ここで自論、映画版『架空OL日記』とは、バカリズムの"アレ"である。
昨日ね、ついに映画版『架空OL日記』を見ましたよ。
この『架空OL日記』ってのはもともと、バカリズム氏が2006年からOLになりきってブログを書いたものが書籍化され、ドラマ化され、そして今回の映画化にまでつながった、と。ちなみに僕はドラマ版から見始めている。
…とは言ったものの、僕がこの『架空OL日記』シリーズにどっぷりはまり込んだのは、決してバカリズム氏の才能に惚れ込んだからというわけでもなく、ただ単に女優の臼田あさ美さんが出てるから見たんです。長い間めちゃくちゃファンなんで!
ただ!見進めていくうちに、というか第1話の時点で、バカリズム氏の才能に惚れ込んでしまい…というわけである。
この映画・ドラマ、ほんとうに、なにも、起こらない。
ただ銀行勤務の女性たちが、駅から会社までの道で「仕事だり~~」と言い、勤務開始直前に「今日さみ~~」と言い、そして昼食時に「あいつきめ~~」と上司の悪口を言い、そして勤務終了後に「帰りなんか食べるか!」と元気よく言って、家に帰る。それだけなのだ。
これって、まぁ僕は女性でもOLでもないので何とも言えないが、この国で暮らす、一部の人々の暮らしほとんどを、そのまま描いているんじゃないか、と思うのだ。
そもそもこの映画の舞台挨拶でバカリズム氏自身が、「ほんとにみなさんの期待そのままの出来だと思います!」と言っていたし。
では、なぜ僕のような男子&ニート&大学生にまで刺さるのか?
それこそが、バカリズム氏の手腕によるものだ。僕が思う、彼の才能は、人々の暮らしの中に常に存在するなんでもないものをだけを使って、人々を笑わせてしまうことだと思う。彼がテレビに出だしたのは、「都道府県の持ち方講座」だし。(これで『爆笑レッドカーペット』に出てたのを昨日のように覚えている)
「いや、それなんやねん!!」とは思うが、「この県って変な形してるよな~」みたいな、誰しもが一瞬でも考えうるような、ほとんど突発的に感覚として思うようなことをしっかり頭で覚えていて、それをネタに昇華させることができる天才なんだと思う。
でもこの『架空OL日記』は一味違う。バカリズム氏はOL経験なんて当然ないだろうし、これはまさに彼の「架空」なのである。
つまり、彼は自身の些細な経験とか、誰しもが考えうることとかだけじゃなくて、自分が経験したことがない「あるある」すらも考え付き、しかも人々を魅了させることができるという、尋常じゃないレベルのパワーの持ち主なんだろうと思う。ゴーストライターがいるに違いない。絶対に昔OLと付き合っていたとしか思えない。どうなんだ!おい!!
そんで、この映画、ドラマ版とオチが全く同じなのも気になる。
それは、バカリズム氏演じる「私」が街中で、バカリズムと遭遇するというもの。その瞬間、「私」は消滅して、他の同僚は「私」のことを完全に忘れてしまう。
今まで夢見心地で、ただただ楽しいと思って見ていた我々は、急に現実に突き落とされた感じがして、すごく怖くなったり物足りなくなったりすると思う。なんでこんなことをやったと思う?
僕が思ったのは、バカリズム氏があえてこのシーンをドラマ版にも映画版にも入れ込んだのは、自分のクリエイティビティをさらけ出すための、「自己満オ〇ニー」のような気がするのだ。
わざと観客に、「これはフィクションでーす!!」という演出を唐突に見せつけることによって、現実へと突き落とす。これは確実にやっている。バカリズムの手のひらで踊らされている。我々は彼の「素晴らしき妄想世界」を見せつけられているのだ。もっと見せてくれ!!!
ただ「自己満オ〇ニー」という強い言葉で表現しつつも、そのやり方にまったくもって不快感とかいやらしさはない。本当にない。それは彼の類い稀なる才能によるものだ。本当の天才とは、人にオ〇ニーを見せつけても、嫌がられるどころか、賞賛されるような人物だと思う。自己満をいやらしくやるか、粋にやるか、結局はこの二元論なんじゃないかと思うのだ。
めちゃくちゃ雑に語ったし、すごく卑猥な表現とか使ってしまってほんとすみません。でもほんとにそう思いませんか?バカリズムさん大好きです。
『架空OL日記』めちゃくちゃおすすめなんで、ぜひ見ていただきたい。huluで配信されてるっぽいです。僕はツタヤで借りましたけど。
あ、あと主題歌もいいですね。吉澤嘉代子さんの『月曜日戦争』っていう曲。歌詞が作品に忠実だし、ゆるっゆるのメロディもクセになります。
また明日!
小金持ちの皆さん!恵んで恵んで!