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堂本光一と井上芳雄。2人のプリンス夢の初共演がついに実現…★最新レポート★【Report】 全力投入誓う堂本光一と井上芳雄、ケアード演出の世界初演ミュージカル「ナイツ・テイル―騎士物語―」で夢の初共演が実現(2018)

 「Endless SHOCK」で1630回というミュージカル単独主演記録1位を独走中の堂本光一、そして「エリザベート」のルドルフ皇太子役で衝撃的なデビューを飾り、いまやストレートプレイやドラマにも進出する井上芳雄。日本のミュージカル界を代表する2人のプリンスが7月下旬から10月中旬にかけて東京、大阪で上演されるミュージカル「ナイツ・テイル―騎士物語―」でついに初共演を果たす。しかもその演出にあたるのは伝説的ミュージカル「レ・ミゼラブル」をロンドン初演から手掛け、日本初演以降も数々の作品で日本のファンにもなじみ深いロイヤル・シェイクスピア・カンパニー(RSC)の名誉アソシエイト・ディレクター、ジョン・ケアード。今年の日本の演劇界を揺るがす「事件」とも言えるこのミュージカル。シェイクスピア最後の作品として知られる「二人の貴公子」をケアードが新たに脚本を立ち上げ、米国現代バレエの最先端を行くデヴィッド・パーソンズの振付、井上の「ダディ・ロング・レッグズ~足ながおじさん より~」(ケアード演出)で知られるポール・ゴードンの音楽という最高の布陣で、堂々の「世界初演」の幕を開けることになる。東京都内で開かれた製作発表記者会見では、ともに2000年に帝劇の舞台に立ち、同世代で互いに尊敬し合って来た堂本と井上が、「正直ここに自分が飛び込んでしまったことは大変なこと。皆さんになんとか食らいついていきたいし、緊張感を持ってやらせていただきたい。ジョンの期待を裏切らないようにやっていきたいと思います」(堂本)、「敵(ライバル)ではなく一緒に演じられる味方になりたいと思っていたので、実現するなんて夢のようです。光一くんが一歩を踏み出してよかったと思える要素の一つになりたいですね」(井上)とそろって全力投球を誓った。
 ミュージカル「ナイツ・テイル―騎士物語―」は、7月25~26日に東京・丸の内の帝国劇場で行われるプレビュー公演を経て、7月27日~8月29日に帝国劇場で、9月18日~10月15日に大阪市の梅田芸術劇場メインホールで上演される。
 チケット一般発売開始は東京公演が6月23日から、大阪公演が7月21日から。


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 堂本光一さんの「Endless SHOCK」は2013年から最新の2018年まで毎年劇評を掲載しており、既に数十万人の方にお読みいただいております。
★「Endless SHOCK」2018年版の劇評
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 また、井上芳雄さんの出演作に関しても、数多くの劇評を掲載しています。
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★「グレート・ギャツビー(2017)」の劇評
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 いずれも劇評は今年2018年4月8日から原則として有料公開となりましたが、有料と言いましても1本数百円程度です。ぜひともご購入いただき、お読みください。
★note阪清和ページ
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★ミュージカル「ナイツ・テイル―騎士物語―」公式サイトhttp://www.tohostage.com/kt2018/index.html

