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セルフビルド家づくり、振り返り日記。

あっという間に2023年も最終日となり、今年は妊娠出産でどどどっと駆け抜けていった年ではありましたが、同時進行でぐぐっと進んだ家づくり。

このマガジンも2023年の締めくくりとして、今年1年がどんな年だったのか振り返ってみようと思います。

【1月】

2022年末に、セルフ地鎮祭を終え、根切り作業などを済ませ、春に建前ができるようにと準備を進めてきたものの、所詮は素人であり、立てた予定が全然予定通りに進まない…。

(神業を見せてくれる、ほぞ取り機)

時短のために導入した、ほぞ取り機を使えるようにすべく、200Vのインバーターも導入し、いざ刻みに集中!と思いきや、生活のための仕事も同時進行でやらねばならず、これ仕方なし。

【2月】

(2月は稼ぐ月ということで夫婦で山仕事)

造林の仕事で、夫婦そろって植え付けの仕事を請け負っていたものの、途中で私の妊娠が発覚し、3人目の子でありながら、最悪のつわりが始まり、ゲロゲロ地獄と認知症の祖母の介護とで、精神的に病んでいたのでした…。

そんな中でも夫は私のサポートと家事育児仕事をこなしながら、家づくりも隙間でできることをコツコツとやってくれました。

【3月】

捨てコンを入れる作業もボランティアの方を募って、助けてもらいながらも無事に完了!

それまでは職人さんに指導をお願いすることはあっても、基本的には夫婦ふたりであれこれやり遂げてきたのですが、つわりが思いのほか長く続き、しかも体力仕事は妊婦にはできないので、人に頼らねばやっていけないという局面に出くわし、ボランティアさん募集へと繋がったのでした。

無事に捨てコン打設が終わったかと思えば、そもそもライフラインである「水」がなんとかできておらず、水脈調査だけはできていたので、それを頼りに、ようやく井戸掘りDIYがスタート。

重機だけレンタルして、あとは自力で水脈をみて「ここだ!」と言ってもらったところを掘っていくのですが、この時期もまだ私のつわりがひどく…。

林業仲間に全面サポートしてもらいながら、水が出ているところまで掘り当てて、井戸側を積むところまでが完了しました。

(完成した井戸)

【4月】

ようやく私のつわりもおさまってきて、軽作業ならできるようになってきたこともあり、井戸から新居までの約80m、水道パイプを埋設する作業をしました。

久しぶりの夫婦作業は、あーだこーだ言いながらもやはり楽しいもので、蛇口から水が出るという、現代だと当たり前のことに感動して涙しそうになる変態夫婦。幸福を感じるハードルを下げると、本当に毎日がしあわせになります。

(水の出た瞬間の感動は忘れられない)

【6月】

夫婦して人生はじめてのクラウドファンディングに挑戦!

(私たちの目指す場所づくりの野望)

これまで応援してくださっていた方の中でも、「自力でやり遂げる人だと思っていたのに残念」「身近な人から金を巻き上げるんだな」「もう応援しません」など、わざわざそれ言わなくてもいいんじゃ…と思わんばかりの見ると悲しくなるような言葉もYouTubeのコメントを通じて、いくつかいただきました。

みんながみんな応援してくれる世界というのは存在しえないから、私たちは応援してくれる人と繋がっていたいと強く再確認できた機会でもありました。

そもそも、クラファン自体はカツアゲのように強制的にお金を巻き上げるわけでもなく、詐欺のように騙しているわけでもなく…。自分の意思で応援したいと思ったら支援することができる仕組みですからね。

このクラウドファンディングを手段として使ったのには、目的が2つありました。1つは資金調達。2つ目は仲間づくり。

物価高騰によって、職人さんにお願いしていた作業も材料費や賃上げによって、当初予定していたよりも倍近くの見積もりになったり、自分たちが用意していた資金では到底不足してしまいました。自分たちの想像力の欠如によるものであるには違いないのですが、私たちは「家づくりをすることが目的」ではなく、これもまた手段であり、その先の暮らしを営む中で行いたいこともたくさんあるので、クラファンを活用しました。

2つ目は仲間づくりを挙げましたが、すでに焼杉づくりや土壁関連のワークショップを開催していますが、それらに参加してくださっているのはクラファンを通して「ともに学ぶ場」を選んでくださった方々です。どの方も本当に素晴らしい方ばかりで、出会えてよかったと思わずにはいられない方々です。

(私たち夫婦の出会いの場も、家づくりを学ぶ場)

そうして28日間におよぶクラファンを通じて、185名の方々に2,162,500円という多大なるご支援をいただきました。本当に本当にありがとうございました…。

これらの資金は当初の予定通り、ワークショップでもお世話になっている職人さんや建て方でお世話になった大工さんへの日当、家づくりに関する資材費(主に材木購入費用)に活用させていただきました。

【8月】

この夏は、夫・バタは刻み作業に追われ、肉体精神ともにつらかった時期でもありました。

(模型と設計図とにらめっこが続く)

自分の家を作るのにつらいって何事!?と思われそうですが、建て方には多くの助っ人や大工さんにも来てもらう予定だったので、そこでスムーズに事が進まないと、みんなに迷惑をかけてしまうかもしれないというプレッシャーもあったのです。

頼んだレッカーが当日ドタキャン、刻みチェックをしたはずが刻み間違いがあったり、刻み忘れがあったり、ズタボロな日もありましたが、これもまた本当に心優しい大工さんたちや助っ人の強力なサポートがあり、無事に建て方を終えることができました。

YouTube「セイカの暮らし便り」でもドキドキハラハラなシーンを包み隠さず、すべてをありのまま公開しているので、ご興味ある方はぜひのぞいてみてください。

【9月】

8月で終わらせる予定だった建て方も、今年は8月に台風が次から次へと現れ、予定通りのスケジュールでまったくいかず、リスケしまくって結局9月に差し掛かりました。

(前途多難な建て方のはじまり)
(建て方、完了!)

