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【テヘランOL日記】家に鳩が居たゾ!

 お風呂から上がって髪を乾かして、ベッドに入って、ちょっと暑いから窓でも開けようとカーテンを開けた。するとなんとそこには鳩が居た。もちろん叫んだ。驚いた私の声に驚いた鳩が飛び立ち、窓から出てってくれればいいところ、むしろ部屋の奥へと飛んで行った。本当にタネも仕掛けもない世紀の大マジシャンが誕生したか、前回窓を閉めた時から今までカーテンの中で鳩を飼っていたかの2択である。カーテンの中は糞だらけ。後者のようだ。
 とりあえず鳩と一緒にナイトルーティンを済ませ、鳩VS私のバトルのコングが鳴り響く。私の家には鳩が入ってきたであろう寝室のバルコニーと、リビングのバルコニーの二つしか窓がなく、そのどちらからも1番遠い位置に留まって、首を動かしていた。なんて憎らしい。鳩の先制に遅れをとった私だが、窓側に飛んでいくよう窓の対角線の反対側の向きから走って威嚇した。窓の天井が低く、部屋の中を飛び回るだけで、窓からは出てくれなかった。そこから入ってきたくせに、出られないなら入らないでくれ。結局玄関から出てってしまい、私が住むマンションの廊下には窓がないのでそこから出る方法がないのはわかっていたが、同じ階に住む隣人たちに謝罪の念を込めて、そっとドアを閉めた。ドアのスコープから廊下を覗くと、首を動かしながら前を歩いていくのが見えて、憎たらしくて仕方がなかった。鳥類が大の苦手な私は胃液の逆流を感じるほど気分が悪くなっていた。どうせ明日また出勤する時に出会うことになる、最初の被害者はどうせ自分と分かりつつも、戦いに疲れた私は眠りについた。
 翌朝、緊張しつつスコープから覗いてみる。そいつは隣の家の玄関の上のランプに止まっていた。バサバサ飛ばれるのが怖いので恐る恐るゆっくりとドアを開け、鍵を閉め、抜き足忍足で廊下を歩き出勤。管理人に連絡して、「廊下に鳩がいるので対処してくれ」と伝えた。そいつを招いた犯人が自分であることは隠しておいた。
 仕事中ではあったが頭の中は鳩でいっぱいなのでパソコンで「鳩対策🔍」と検索し、2度とマジシャンにならないよう、できることを探し、スパイクマットと鳩が嫌いらしい薔薇の香りの芳香剤をネットで購入、糞があると呼び寄せてしまうらしいので掃除業者を予約した。
 掃除もして、スパイクマットも敷いて、薔薇の芳香剤も撒いて、完璧!っと思っていた数時間後、何食わぬ顔押して、あいつはスパイクマットの上にとまっていた。無念、、、、金と労力を返して欲しい。家賃も払って欲しい。絶滅して欲しい。
 次の手は考え中である。絶対に負けられない。鳩と私の戦いはまだまだ続く。

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