 「二人の貴公子」は「二人のいとこの貴公子」とも称されるが、1614年ごろに執筆され、同じ年の頃に初演されたと思われるが、公的な記録は1619年ごろの宮廷での上演のものしか残っておらず、詳しいことは分かっていない。戯曲として出版されたのはさらに遅い1634年である。
 重要なのは、1614年はシェイクスピアが亡くなる2年前であるということ。既に引退状態で、つまりシェイクスピア最晩年の最後の作品である。
 現代では、さまざま研究から、国王一座でシェイクスピアの後継の座付き作家となるジョン・フレッチャーとの共作であるとする説が有力だ。
 英国の詩人、ジェフリー・チョーサーの記した「カンタベリー物語」の中にある「騎士の話」が元ネタになっている。
 ジョン・ケアードはその「騎士の物語」とジョン・フレッチャーとウィリアム・シェイクスピアによる「二人の貴公子」に加え、さらにジョヴァンニ・ボッカッチョの「Teseida」までをもモチーフとしてミュージカル「ナイツ・テイル―騎士物語―」を創り上げた。
 テーベという国でいとこ同士の騎士であったアーサイト(堂本光一)とパラモン(井上芳雄)が敵国アテネの大公の妹、エミーリア(音月桂)に一目惚れしてしまったことで、一転して重大な対立関係に陥るお話だ。
 ケアードは「2人に共通しているのはカリスマ性。彼らには主役を務められる力がある。そんな光一さんと芳雄さんで何かいい作品ができないだろうかと東宝からオファーを受けました」と語り、「2人は全く違う背景を持ち、光一さんは音楽、芳雄さんは演劇。この二人が共に仕事をすることでいい緊張感が生まれると思いましたが、男性同士が同等の立場で登場する作品、例えば『ロミオ&ロミオ』みたいな作品を探すのは非常に難しい作業でした」と作品の選択には時間を要したことを明かした。
 ようやくたどり着いた「二人の貴公子」。シェイクスピア作品に造詣の深いケアードは「原作は非常に上演するのが難しい作品ですが、この中に3つのラブストーリーが含まれているので、それを広げ、21世紀の今にあてはまるように書き換えました」と「二人の貴公子」からミュージカル「ナイツ・テイル―騎士物語―」へと至る経緯を語り、「ダンスミュージカルになります」と明言した。ケアード自身、日本初演のミュージカルを手掛けるのは初めてだという。
 振付のパーソンズは「本作は、ダンスによって物語を進めていく作品となります。作中で描かれるダンスや闘い、そしてコメディにキャストの方々が一丸となって取り組んでいただきたいと思います」とキャスト陣に期待を寄せる。
 井上と同じ1979年生まれの堂本は「芳雄君と『何か一緒にできたらいいよね』と言っていたのが現実になりました。正直ここに自分が飛び込んでしまったことは大変なこと。できれば客席で観たい、などと言ったらきっと怒られますけれど」と報道陣を笑わせながら、「右を見ても左を見ても素晴らしい方たちと共にできるということを嬉しく、おそれ多く、そして怖い、と感じています」と心の内を率直に語りつつ「皆さんになんとか食らいついていきたい」と気合を込めた。
 堂本は「SHOCK」シリーズの初演以来、17年8カ月ぶりの新作ミュージカル出演となる。「(稽古場では)一つずつかたちになっていくのがまだ信じられない思い(でいます)。わくわくはもちろん、怖さもあります」と引き締めた。
 そんな堂本の姿を「ジャニーズの方があそこまで歌って踊ってお芝居してたらやばいな、と戦々恐々としていました」という井上。「でも、(ミュージカル界の)敵(ライバル)ではなく一緒に演じられる味方になりたいと思っていたので、実現するなんて夢のようです」と初共演の実現に感激している様子。
  「『Endless SHOCK』といったこれまでの活動でも素晴らしい功績をおさめている光一くんが、ある種未知の世界に飛び込んでくれたこと、本当にすごいなと思います。そんな光一くんの心意気に共感しました」と尊敬のまなざしを向け、「でも、そうでないと人生おもしろくないし、生きている楽しさもないと僕も思うんです。光一くんが一歩を踏み出してよかったと思える要素の一つになれたら」と共に新しいミュージカルを創り出す喜びを語る。
 途中、井上が「そこ(飛び出すこと)にはリスクもあるだろうし…」と話すと、堂本から「後悔も…」という言葉が漏れ、井上に「後悔って…今さら遅いから」と突っ込まれる一幕も。
 井上は当初「ホームグラウンドで光一くんを迎え入れる立場だから、今回は余裕でできるのかな」と考えていたようだが、「ダンスミュージカルだと聞きまして、思わず『それ、聞いてないよ』となりました。僕はダンスを得意としていませんしね」と苦笑する。
 井上にはさらにもうひとつ悩ましいことがあり、会見会場に飾られたミュージカル「ナイツ・テイル―騎士物語―」のポスターで、2人が上半身裸で剣を構えているビジュアルの絵について語り出した。「あれは筋肉をかなり盛ってもらってます。僕、筋肉がつきづらい体質で…」と嘆く井上に堂本は「筋トレのことだけは俺に聞いて!」と筋肉オタクぶりを発揮して生き生きと。そして「このポスターのようにステージ上で脱ぐシーンがあるのなら、芳雄くんは『舞台を降りる』と言っていました」と暴露話まで。
