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お薦めの大嶋本5選(読んだものだけ)

久々のnote更新になってしまいました。
大嶋先生の著作は相変わらず読み続けていて、たぶん8割方は読破したかなというところまで来たので、これまで読んだ本の中から特にお薦めのものをチョイスして紹介してみようと思います。

1.『無意識さんの力で無敵に生きる』(青山ライフ出版)

大嶋先生の著作は大別して2系統あり、ひとつは比較的メジャーな出版社から出版されている、FAPにあまり馴染みのない方でも手に取りやすいもの。
もうひとつは青山ライフ出版から自費出版で出版されている、大嶋心理学の真髄が書かれているちょっと玄人向けのもの。一冊の構成が催眠スクリプトになっている場合も多いです。分厚い大著であることが多いため、「厚い本」などとも呼ばれたりします。
『無意識さんの力で無敵に生きる』は後者の「厚い本」の内の1冊で、大嶋心理学のキー概念である無意識について、大嶋先生がその存在を教えてもらった催眠療法の“お師匠さん”との交流の日々を述懐する形で説明されています。説明といっても専門書のように「無意識とは◯◯である…」と教科書的な説明がされていたり具体的なテクニックが書かれているわけではなく、“お師匠さん”の言動をメタファーにして全体的に無意識さんのイメージを掴ませるもの。半自伝としても読める感動的な大作で、私は読み終えた後に何かが浄化されたような気持ちになりました。
FAPの世界観を知らない方がいきなり本書を読んでもよくわからないかもしれないので、先生の本を何冊か読んで考え方に馴染んでから読むと良いと思います。

無意識さんの力で無敵に生きる ―思い込みを捨て、自由自在の人生を手に入れる方法― https://www.amazon.co.jp/dp/4434200151/ref=cm_sw_r_cp_api_glt_i_G09225C23CVMED1KP9F1

2.『支配されちゃう人たち』(青山ライフ出版)

FAP(上級)の治療で用いられる、大嶋メソッドの基礎にして最大の技とも言って良い「心に聞く」が明らかにされた本。また、これも大嶋心理学の重要概念である「支配者」「虚無」「光の人」の人間の3類型も本書で明かされました。大嶋メソッドの中核概念がギュッと詰まった本で、大嶋先生の思考の前提にあるものは何かがわかります。上述した『無意識さんの力で無敵に生きる』の中で大嶋先生が本書を刊行するのには相当勇気が要ったことを述べられています。
個人的なおすすめ度合いは『無意識さんの力で無敵に生きる』のほうが上ですが、著作としての重要度は本書がNo.1でしょう。なお、「心に聞く」はより一般向けに書かれた『リミットレス!』(飛鳥新社)という本がわかりやすいです。また、本書の姉妹本として同じ青山ライフ出版から刊行された『ミラーニューロンの彼方へ』があり、こちらではなぜ「心に聞く」が生まれたかを詳しく説明するとともに、最近の大嶋先生の考えを理解するには欠かせない(そして初期の本では明かされなかった)「嫉妬(の発作)」という概念の源流が明らかにされています。セットで読むことをお薦めします。

支配されちゃう人たち 親や上司の否定的な暗示から解放される超簡単テクニック https://www.amazon.co.jp/dp/4434194321/ref=cm_sw_r_cp_api_glt_i_6VDB3KWHQ7883TKRSSJ5

3.『自己肯定感が低いあなたがすぐ変わる方法』(PHP)

一時期(最近も?)「自己肯定感」という概念が心理界隈を賑わせましたが、本書はその「自己肯定感」の上げ方について大嶋先生流に解説したもの。もっとも、自己肯定感については書籍が溢れており、本書にこだわらず自分に一番フィットする本を選べば良いと思います。
その上でなぜ本書を推すかというと、大嶋メソッドの中でもかなり使える(実際のカウンセリングの場でも用いられている)「過去を変える」というメソッドが紹介されているから。私の実感としてこれはかなり効果が高いです。「過去を変える」こと自体はいわゆるスピリチュアル界隈でも触れられることがありますが、大嶋先生のやり方はちゃんとした心理学的根拠に基づいており、カウンセラー・神学者であるジョン・ブラッドジョーの『インナーチャイルド』(NHK出版)という本で紹介されているやり方をより使いやすいよう簡略化したものです。
ちなみにブラッドジョーは大嶋先生の催眠のお師匠さんが師匠と仰いでいたミルトン・エリクソンの催眠療法を取り入れており、神学を学んでいたというのも大嶋先生と重なります(大嶋先生はキリスト教の家庭に育ち、祖父は牧師だった)。まさに全てはリンクしていますね。

