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パジャマみたいにならない着こなしを考えてみる

この記事では、パジャマみたいになりそうな洋服、特にジャケットやセットアップの着こなしのポイントを、テーラーの観点から考えてみます。

「パジャマみたいって言われた」、「パジャマみたいになりそうで着れない」

という洋服への悩み持ったそこのあなた、ぜひご覧ください。

洋服一般論だと抽象的になるので、今回は淡い色のセットアップを例に考えてみます。メンズのカジュアルコーデや、レディースのワンピースなどにも当てはめてみるのもありかと思います。


淡い色の洋服はコーディネートの難易度が高い


夏素材に多い淡い色のジャケット、セットアップ。

夏は黒っぽい色を着ると重くなるので、秋冬に比べて淡い色の洋服を着る機会が増えますよね。


シアサッカー素材*の淡いブルーのセットアップ
*シアサッカー:主にコットン(綿)を主材とした、表面に細かい畝のある涼しげな素材


ただ、淡いジャケットは「パジャマみたいになりそう」「合わせ方がわからない」などコーディネートの難しさがあることは間違いありません。


パジャマみたいにならないコツは、濃色アイテムの利用とジャストサイズ


全体的に淡い印象やルーズな印象は、せっかくのお洒落な洋服がパジャマっぽく見えてしまうきっかけになります。


なので、

  • 濃い色のアイテムを用いて全体の印象を締める

  • ジャケットの袖丈、着丈、ウエスト周りの絞りなどに注意し、ジャストサイズを基本として着こなす

これらを守ることでお洒落に着こなすことができます。


既に購入しているものについては、町のお直し屋さんでジャケットのウエストの絞りを強くするだけでも、かなり見え方が変わります。

パジャマみたいにならないコツとして、革靴や革ベルト、貴金属類などドレス度(フォーマル度)の高いアイテムと合わせるとうまくいくと思われている方も多いですが、全体のバランスが関係するため必ずしも相性が良いとは限りません。あくまでも「濃色アイテムを用いて要所で締める」という考え方をベースに、不自然な組み合わせを避けるのが無難です。

濃色アイテムとの合わせ方は、ドレス度の高い順に次から一例ずつご紹介していきます。


ネクタイスタイルで着こなす


濃紺(ネイビー)のネクタイと靴が全体の印象を締める役割を果たしたコーディネートです。


ネクタイはシルク素材を用いていますが、ニットタイでも相性◎です。


ネイビーの靴がなければ、黒の靴でも問題ありません。ただし革靴の場合は、ローファーなどスリッポンタイプの方がややカジュアルなニュアンスが入り、より全体がまとまります。


なおこのコーディネートの場合は、暖色を入れると浮いてしまうので茶色や赤系の靴は避けましょう。


ネクタイを用いてコーディネートするときの基本は、3色でまとめることです。

淡い青と白のストライプ生地のジャケットのため、例として淡い青、白、ネイビーという3色を用いました。

3色の中に淡い青、ネイビーという同系色を入れると更にまとまりがよく見えるのでおすすめです。


シャツスタイルで着こなす


濃紺のデニムシャツとネイビーの靴で全体を締めたコーディネートです。


セットアップでもきれいにまとまりますが、夏らしく白のトラウザーズ(パンツ)で合わせるとより上品さが増し、ラグジュアリーな印象を与えます。


シンプルな印象になりすぎるのが物足りない場合は、首元にスカーフを巻くとよりお洒落度が増します。なおこの例では紺系のスカーフを用いましたが、全体的なトーンがまとまっているのでオレンジや黄色など、暖色のスカーフをワンポイントで用いてもいいアクセントになります。


Tシャツ・スニーカーに合わせたカジュアルスタイルで着こなす


夏らしい素材を活かすため、あえて白のTシャツと白スニーカーで合わせたコーディネートです。

ポイントは、全体を締めるために黒フレームのアイウェアを用いているところです。


黒のアイウェアはかけてもよし、外したい場合は胸ポケットに入れても全体の印象を締める役割を果たしてくれます。


インナーに黒のTシャツを合わせると黒色が浮きすぎて見えるうえジャケットの季節感を活かしにくくなるため、濃い色のTシャツを合わせたい場合は、ジャケットの青色を意識してネイビーを選ぶことをお勧めします。


まとめ


いかがでしたでしょうか。今回はパジャマみたいになりそうなセットアップを着こなす方法を例とともに考えてきました。

毎日生地・仕立て・サイズ・コーディネートと向き合っているテーラーの観点から、パジャマみたいにならない着こなしのポイントは以下となります。


  • 濃い色のアイテムを用いて全体の印象を締める

  • ジャケットの袖丈、着丈、ウエスト周りの絞りなどに注意し、ジャストサイズを基本として着こなす


似たような素材・色の洋服を着る場合にも、今回の要素を抜き取り、ぜひ鏡の前で着て試してみてくださいね。