 しかし井上も最後には「ともあれ、僕にとっても全然楽な舞台にはならないと思うので、2人で力を合わせて新しいリスクを背負って踏み出していこうと思います」と前を向いていた。
 音月は「当時女性が結婚相手を決めることは難しく、特に位の高い女性は、家のため、国のために政略結婚をせざるを得ない時代でした。そんな中でエミーリアは独立心が強く、芯の強い女性だなと感じました。その女性が二人の騎士に出会ったことで変化し、気持ちも自立していく姿は舞台を観てくださる方にも共感していただけると思います」と現代の人々も惹きつける内容であることを強調。
 帝国劇場の舞台に初めて立つということ以上に「国民の王子様、国民のプリンスのお二人と共演する」ことにときめきと責任を感じ、意気込みに変えている様子。宝塚歌劇時代は男役スターとして王子様役でも活躍しただけに、「ああ今回は女性役でいいんだと思っています」と騎士たちに一目惚れされる側を演じることに感慨深げ。堂本からは「音月さんがナイト(騎士)をやったほうがいいんじゃない」、井上からは「3人でナイトをやろう」と横から茶々を入れられて吹き出しつつも、「幸せな事だなと思い、幸せを噛みしめながら良い作品を作れるように、この作品のいちピースになれるようにやっていきたいですね」と微笑んだ。
 シーシアス役の岸はケアードが演出した『レ・ミゼラブル』での出演体験を語り、「ケアードさんが演出するこの作品のメインキャストの一人としてまたここに再び立てることを光栄に思っています」と神妙な表情。「そして僕にとっては伝説の歌姫である島田歌穂さんを嫁にするというこんな興奮する出来事は人生そうそうないと思いながら稽古をしています」と心境を語る。
 岸が「僕にとってはお兄さんのような人」という大澄は「一人ひとりが帝劇を1カ月、2カ月、3カ月とソールドアウトにするような人が合わさったこの舞台はどうなってしまうんでしょうね。そこにケアードさんやパーソンズさんが加わるなんて本当に贅沢な舞台になると思います」と超豪華キャスト&スタッフを眺めつつ、「自分も30数年踊ってきましたが、またこの作品では新人のつもりで皆と一緒に楽しみながら、いろいろな事を吸収するつもりでやっていきたいです」と積極的だ。
 アマゾンの女王だったが戦争に負けてシーシアスと結婚することになるヒポリタを演じる島田は、日本初演版『レ・ミゼラブル』のオーディションで初対面したケアードのことを語りながら、「彼は私の人生を大きく開いてくれた尊敬する一生の恩人です。今回も全身全霊で挑ませていただきます」と気合を込めた。
 舞台公演のためVTRで登場した上白石萌音(牢番の娘役)は「小さい頃からミュージカルが大好きで、この仕事を始めたのもミュージカルをやりたいと思ったからです。今回大先輩たちと一緒に舞台に立てること、またジョンさん、デヴィッドさんはじめ世界的なスタッフの皆さまとご一緒できることを大変光栄に思い、楽しみにしています。帝劇は初めて。先輩の皆さんの背中を追いかけていきたいです」と熱く語った。
 「Endless SHOCK」を観たというケアードは「3時間くらい全然止まらないんです。それを1日2回(上演)されているのに、今もまだ生きているのが奇跡だと思います」と驚きを隠さない。これに対して堂本は「僕が生きているのが信じられない、とおっしゃいましたが、僕はただ身体を張るしかなかったんです。今回は、それとは違う意味で、生きることが大変だろうなと思っています。そういう緊張感を持ってやらせていただこう、ジョンの期待を裏切らないようにやっていきたいと思います」と力強いコメントを残した。
 井上は「ジョンの話すこの物語の説明を聞いていると、『あれ、ジョンはシェイクスピアと友達だったっけ?』『(シェイクスピアの生きていた時代と)ちょっとかぶってたっけ?』『今何歳なのか?』って思うくらい、シェイクスピアから直接聞いてきたように話すんです」とケアードのシェイクスピアに関する博識ぶりを紹介した上で「ジョンは演劇の魔法を使える人。その演劇の魔法がこの作品にも施されると思います。またこの作品を今の時代にやる意味をジョンも考えていると思います。ネタバレになるのであまり言えませんが、この結末は今までの帝劇作品としては違うテイスト、でもそれが新しく、ジョンらしい作品だと思います」とラストに至るまで、すべてが見逃せない斬新な内容になっていることをうかがわせた。
 今回の舞台は和洋折衷もポイント。和太鼓や津軽三味線、そして邦楽の奏者も加わる。「西洋と日本を融合させたい、二つの文化から新しいものを作りたい」というケアードの思いを形にしたものだ。
 ミュージカル「ナイツ・テイル―騎士物語―」は、7月25~26日に東京・丸の内の帝国劇場で行われるプレビュー公演を経て、7月27日~8月29日に帝国劇場で、9月18日~10月15日に大阪市の梅田芸術劇場メインホールで上演される。
 チケット一般発売開始は東京公演が6月23日から、大阪公演が7月21日から。


★チケット情報=最新の残席状況はご自身でお確かめください。
東京公演
http://www.tohostage.com/kt2018/ticket.html
大阪公演
http://www.umegei.com/schedule/715/

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