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人体対話

阿吽の呼吸(あうんのこきゅう)なんてよく言いますが、それほど気の合っている仲間って何人ぐらいいますか。
人と人が話すことは、言葉を聞いて意味を理解して、それに対して自分の考えをまとめて相手に言葉を返すことですが、実際にそんなまだるっこしい手順を意識しながら話すことなんて、まずありませんね。

では、もっと究極の対話方法として、今はほとんどの人に認知されていませんが、仮にテレパシーが本当にあったとしたら、どんな感じなんでしょう。大きな懸念は、テレパシーと一口に言っても、相手に思念を投げつけて分からせるほどの力が有るのか、逆に四六時中自分の心の中を読まれ続けているのか。

電話は双方向会話ですね。つまり相手が話しているときでも、自分が話して相手に自分の声を聴かせることができます。ところが、屋外で連絡に使われているトランシーバーなどは、普段は受信状態で待機していて、話したいときだけ送話スイッチを入れる形式です。この形式は、交互通話です。

テレパシーの対話方法は、あなたならどちらが好ましいですか。イメージをしようとしても、その能力を持たないので想像もつきませんが、小説家はそこいら辺をどの様に処理しているのでしょうか。
そこに、創作の余地が有るのでしょう。

アメリカのSF作家でE.E.スミスという方がいました。代表作は、レンズマンシリーズですが、そのレンズマンは腕に別次元の知性から贈られたレンズを装着しており、そのレンズの力によって、テレパシーをはじめとする超能力を持って、悪に対峙するという設定の物語を書いています。

その中で、レンズマンはその能力で、情報を持っているであろう知性に対して脳の中に意識で入り込み、脳の襞一枚一枚にしまい込まれた記憶を掘り起こしていくという件が有ります。これなどは、圧倒的な力を有する者が相手の脳を自在に調べ尽くすというかなり怖い設定です。

考えてもみてください。自分の脳に他人の意識が入り込んできて、知識を丸ごと盗むことができるんです。ということは、人に知られたくないと思って意識に上らせてしまったが最後、恥を思っている行動などもすべて裸にされて読まれてしまうことになります。

こんな能力を持った取調官がいたら、事件の解決は早いでしょうね。また、精神疾患に陥ったいる人を、更生させることも簡単にできると思えます。何より、議員さんの腹の中が赤裸々に暴かれることもいとも簡単にできてしまうのですから、疑獄事件を解明するのには、うってつけの能力と言えます。

話はどんどんあらぬ方向に流れはじめましたので、この辺で………。

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