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第5話:人間関係ファンデーション

サンフレとは

 セフレ、キスフレ、ソフレにハフレ。ふれふれふれふれ。現代日本には不順異性フレがあふれている。いろんな「フレ」がありすぎて全く理解が追い付かないが、今回扱うのは「サンフレ」、そう「サンドバッグフレンド」である。

 サンドバッグフレンドとは、「女性がどんなにストレスや不満をぶつけてもサンドバッグよろしく逃げずにそこにいてくれる男性」のことをいうらしい。愚痴や不平不満をぶつけられ、それをいなしながらオンナを言葉だけで慰め、そんな状態のオンナとご飯なりお酒なりの時間を作ってくれる。なんなら、部屋に入れて宅飲みで遅くまで付き合ってくれる。それこそ、泊めてくれちゃう。セックスしないのに!

 セックスなしに、オンナの愚痴やわがままに付き合うオトコなんて、もはやオトコじゃない。彼氏だったとしても、そんな状態の彼女を見守った暁にはセックスがあるから耐えられるのだ。では何故、彼らは耐えられるのか?
わたしには1つしか理由が思いつかなかった。サンフレになるオトコは、絶対にそのオンナのことを好きなのだ。そうじゃないなら、金持ちの暇人でボランティア精神にあふれているとか。

 どうしてこんな言葉を知ったかというと、暇つぶしに聞いていたアプリ配信で取り上げられていたのがきっかけだ。配信の途中から聞き始めたため、「サンフレ」という言葉が何かわからず調べてみると、まぁ衝撃的なワードが出てきたわけだ。3年以上前から存在していると知って、また驚いた。

 キスフレとソフレは知っていたけど、サンフレなんて、ものすごく現代日本女性向きの存在だなぁ、というのが第一印象だ。セックスしないでOKで、自分のめんどい状態をさらけ出すことができるなんて一兎どころか二兎とも得られている状態じゃなかろうか。しかも、そのオトコは自分のことが好きだからたいていのわがままは聞いてくれるはずだし、リクエストにも応えてくれるはずだ。慰めろ、ほめろ、頭を撫でろ、抱きしめろ、眠るまで傍にいろ。たぶん、これら全部「しょうがないなぁ」程度にしか感じないですべて応えてくれる。

ビバ、サンフレ。すばらしきかな、サンフレ。

サンフレはオトコにしかなれない肩書

 サンフレについて考えてながら気づいた。これが男女逆転した場合だと、サンフレという言葉ではなく「都合のいいオンナ」というフレーズで表現される。しかも、たいていはセックス付き。セフレというほど仲良くないけど、TENGAじゃなくてオンナとやりたいときに呼ぶ相手。何度もやらないにしても、一度は絶対に致してる。それでオンナが自分に対してオープンになり、全部受け止めます状態になったところで二度とエサはやらい。そんなパターンもあるだろう。身も蓋もない言い方だけど、オトコにとって「都合のいいオンナ」なのだ、どのパターンも。

 オンナの場合は「キスだけ!セックスはしてないもん」「添い寝だけだから、やらしいことにはならないの」なんて、どうしてもセックスを除外した「都合のよさ」が優先される傾向にあるように思える。そして「都合のいいオトコ」と呼ばなくても良いように、新しい呼び方を考えるのだ。キスフレ、ソフレ、そしてサンフレ。

 オンナは自分たちの顔にファンデーションを塗るだけでなく、人間関係にまでファンデーションを塗りたがるように思える。アラを目立たないように上から塗り付けて、あたかも最初からきれいなものがそこにあるかのように見せたがる。そして、「自分たちはなんてきれいにしてるんだろう」と思っているのだ。

同じオンナとして、化粧品を使う者として、ファンデーションを否定するわけではないが、このファンデーションはいかがなものかというのが素直な感想だ。どんなに塗りたくっても変わらないのだ、「都合のいいオトコが欲しいの!」という根本は。

別にいいじゃないか、相手のオトコが納得しているならどんな関係だって。そのオトコに対して不誠実でなければ。

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