新詰め将棋 :三手詰め詰め将棋の解き方考察詳細篇:その1
2023年12月24日作成
REV14
ブログ投稿しています。複数画像付き等最終版は此方から、ご覧ください。
皆さん、当方の詰め将棋関連投稿は、お楽しみ頂いていますでしょうか?
これまで、詰め将棋の題材に対する多少のコメントと詰みに至る手順のみを公開させて頂いていたと思いますが、皆さんは、ご自身で詰め将棋を解けるように、なられたでしょうか?
何となく、講師的には、簡単なコメントと、回答のみ提示されても、詰め将棋を解けないという声が聞こえてきそうな気がしています。
そこで、今回から、別建ての投稿として、三手詰めに戻って、どの様に詰め将棋を講師が解いているか、具体的に考え方なども含めて、投稿している手順がどの様にできてくるのか(解かれるのか)を、ご説明しようかと思います。
詰め将棋が通常の将棋と異なるのは、攻めて・守りての手を自分自身で全て考えて、詰め状態に至る道筋を明らかにする事です。
三手詰めに戻るのは、詰め将棋を始められる方は、或いは未だ慣れていない方は、詰め数が小さいものから取り組まれる方が良いと思います。
何故なら、詰め数が大きいと、その分、手筋(攻め口の意味で)が沢山ある場合が通例であり、容易には正解に行きつけない事があり得ます。
講師自身自分で詰め将棋を作成する事もできますが、時間の関係で、引き続き、日本将棋連盟さんの”次の一手”という情報を引用させて頂こうと思います。
①詰め将棋問題その1(三手詰め:詳細解説)
今回の題材は以下の通りです。
状況:三手詰めです。持ち駒は金一枚です。3一に龍(飛の成)、4三に角の先手側・攻めて側の駒配置で、守りは相手玉が1二の位置にあり、2一に桂、2二と1四にそれぞれ金、1三に歩の布陣です。相手の持ち駒は、原題では記されていますが、関係ありませんので、省略します。
詰め将棋の題材を得た場合、先ずここで、講師は以下の点を確認します。
自陣と相手陣若しくは攻め手と守り手の駒の配置
手駒
手数
簡単な所から説明させて頂くと、先ず手数です。
今回三手詰めですので、手数は三です。
ここで重要なのは、三手の意味です。即ち、攻め手:一手目、守り手:二手目、攻め手:三手目という事を先ず、念頭に意識しないといけません。
従って、他の詰め数でも基本的には同じなのですが、三手しかない三手詰めは一手目が大変重要です。
逆に言えば、三手しか無いので、通常、間違った一手目を打つとその場合は、指定手数で詰められなくなると思います。
尚且つ、攻め手は基本的に王手の手を打って、詰め数で詰めるものです。
従って、一手目から必ず王手にする必要があります。
ここで、確認したアイテムの内、一番の駒の配置確認が生きてきます。
要するに、王手をするのに、既に盤上に配置されている、自陣若しくは攻撃手の駒から王手が出来る位置の駒を探します。
と、同時にアイテム2で確認した手駒でも王手できる様に使う位置を一緒に考えます。
ここで、アイテム1とアイテム2とを同時に考えるのが難しい方は、アイテム1のみで先ず考えてみて、詰みそうか、即ち、玉を移動させられるかを考えてみます。(同時に考えるのは単に講師が慣れているからだけだと思いますので、1から2へとステップを踏んで考えても答えは同じになるハズです)
今回の題材で具体的に、説明させて頂くと、先ず、自陣・攻め手の配置されている駒及び持ち駒で王手になるのは以下の駒移動・駒打ちと思います。
2一龍で守り手の桂を取り王手
2一角成竜で守り手の桂を取り王手
1一金打ちで王手
2三金打ちで王手
従って、今回の三手詰めの題材では、初手に上記4手が考えられると思います。(前半二手は配置されている駒の移動で、残り後半二手は持ち駒を打っての手です)
次に、これらの手を検証します。
検証というのは今回三手詰めですので、最初に確認した手数を考えて、自陣・攻め手が一手打つわけですから、残り、守り手が一手駒を動かして、その次に、自陣・攻め手が駒を一つ移動させて、詰めさせられないといけないという事になります。
従って、単純に相手玉以外の移動で初手の王手を防がれてしまうと、一手無駄になることが多い為、詰み数で詰まなくなると思います。
この観点で、上記、四手筋を具体的に検証してみます。
2一金、龍取りで王手を切られ、更に、相手玉の下方(和数字の大きい方向)が空いてしまい、相手玉が下方へ逃げやすくなります。また、次の手で3四角でしか王手が出来ず、取られた飛を2三に打たれて、王手を切れるため、三手で詰まなくなります。
上記と同様です。(2一金、竜取りで王手を切られてしまいます。また、次手が4二龍での王手しかなく、2三玉又は1一玉でやはり三手で詰められなくなります)
1一同玉で金を取られ、2一の桂を龍か角成で取っても、2二金の2一金で龍・竜を取られてしまいます。結果、この時点で四手となり、三手で詰められません。
同玉か同金で打たれた金取り対応ですが、3一の龍の3の縦の利き筋と4三角の斜めの利き筋とが、角を斜め右下に一コマ移動させる事で、3の龍の縦の利き筋と重なる為、三手詰めになりそうな感じがします。
従って、一手目は2三金打ちで王手となると思います。
守り手の二手目は、2三金打ちへの同玉か同金の為、それぞれ、三手目を考えてみます。
三手目は王手且つ詰みなので、考えやすい気もしていまします。
具体的には以下の通りと思います。
同金の場合:
2一龍の桂取りで王手か2一竜(角成)の桂取りで王手で、事前に金が2三と上がっている為、逃げ道が無く、三手詰みとなります。
同玉の場合:
龍を3四に移動して王手をしても、元の位置の1二玉に逃げ、龍の為斜めの利き筋が周り一コマの為、王手が切れてしまい、三手で詰まなくなります。
角を3四竜(角成)王手とすると、3一の龍に守られながら、尚且つ、斜めに聞き筋が有る為、この一手で詰みとなります。
上記の結果、三手筋で三手詰みとなりますが、通常、相手玉は広い方へ逃げるという様に考えられるため、二手目は同金ではなく、同玉を選択するのが一般的若しくはセオリーだと思います。
最終的に以下の手筋が導き出されました。
2三金打ちで王手
同玉
3四竜(角成)王手での三手詰み
今回選択した題材は配置駒数があまり多くない為、比較的簡単だったのではないかと思うのですが、如何だったでしょうか?
三手詰みの題材を使って、詰め手筋に至る考え方を詳しく解説してみました。
皆さんは、将棋や囲碁を嗜まれておられるでしょうか?
講師の経験が、皆様のお役に立てれば幸いです。
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