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パキスタンの長距離バスの夜

※2010年代後半の話
※微エロ

僕はかねてより憧れていたフンザに行くためにパキスタンに来ていた。

フンザとはバックパッカーの聖地やら、風の谷のナウシカのモデルだとか言われている場所で、それはそれは風光明媚な場所と今まで出会った数名の旅人から聞いており、いつか行かなくてはと長年思っていた場所である。

日本からイスラマバードに到着した時は既に暗くなっており、たまたま空港にいた別の日本人旅行者(ヒロシくん仮)とタクシーを相乗りすることにする。ヒロシくんはホテルを現地で探すつもりだったらしいので僕が探しておいたホテルに2人で行くことにした。聞けばヒロシくんもフンザが目的地とのこと。

パキスタンの灯りが乏しい国道を駆け抜けホテルというか安宿に到着。オーナーのお爺さんがとても歓迎してくれ、お孫さんと一緒に晩御飯を提供してくれた。(お孫さんは堀が深いペルシャ系のイケメンで僕は一瞬見惚れてしまった)
ヒロシくんも含めた4人での食事はとても楽しかった。お孫さんはまだ大学生らしく途上国のパキスタンを良い国にしたいと色々頑張ってるそう。この国における大学生はかなりエリートであり、国の未来を背負っている。日本の意識高い系とは一線を画する本物の意識の高さが眩しく感じる。もうなんかすごい好きだ。
お孫さんとはFacebookを交換して、今もいいねしている仲。

翌日、ヒロシくんとフンザに行くためのバスチケットを買おうとバスターミナルに行くと出発はお昼過ぎになるとのこと。時間が出来たので、その日は解散してお互い好き勝手に街ブラすることにした。このように出会った人でも一旦解散して各自観光するのはお互いに気に食わないとかではなく、一人旅あるあるなのである。時間は有限だし興味が必ずしも一致してるわけじゃないからだ。

サモサ(インドや中東などでよく売られてるカレー味のコロッケみたいなもの)を食べ歩いたり絨毯を見ながら観光してるとあっという間にバスの出発時刻になる。

僕はヒロシくんと隣になると思っていたがチケット的にバラバラの席となり、僕のちょうど斜め後ろの席がヒロシくんの席になっていた。隣がスパイス臭いおじさんだったらやだなぁと思ってたら、来たのはパキスタン人の若者だった。バスターミナルの中でもかなり目を引く美形だったので、僕はこの幸運に感謝した。来る時もニッコリ微笑みながら挨拶してくれて人柄も良さそうだ。

バスの道中、外国人の知り合いが出来たのが嬉しかったのかすごい積極的に話しかけてくれ一緒に写真を撮ったりFacebookを交換したりした。あまり英語は得意ではないようだか一生懸命観光情報なんかも教えてくれてありがたい。あと話す時目をじっと見てくるので、僕はこれはもしかして‥?と思いだす。
元々パキスタンという国はポルノなどの規制が激しく性欲の捌け口が少ないせいか同性愛者が多いらしい。ホテルに泊まってたら天井からオッサンが降りてきて掘られたとか、知り合った人と飲みに行ったら睡眠薬を盛られ気づいたら掘られてたみたいな嘘か本当か分からない話をよく聞いていた。なのでこの目の前のハンサムな若者もゲイかバイであることも十分に考えられた。

そして、バスはパキスタンの荒野をかけながら夜になる。この時、既に春も盛りを過ぎた時期であったが夜はまだ寒く僕らは2人とも上着を体の前にブランケットのようにかけていた。
周りも静かになってきて皆んな寝てるかスマホを見てるかしてる時、僕は太ももの横に隣の彼の手が当たっているのを感じる。これは‥!と思い僕も手を僕らの太ももの間に持っていき彼の手に触れた。この時僕はかなり緊張している。引っ込められたらどうしようとか思っていたのだ。そしたら彼は僕の手を少し指で撫でながら握ってくれた。また違う緊張というか興奮に包まれ僕も握り返す。
横を向いて顔をみると何事もなさげに目を瞑っていた。彼ももしかしたら緊張していたかもしれないが通路側なので周りに変に思われないように平然を装っていたのだと思う。
次第に彼の手は僕の太ももの上に登ってきて撫でてくる。僕も彼の太ももまで手を伸ばしその感触や熱を手のひらに感じていた。
そして僕らはお互いに素知らぬ顔をしながらお互いまで手を伸ばす。電気が消えて薄暗く、さらに上着で隠しているとはいえ、満員のバスで触りあうのはかなりのスリルがあり、興奮とあいまって心臓は今までになく激しく鼓動していた。特に斜め後ろのヒロシくんには絶対バレたくない。僕自身は最初に太ももに触れられた時から既に昂っていて履いていたデニムのパンツが痛かった。彼も同様であったようで右手で僕を触りながら左手で自分のファスナーをゆっくり音が出ないように下ろし、直接触るように導いてくれた。そして僕のファスナーも下げられ下着の中にも入り込まれお互いに手で直接触りあった。彼は濡れていて、触る時に音が出ないように気をつけた。彼自身の触り方はそこまで上手くなかったが、横を見ると時折り顔が微かにゆがみ、僕は親切で優しい彼が自分の手で感じてくれていることに興奮した。そして、しばらくすると彼が果てた。少し急で僕は掌で受けざるを得なく焦ったが量が少なくなんとか受け止めきれた。その瞬間、いっそうゆがんだ彼の顔がたまらなく官能的だった。なんとなく満足してしまい彼の手を空いている右手で離した。手で受け止めてもらえきれず服が汚れたり匂いが漂うのが怖くなったのだ。僕は片手でなんとかザックからティッシュを取り出し手を拭いて、さらに追加のティッシュで包んでカバンの中にしまった。この時ゴソゴソ音を立ててしまい周りに怪しまれないかかなり緊張した。全て終わると僕らはお互い顔を見合わせ照れ笑いした。

しばらくすると、バスはトイレ休憩のため停車し、(と言ってもトイレはなく、その辺の荒地でするのだが)僕らは皆んなから少し離れた場所でティッシュを捨て土をかけ、ペットボトルの水で手を洗った。彼が僕の後ろに立ちその様子を周りから隠してくれた。

バスに戻った後、僕らはまた手を繋ぎ、そのまま眠りに落ちた。こんな異国で出会ったばかりだが、人との繋がりは安らかな気持ちを与えてくれた。

夜が明けて、彼の実家があるフンザの手前の町についた。バスを降りて固まった身体を伸ばす。彼がバスの上に積んでいた大量の荷物を下ろすのをボーッと見守り、最後は握手をしてまたいつか会おうとも言わず別れた。Facebookは繋がってるしね。

そして僕はバスに戻り、隣が空いた席に少しの寂しさを感じながら引き続きフンザへと向かうのであった。

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