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春節ど真ん中に放り込まれたあの日(【企画】忘れられない外国人のあのひと)

企画締め切り近くですが参加します。


忘れられない外国人は何人もいますが
一番印象的な人の話をします。


大学を卒業し、初めて海外で教師をするとなったのは卒業した年の8月。
某機関からの派遣として私は中国に行くことになっていました。

手続きはスムーズに進んでいたのですが、一時からばったりと進まなくなり
派遣する機関に問い合わせたところ、権力闘争に巻き込まれて手続きが進まなくなったとのこと
8月に派遣されることを想定していたため、仕事も7月には辞めていました。

結局いつまでも手続きが進まないので、派遣先を変更する交渉をしました。
そこで、延辺に派遣先を変更をとなったりました(延辺の話は下記記事で)

結局即派遣とはならず
できるだけはやくと交渉した結果、後期の授業からとなりました。

ようやく派遣されるとなったのは1月28日、誕生日だったので覚えています。渡航日前日に東京で軽い打ち合わせをしてから関空で乗り換えて延辺へというコース。
ビザの手続きでもひと悶着はあったのですが、無事に1月28日に来中しました。

関空では、帰郷する中国人だらけ。
何だろうと思ったら今日は春節ど真ん中という状態。
正月真っただ中でした。

着いたら大学院生が迎えにきてくれており、街中を案内してくれたのですが
まあ、正月ですから活気がない…

寮近くのスーパーは開いていたので、生活品を購入してから寮へ
その日は大学院生と食事をしましたがお店がほとんど開いていないので探すのも一苦労。正月ですから…

翌日、街を徘徊してみました。
ですがとにかくお店が開いていない。正月ですから…
しかも、-20度が当たり前の地域なので外に長くはいられない…

とりあえず昼飯を食わなければならない…
近場のロッテリアが開いており、馴染んだ味だろうと購入
注文も指させば大丈夫だったので安心しました。
しかし、値段が高い…毎日ロッテリア生活を続けるのはしんどい…

夕食のために、近場を回っていると屋台を見つけました。
その屋台は肉まん屋の屋台。
値段は1つ60円くらい、味は3種類。

せっかくだから夕食用に買おうと決意。
中国語は生活に困らない程度には習ってはいたのですが
まあ、咄嗟には出てこなく身振り手振りで注文
向こうは正月なのに、変な外国人が来たぞという気持ちだったでしょうが
笑顔で丁寧に接客され無事に3種類を1個ずつ購入。

寮に戻り1個試し食いをしたところ、うまい!
これは安いしうまいしちょうどいい!

それからは、色々なお店が開くまで毎日昼食用に肉まん屋に通いました。
顔馴染みになったので、また来たかと異国の地で笑顔で接客してくれるのがうれしく感じました。

その後、行く頻度は減りましたが、定期的に行くようにしていました。
行く度に、また来たのかと笑顔で迎えてくれたり、中国語でも何回か質問をされたりもしましたが、答えられなくもどかしい気持ちにもなったり…


初めて異国の地で接した日本語が通じない外国人である肉まん屋の店主。
言葉が通じないのに、笑顔で接してくれた店主。
正月真っただ中でもお店を開けてくれていた店主。
とても思い出深いです。

また、いつか会いに行けたらと…。

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