タイで出会ったラオスのカレ
はじめての海外一人旅はありきたりだけどタイだった。
定番のカオサン通りの安宿に泊まり、ワッタナーさんの10バーツラーメンを食べ、シンハビールを飲んでドミトリーの相部屋の日本人と遊びに繰り出す日々。
日本とは違う人、匂い、空気に気分は高まり、毎日が新鮮でとても充実したバンコクライフを送っていた。
バンコクの(安めの)遊びや観光を一通り経験した後、タイを離れるまであと2日と言うところで発展場に行くことを思いついた。
正直タイ人はそこまで好みの顔の人がなかなか居ないし病気も怖いのだけど、若い僕は相部屋で持て余した性欲に押され、旅の恥はかき捨て的な思考も働きすぐに実行に移すことになる。(ノンケでドミトリー暮らしの皆んなはどうしてるんだろ?)
路線バスで向かったその発展場は、バーや広めのプールもあるそこそこ大きい施設だった。
受付のバーカウンターで、DJ風のスタッフからここがどういう場所か分かってる?と質問され少し緊張しながらYESと答える。
既にそこそこ混み合っていて、舐め回すような視線を沢山感じる。旅行シーズンから外れていることもあり、外国人が珍しいのだろう。
スタイルであるパンイチになり、ウロウロ歩き回ると着いてくるタイ人が数名。あんまりタイプじゃなかったし色々見てまわりたかったので構わず散策する。
暗い階段を登ってるとそこは個室がたくさんある廊下になっていてザ・ハッテンバという様相になってくる。この辺からお尻とか触られ出す。やはり珍しいのか日本人はモテるのかもしれない。しかしモテすぎている。3人くらいに同時に触られだして逃げるように歩き回っていると、彼はいた。
ガッチリしつつも綺麗に割れた腹筋。少し鼻の穴は広めだが整った目鼻立ちに綺麗な口元。タイプだった。
向こうもこちらを気に入ってくれたのか、単に親切なだけだったのか、しつこく触られて困った顔をしていたら触ってくる男達の間に割り込み身体で守りながら近くの個室に入れてくれた。
男らしく守ってもらった経験などない僕はその時点でもう胸キュンというか、ときめきを感じてしまい彼のことが好きになっていた。(チョロいのである。)
扉を閉めた彼は英語で大丈夫?と心配しながら僕の肩を撫で大きな瞳で見つめてきた。
大丈夫、助けてくれてありがとうと答え見つめ返す。僕自身が昂るのを抑えきれず、パンイチなのでそれが彼にも伝わり彼も昂り始めた。
その後自然と顔を近づけ、あとはご想像にお任せする。
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事後、腕枕をしてくれながら色々会話をした。
彼はラオスから仕事でバンコクにきており、今はバンコク郊外に定住しているそうだ。
ラオスよりタイの方が稼げるそうでわりと出稼ぎ労働者は多いらしい。
女性の恋人がいたそうだが最近別れて今はシングルとのこと。
ラオスにもたくさん観光するところがあること。
そして僕のことがとてもタイプで好きになったとのこと。
マイハニーとか漫画でしかみたことない歯が浮くようなセリフを言われ、僕も少なからず好きになっていたのでダーリンとか言っちゃって今思い返すとめちゃくちゃ恥ずかしいやりとりをしていた。
お互い疑似恋愛感情を抱いていたと思う。
残念ながら翌日僕はタイを出発しなくてはいけなかったため、メアドを交換して別れた。
もっと早く出逢ってたらタイ旅行はまた違った楽しみ方が出来ただろうな。
カレが幸せに暮らしてますように。
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