「自己肯定感」が低いあなたが、すぐ変わる方法 https://www.amazon.co.jp/dp/4569840795/ref=cm_sw_r_cp_api_glt_i_1WG620Y261V8KKWZBSX1

4.『催眠ガール』(清流出版)

大嶋先生の処女小説であり、『無意識さんの力で無敵に生きる』で語られたお師匠さんとの日々をひとつの物語として昇華させたものです。主人公の夏目は女子高生ですが、大嶋先生のメタファーであることはある程度著作を読み込んだ方ならピンとくると思います。本書のテーマは「催眠療法」であり、「呼吸合わせ」というテクニック、そして「スクリプト」というエリクソン由来の超重要メソッドが登場します。物語としても純粋に面白く、というか美しく、読んで感動すること請け合い。大嶋先生の著作群の中でもかなり評価が高い一冊です。
なお、「呼吸合わせ」のやり方と「スクリプト」の作り方は本書出版後に刊行された『無意識さん、催眠を教えて!』(光文社)でも詳しく紹介されており、本書とセットで読むと良いかもしれません。

催眠ガール https://www.amazon.co.jp/dp/4860294874/ref=cm_sw_r_cp_api_glt_i_E566ABR521XMQ2BV68N4

5.『本当の私よ こんにちは』(青春出版社)

本書は今まで断片的にしか明かされてこなかったFAP療法の内容を初めて一般公開したものであり、FAP初級に位置付けられる内容が書かれています。
「中指ビンゴ」「指押し」によるトラウマ治療など、普段FAPの治療が受けづらい方でもすぐに使えるメソッドが紹介されており、セルフケアができます。
また、本書は大嶋先生の単著ではなく、インサイト・カウンセリング所属のカウンセラーの方や精神科医の医師も執筆に関わっており、薄いながらも専門書に位置付けられます(実際他の大嶋本とは書店で置かれている場所が違った)。
FAPとは何なのか知りたいという方はぜひ読むべき一冊でしょう。

本当の私よ こんにちは FAP療法で過去を手放し「今」を生きる https://www.amazon.co.jp/dp/4413231732/ref=cm_sw_r_cp_api_glt_i_307T5ZHT2Z9T6GD9ZGK4

6.『赤ずきんとオオカミのトラウマ・ケア』(アスク・ヒューマン・ケア)

最後に、大嶋先生の著作ではありませんが、トラウマケアについての入門書を一冊紹介します。
本書は長年トラウマ治療に携わってきた精神科医兼カウンセラーの方が執筆された本で、トラウマとは何か、どのようにして生じるのか、どのようにケアするのか等について赤ずきんとオオカミを主役とした物語調に書かれた本です。トラウマで悩んでいるけれどそもそもトラウマとは何なのかよくわからないという方や実際に治療に携わっている方まで、幅広く読める良書です。
トラウマという概念はFAPでも重視されており、実際にトラウマ治療も行われていますが、トラウマをテーマに書かれた大嶋先生の著作『それ、あなたのトラウマちゃんのせいかも?』その方法論が最新のFAP治療では用いられていないこともあり、本書のようなスタンダードでトラウマの理解を深めておくことはとても有益なことだと思います。
なお、『トラウマちゃん』も理解にはなお有益ということを付言しておきます。

赤ずきんとオオカミのトラウマ・ケア: 自分を愛する力を取り戻す〔心理教育〕の本 https://www.amazon.co.jp/dp/4901030221/ref=cm_sw_r_cp_api_glt_i_BKTX0JVZ55BR0W348TAQ

大嶋先生の著作を読んでいると大嶋先生の本以外は必要ないような、いわゆる“信者”のような状態になってしまうことがあるのですが(その反動としてAmazonレビューで一転して極端な大嶋先生否定を始める人もいますがこれは宗教あるあるです)、FAPはこれまでスピリチュアルが担ってきたような領域にも踏み込んだ最先端すぎる療法とはいえ、大嶋先生が心理学や催眠療法を学んで心理の世界で編み出したものです。“信者”状態にならないためにも、他の知見に触れてスタンダードを知っておくべきという趣旨も込めて紹介させていただきました。
本当は一冊ずつレビューを書きたかったのですが、それはまた他日を期すこととします。本投稿がFAPに興味関心を持つ方の一助になれば幸いです。


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