本来、この後は屋根作業に取り掛かるものですが、当初は8月にクラファンのリターンでもあった土壁の下地づくりのワークショップを延期して待っていてもらったこともあり、9月上旬に、仮屋根としてシートで養生した下で、ワークショップを開催しました。

(ワークショップに合わせて餅まきも開催!)

土作りからお世話になっている、左官職人のけんちゃんに指導をお願いし、私たち夫婦も一緒に学ぶワークショップです。

(手取り足取り習いながら実践!)

使う竹は、2年前の秋に新月伐採した竹なので、乾燥具合はバッチリ。保管状態は怪しいので、使えるか心配されていましたが、問題なく使うことができそうでホッと一安心…。

ワークショップが終わると「では川端さん、あとは竹小舞を終わらせておくように!」とけんちゃんから課題を課されたものの、肝心な屋根仕事が終わっておらず、優先順位としては、まず屋根仕事を終わらせることになりました。

(竹小舞かきワークショップ参加の皆様と)

【10月】

そんなことで、ひたすら屋根作業をせっせと頑張る夫・バタ。

(垂木と断熱の作業中)

しかし屋根作業は単独作業だと危険も伴う上、地上で動いてくれる人がいないと効率も悪いので、ここでもまた林業仲間や大工さんにも助けてもらいながら作業を進めていきました。

ここで、私が地上でサポートできる役回りができればよかったのですが、臨月で、今にもお腹がはちきれんばかりで、できるのは飲み物の準備と夫の弁当づくり、あとは撮影くらいなものでした…。

そして、10月下旬には外壁となる焼杉を作るワークショップも開催。

(はじめて挑む焼杉づくり)

夫の知人に焼杉DIYしたことある方がいて、その方にもアドバイスをもらったり、ネット検索して得たことをベースに焼杉をどんどん焼いていきます。

試行錯誤しながら、こちらも焼杉づくりに興味ある方とワークショップ形式で開催したのでした!

(焼杉づくりワークショップ参加の皆様と)

【11月】

9月の竹小舞かきワークショップの続編として、土壁の最初の塗り壁「荒壁土塗りワークショップ」を開催しました。

とはいえ、屋根工事優先で動いていたので、竹小舞の続きには着手できておらず、とりあえずできているところだけを荒壁を塗っていくということに。

(夫も念願の壁塗り!)

土が凍る時期には塗り壁に適していないことから、これから先はしばらく壁塗りのオフシーズンになります。

しかし、この荒壁土塗りのワークショップによって塗られた壁の存在感は圧倒的で、壁があると急に「家」っぽくなってきて、住めそうな気さえもしてきます。

(乾いてきた荒壁土)

この続きは、また土が凍らなくなった春に行うことになり、その際にもワークショップを追加開催する予定です。

(荒壁土ワークショップ参加の皆様と)

【12月】

そして2023年も師走に入り、今月の半分以上は夫・バタも仕事で多忙な日々。

そのため、家づくりの作業ができる日数も限られていましたが、年内になんとか瓦を置くための桟を打ち付け終わり、クリスマスが過ぎた頃、瓦葺きの指導をお願いしている、地元高知の企業「村山瓦」さんが指導にきてくださいました。

打ち付けた瓦桟にどんどん固定されていく、桟瓦。

この日のためにこの1年駆け抜けてきたんだよね…としみじみして、夫婦ふたりで「瓦屋根でよかったね」と微笑みあったことでした。

…まだ屋根の何十分の1しか瓦が載っていない状態ですが(笑)

大晦日の今夜18時に、そんな様子もYouTube「セイカの暮らし便り」で公開しているので、ぜひご覧いただければ幸いです。

そんなこんなで、家づくりが常に話題の大半を占めて、なによりもそちらを最優先して動いてきた2023年。

設計士さんをはじめ、左官屋さん、大工さん、サポートしてくれている工務店、職人さんの手助けによって、ここまで形にすることができました。

夫婦2人、いや、厳密には私は妊娠出産も重なり、ほとんど動けず、夫1人で動かないといけないこともたくさんあった中で、モチベーション維持しながら、ここまでこれたのは本当に周りのサポートあってのことです。

それでも、こだわりすぎた家づくりは住めるようになるまでは、あと1年ほどはかかる見込みです。

そのため、こんな調子の発信もあと1年は続くと思いますが、引き続き温かく見守っていただけると嬉しく思います。また時々、助っ人ボランティアさんの募集もXなんかでも呼びかけているので、ご興味ある方はこちらもチェックいただけるとありがたいです!

https://twitter.com/seyca_ktd

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あっという間に駆け抜けていった2023年。

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