巨人の筒香獲りと阿部巨人の誤算

仕事の繁忙期と重なっているため、開幕から野球をじっくり追いかけられてはいないのですが、原監督の09WBC優勝から野球を観始めた、原信者からすると「だから言ったのに」と言うべき事態が阿部巨人に続いてるようです。

朝見たニュースだとメジャー挑戦し、最近はマイナーリーグでプレーした筒香嘉智が日本球界復帰を考えているらしく、どうやら古巣であるDeNAと巨人が獲得に動いているようです。

今回は原監督の信者であった私が阿部巨人の上手くいっていない理由を挙げ、そこから考える懸念と筒香獲りへの賛成をお気持ち表明しようと思います。

巨人の過ち1、原監督の解任は早かった

まず私は野球を見る際に監督の采配というものを重視していません。上手くいけば褒められ失敗すれば叩かれる結果論でしかないからです。
チームの成績は全て選手の戦力をどう揃えられるかにかかっている、という考えです。

そこから、新しい監督にするのは一年早かった。そもそも契約が1年残っているのにも関わらず解任するのは過ちでした。原監督は契約から逆算してチーム作りを進めていたでしょうし、あと一年やって後任に引き継ぐつもりだったでしょう。
「新しい監督ならじっくり若い選手を起用する」
そんなことは全くなく、むしろ目先の勝利を求めます。散々オーナーやらOBから優勝優勝言われるのが巨人ですからね。
原監督が汚名を全て被っている間に準備を進めるべきでしたのに、おそらくオーナーたち球団上層部が観客動員や新聞の売り上げを焦って監督を変更したのでしょうが、結果新しい柱として期待されていた選手は、出てこれてないのが現状です。

巨人の過ち2、育成と発掘を諦めていなかった

この2~3年オーナーの大号令で続いている育成と発掘。さんざん育成選手を獲ってきているのだからそいつらを使えということなのですが、なんとそのかわりに補強をしません。むしろベテラン選手を積極的に放出して、「若手の枠を作れ」というのです。
これは当然ながら大間違いで競合のドラフト1位などよほどのスーパーエリートならまだしも、育成入団のような「100位未満」の選手が枠を与えられてスーパーエリート達と戦わされて、結果を出せるはずもありません。
この2年の投手崩壊から昨年オフのトレードなどの補強で「ようやく育成と発掘を見直したか」と思いきや、そんなことは全くありませんでした。

まず中島、中田の放出。ウォーカーもトレード。ブリンソンと契約しない。北村と若林も放出。新助っ人オドーアが帰国退団も報知は「若手使うからむしろプラス」

結果として梶谷や丸の故障もあり、開幕から9試合とはいえ巨人は下位にいます。ここからと言いたいのですが、私の知る限り特に上がる要素もないです。あえていうなら「若手の覚醒」らしいですが、漫画キングダムじゃないのですから、覚醒することを前提にチーム作りをしたところでうまくいくはずもありません。


巨人の過ち3、チームがバラバラ

上記の過ち1では現場の新監督は勝利を求められるから若手の育成など出来ない、過ち2ではフロント上層部(オーナーとか球団社長など)は若手を使えと言ってベテランを追い出し補強しないと述べてきました。
ではその間にさはまれた編成部はどうするかというと、「上層部には逆らえず、かといって現場も見捨てられないからギリギリ若手の中途半端な選手を補強する」となります。
ドラフトで大学社会人の即戦力指名を指名したり、他のチームからギリギリ20代の元有望株みたいな選手を獲るということです。
ですが、その結果チームの選手の年齢バランスは悪くなっていきますし、なにより役割も不明確な中途半端な選手しか獲得できません。
結局は現場は勝てず、いまいちスターになりきれず、誰も得しない結果となります。
はたから見ているとそれが今の巨人に見えます。

起こりうる『悪夢の由伸巨人の二の舞』

今でこそ「岡本を育てた」「原のせい」と擁護されることもありますが、由伸巨人の3年間は右肩下がりでした。
その原因は読売出身の堤GMが現オーナーの山口氏の言いなりとなり、毎年球団の方針が変わったことで、現場は振り回され、最後は見捨てられて終わりました。

阿部巨人で例えるならば2024年このまま優勝出来ず、新しいスター選手も作れず、坂本菅野らベテランの力でなんとかAクラスになるも、「阿部慎之助が可哀想」の声にオーナー直々に大補強命令。オフはFAで3人を補強し、中山と秋広は元エースとのトレードで日ハムへ。
しかし2025シーズンは坂本菅野が絶不調でFA補強も空振り、戸郷岡本が奮闘するも大型連敗で吉村編成部長は解任。最後はBクラス。(放出した秋広はパリーグ本塁打王、中山と一緒にベストナインになり、日ハムはエスコン移転後初優勝)
前年の補強が空振りしたことでオフはさほど補強もせず、フロントに見放された感じでスタートした2026年は浅野が大活躍で2桁本塁打で首位打者にもなりスターになるが、戦力も足りないまま3位で阿部監督は辞任。

こんな未来が再び来ることが予感できてしまうんですよ。(さすがにその後に第四次原政権はないでしょうが)

筒香の補強は

ではどうするのかというと、まず今年に原監督が戻ることはありません。
ならばフロントが「育成と発掘」を捨て、編成が現場が求める選手をちゃんと補強することです。
戦力の軸が安定するから若手が出てくる、周りの良い流れに乗って活躍できます。
筒香選手が今さら日本で活躍できるのか?それは分かりません。しかしこのまま巨人が坂本、岡本、大城(バント)の打線でいいはずもありません。今さら新しい外国人を探したところで、カステヤーノスとかハイネマンが来るだけです。

原信者としても別に応援してた巨人や、原さんから禅譲された阿部監督に失敗してほしいわけではないので、なんとかうまくいってほしいと思います。

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