AdobeStock_296830895_Previewおとぎ話

人生というものの不可思議さと幸福感に満ち満ち、よりその祝祭感を増した作品に成長していた…★劇評★【ミュージカル=ビッグ・フィッシュ(2019)】

 親というものは自分の息子や娘になぜこうも本当かどうか分からない話をするのだろうか。自分を大きく見せるため? いやいや子どもの想像力をかきたてるため? いずれにしても、子どもたちがその真実を知った時、互いの真実はふつふつと音を立て始める。そんな世界中のどこにでもある普遍的な物語のようでいて、とびきり特別なミュージカル「ビッグ・フィッシュ」の日本人キャスト版が2017年の日本初演からわずか2年で再演公演を迎えている。20人以上出演していた初演から「12 chairs version」と呼ばれる12人版に変更し、12人ですべてのキャラクターを演じる今回の公演は、物語がずいぶんと引き締まった印象。それでいて物語が放つテーマは宇宙レベルと言っていいほど広がっていて人生というものの不可思議さと幸福感に満ち満ちている。初演の主要キャストが全員参加するという奇跡のような幸運に恵まれた「ビッグ・フィッシュ」は彼らのきずなによって一段とその祝祭感を増しているようにも感じられる作品に成長していた。演出は俳優で演出家の白井晃。(写真はミュージカル「ビッグ・フィッシュ」とは関係ありません)
 ミュージカル「ビッグ・フィッシュ」は、11月1~28日に東京・日比谷のシアタークリエで、12月7~8日に愛知県刈谷市の刈谷市総合文化センターアイリスで、12月12~15日に兵庫県西宮市の兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホールで上演される。

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★ミュージカル「ビッグ・フィッシュ」公演情報

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