあ…

さて1985年にリリースされた3rdアルバム「BOOWY」だが、この辺りからBOOWYは一気に躍進したと言えるだろう。
メンバー4人の「目」を並べた特徴的なジャケットのこのアルバムは、名プロデューサー佐久間正英をプロデューサーに迎え、ドイツの名門スタジオでレコーディングされたという力の入れようである。
BOOWYにとってもこの時期、このアルバムが重要なポイントであったことが窺える。
「DREAMIN'」、「ハイウェイに乗る前に」など、芯の通った8ビートを基調としながらメロディアスなロックを展開する「BOOWYらしい」イメージが浮かぶ作品だ。
ロックナンバーだけでなく「CLOUDY HEART」のようなバラードからも、初期の2作品に比べ、演奏や曲作りの技術をより繊細なものへと磨き上げていることがわかる。
ギタリストであれば誰もが一度は通るであろうカッティングの名曲「BAD FEELING」を収録しているのもこのアルバムである。当時から布袋寅泰のファンクな手グセ全開である。
しかもこのアルバム、アルバム全6枚を通して唯一の布袋ボーカル曲「DANCE CRAZE」を収録している。
特徴のあるギターリフに踊りたくなるようなノリのリズム、近未来的な電子音など、布袋のソロデビュー作品を彷彿させる1曲だ。
布袋推しの私としては嬉しいサプライズである。

4th JUST A HERO

実はこのジャケットあんまり好きじゃない

1986年にリリースされた4thアルバム「JUST A HERO」は、BOOWYファンの間でも特に人気な作品の1つではないだろうか。
前作「BOOWY」が『逞しいロック』だとするなら、本作は『美しいロック』と言えるのではないだろうか。
「わがままジュリエット」、「WELCOME TO THE TWILIGHT」ではクリアで煌びやかなイメージを表現し、「JUSTY」ではスパニッシュで情熱的なギターソロを組み込んだりと、どの曲にも美しい要素が散りばめられている。
「1994-LABEL OF COMPLEX」では、後に布袋とCOMPLEXを結成する吉川晃司がボーカルで参加しており、吉川節を炸裂させている。
後に結成されるCOMPLEXとはこの曲のタイトルから取ったのだろうか。真相は定かではないが、絶対そうだと私は考えている。
また本作から「布袋は作編曲」、「氷室は作詞」というように、はっきりと役割が分担されるようになったという。
確かに「わがままジュリエット」で見られる『アンニュイLAST NIGHTおざなりなPLAY』や、「ミス・ミステリー・レディ」の『デジャブの様にシャレた LOVE MOTION 細い爪があそぶチェリーボール』など、「意味不明だけどなんか深くてかっけえ」と感じさせる氷室っぽい歌詞も、前作では見られなかった要素ではないだろうか。
このアルバムのツアーファイナルでは、初の日本武道館でのライブを行うなど、BOOWYの人気は瞬く間に加速していった。

5th BEAT EMOTION

表は氷室と布袋、裏は松井と高橋という
バンドの人気格差が窺える残酷なジャケット

5thアルバム「BEAT EMOTION」だが、なんと前作「JUST A HERO」と同年の1986年リリースである。
86年は彼らの創作意欲が有り余っていたのだろうか。
本作はBOOWYのアルバム作品の中で、最もポップでキャッチーなアルバムと言えるだろう。
1曲目「B•BLUE」から2曲目「ONLY YOU」というキャッチーロックナンバー連射により、当時のロック少年たちは一気にBOOWYの虜となったに違いない。
実際私も中学2年生の時、この「B•BLUE」で完全にやられてしまった。
よく言う表現であるが、「身体中に電気が走った」というまさにそんな第一印象だ。
曲中のギターフレーズやメロディーの1つ1つが非常にキャッチーで取っつきやすいのである。
「DON'T ASK ME」、「RAIN IN MY HEART」なんかは特に顕著で、今までのBOOWYには見られなかった、明らかに聴きやすいポップな曲である。
今で言うミスチルとかスピッツみたいな。(←これ怒られる?)
かと言って、ポップでキャッチーなだけの作品というわけでもなく、これまでしっかりと築いてきたBOOWYらしい8ビートのロックは軸に残し、印象的なフレーズやサウンドを織り交ぜつつ、それを万人受けするような形に昇華させている。
そんなイメージの作品であるため、私的BOOWY入門としては、まずこの「BEAT EMOTION」から聴いてみるのがオススメだ。
兎にも角にも、本作は名実共にBOOWYを日本一のロックバンドにした1枚と言っても過言ではないだろう。

6th PSYCHOPATH

布袋と高橋の間にいるのは…?

さあ、1987年リリースの6thアルバム「PSYCHOPATH」は、前作「BEAT EMOTION」で名実共に日本一のロックバンドとなったBOOWYによる最後のアルバムである。
崩れるようなイントロの「LIAR GIRL」で幕を開けるこの作品は、これまでのBOOWYの作品の良いとこ取りのような、まさに集大成と言える作品である。
若く荒削りだったパンクロックを、たった5年でこれほど洗練された独自のビートロックへと進化させたBOOWYの音楽的才能、表現力にはとてつもないものを感じる。
しかし前作がポップでキャッチーな印象の強い作品であっただけに、本作はどこかシリアスでバンドの終焉をも感じさせるような印象を与える作品である。
「MARIONETTE」、「PSYCHOPATH」のような純粋なロックだが、何か不安も感じさせるようなシリアスと「MEMORY」のように美しいバラードで聴かせつつ、心苦しさを感じさせるシリアスが混在している。
特に「MEMORY」なんかは、BOOWYメンバー自身が少しずつ「終わり」へと向かう苦しさを抱いていたことを、ひしひしと感じ取れる1曲ではないだろうか。
また、氷室作曲の「CELLOIDO DOLL」、「FANTASTIC STORY」がツアーのセットリストに入れられていなかったのはなぜなのか。
この2曲はギターがめちゃくちゃカッコ良く、個人的にかなり好きな曲であるため、ライブバージョンを聴けないのは非常に残念である。
ちなみに私がBOOWYの作品で最も好きなのは本作である。

最後に

BOOWYといえばやっぱりこの2人

いかがだっただろうか。
BOOWYは活動期間、作品数が少ないとはいえアルバムが6枚あるため、なるべく要点だけをお伝えしようと記事を書き進めていったが、それがなかなか難しい。
それだけBOOWYには魅力が多く、こんなアルバムレビューだけでは到底全てを語り尽くせないのである。
この記事を読んで少しでもBOOWYに興味を持っていただけたなら、そこからは是非ご自身の耳で心でその魅力を体感して欲しい。
彼らの作品たちにのめり込み、一気に虜になっていくことは間違いないだろう。

あとBOOWYの発音ってデビッドボウイのボウイと同じ発音で合ってるよな?
有識者からの回答を待つ。

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