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これもまたラブストーリー。相変わらず挑戦的で、巧妙な作品を残す作家だ…★劇評★【舞台=てげ最悪な男へ(2021)】

 ラブストーリーが甘―く切ない物語だなんて誰が言った? 劇団「小松台東」の最新作「てげ最悪な男へ」を見ているとそのことがよく分かる。純粋無垢な恋からだらしない愛、体裁をつくろう愛、正体を隠した愛まで、決してスマートでも美しくもない恋や愛があちこちに散らばっている。それでいてみんな切実で、みんなあきれ返って、みんなじりじりする。小松台東を率いる松本哲也の書く戯曲はいつもひりひりするほど人間関係が皮膚レベルで熱く、観客の心をざわざわさせる。母親と男たちに翻弄された主人公の女の子がいつのまにか成長していく姿にどこかカタルシスを感じさせながらも、意識的に未完結の物語という風穴をいくつも開けて、私たちの想像力を試してくる。これもまたラブストーリー。相変わらず挑戦的で、巧妙な作品を残す作家だ。(写真は舞台「てげ最悪な男へ」の一場面=写真提供・小松台東)
 舞台「てげ最悪な男へ」は、5月21~30日に東京都三鷹市の三鷹市芸術文化センター星のホールで上演された。公演はすべて終了しています。

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★「SEVEN HEARTS」舞台「てげ最悪な男へ」

★ブログでの劇評は序文のみ掲載し、それ以降の続きを含む劇評の全体像はこのサイト「阪 清和note」で有料(200円)公開しています。なお劇評の続きには作品の魅力や前提となる設定の説明。小園茉奈さんら俳優陣の演技や、松本哲也さんの戯曲や演出・舞台表現などに対する評価が掲載されています。

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★舞台「てげ最悪な男へ」公演情報=公演はすべて終了しています

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