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なぜ外国人研修生が逃亡するのか?

こんにちは。酪農家 こーいちろです。

今日は、外国人技能実習生に関してnoteします。

雇用の一環として研修生制度の利用を考えている方、利用していたが逃亡された事がある会社に向けて書いていきます。
最後まで、読んでいただければ、研修生制度をうまく活用でき、雇用に困る事が少なくなると考えています。


私はよく同じ酪農家から「研修生は逃げないか?」と言われることがありますが、私の牧場では今まで一度も逃亡したことはありません。
でも同じ市内の酪農家さんは数軒逃亡にあったことがあります。


何が違うのか?私も疑問を持ったので、私なりに原因を考えてみました。まずは現在私の牧場で行なっている事を中心に書いていきます。

私の牧場では15年ほど前から研修生制度を取り入れています。
最初は中国山東省の研修生から始まり、現在はベトナム研修生を採用しています。


私の牧場で働いている研修生を以下の項目でみてみました。

・仕事面
・待遇面
・生活面


まずは仕事面から。

仕事の時間は搾乳係が朝5時30から9時半まで。午後は15時から19時まで。
飼料係は5時から9時まで。15時から19時までの計8時間です。

私は作業に入らないので、基本的には研修生に搾乳・哺乳・餌やりなどは任せています。
搾乳時の乳房炎の発見や抗生剤軟膏の取り扱い、採食量が落ちた牛を診察房へ移動なども全て研修生に任せます。


【研修生に任せている作業】

・搾乳
・乳房炎の治療
・病気疑い牛の移動
・獣医さんの対応
・餌作り・餌やり
・受精士さんの対応
・徐糞
・哺乳
・子牛の下痢・熱などの報告
・子牛の治療(抗生剤等)
・子牛ハッチの掃除・管理
・分娩
・難産時の対応

などほぼ全て。


これを一日8時間の中で終わらせます。
作業順や器具など改善が必要な場合は動画マニュアルに沿って勝手に改善していいことになってます。
マニュアルは ひらがな とベトナム語で書かれています。


次に待遇面

仕事に関してはタイムカードで時間管理しています。36協定を締結しているので、月の残業は40時間を超えないように、作業の効率化なをど図っています。


また、残業手当は時給の1,25倍の計算で残業時間100%出しています。ひと月当たりの勤務時間は残業込みで200時間から215時間程度になります。


休日は月に5日〜6日です。私の牧場は研修生が数人いますので、残業時間に差があったり、休みの日数に差が出ないように注意しています。

その他に、月ごとの分娩手当(分娩頭数×1,000円)と乳質手当(3,000円)をつけています。


額面で、20万円から23万円ほどになります。
そこから社会保険や、寮費(17,000円)などを引いて、手取りでだいたい15〜18万円前後となります。


続いて生活面

私の牧場では、牧場内に研修生が住んでおり、牧場自体が山の中にあります。その為、買い物などは私が車で連れていきます。
(ベトナムの女性スタッフは車酔いが激しいので、月に1度しか買い物にいきたがりません)


朝の作業が終われば、15時まで何も仕事はなく、ご飯食べたり、昼寝したり、スマホでゲームしたり、たまに、市内に遊びに行ったり。
基本的には生活に関して出来るだけ関与しないようにしています。


研修生が逃亡する主な理由(想像)


私の想像内の理由ですが、

・最低賃金を渡していない。
・サービス残業になっている。
・都合のいい時だけ、「家族」
・ミスした現象に対して、罵倒など。
・生活面まで管理している。
・お給料を現金で手渡し。
・単純労働しかさせてない。

ざっと上記の理由かなっと。


研修生制度は表面上、日本の技術を学びに来ているとなっていますが、現場では、研修<出稼ぎ の意味合いの方が強いと感じます。


 日本特有の「サービス残業」などが、研修生の逃亡に繋がっている場合が多く、雇い主が労働基準を守らない。そもそも知らない人も多いのではないでしょうか?


普通に自分が働くならどういった環境で働きたいのか?を考えれば外国人研修生の逃亡は起きないと思っています。


実際、研修生は自国の研修で「逃亡」に関してダメな事だと学んで日本に入国してきます。逃亡すると、研修の終了証書がもらえず将来的に全くの無価値になる事も学んでいます。


ダメだとわかっていながら逃亡するのは、彼ら、彼女らの何かしらの限界に達するからだと。


仕事も研修生に任せるようにしてからは、彼らからの改善提案が来たり、こっちが忘れている作業の事までやってくれる。私の牧場は研修生でもってます笑

今後、研修生制度を活用したい方は、スタッフとしての当たり前の対応を考えて行えば、必ず会社の力になってくれるはずです。


これまでの酪農や農業は「自分が体を動かしてなんぼ」の業界だったと思います。ただ、この先 後継者の時代や、その次の代まで事業を残そうと思ったら、家業→企業への変化、対応も必要になってくると感じています。

雇用を生みだして、離農に歯止めをかけ、いわゆる正しい農協の形を作り直すターニングポイントの時代だと考えています。


明るいの農業のために みんなで何ができるか?考えて行ければいいなと思っています。

それでは、また!

※実際、私の牧場でどんな風に外国人研修生が働いているか?気になる方はいつでも連絡ください。牧場見学も大丈夫です。


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