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<エンタメ批評家★阪 清和>ストレートプレイ劇評セレクション

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阪 清和が発表したストレートプレイ演劇に関する劇評をまとめました。音楽劇を入れるかどうかはその都度作品ごとの内容を吟味して決定します。さあ、あなたも演劇の深遠な世界へ! ジャニー…
「不要不急」か「人生の宝物」か。そんな議論をしている暇があれば、演劇を観てください。日本の演劇はい…
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#栗山民也

法律との向き合い方を強烈に描いたこの作品は、あらためて描かれた時代も書かれた時代…

 井上ひさしがそれ以前から強烈な関心をもっていたに違いない東京裁判。ミレニアムの2000…

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ないがしろにされる感性や文化、庶民がユーモアや希望を忘れずに戦争という時代に立ち…

 太平洋戦争のころの日本の庶民の暮らしがどれほど悲惨で大変だったか、焼夷弾がどれほど恐ろ…

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社会劇でもあり家族劇。演劇というビビッドな手法であぶりだした沖縄の焦燥感…★劇評…

 復帰2年前の沖縄で、それまで積もりに積もった米軍への怒りと不満が、交通事故をきっかけに…

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さらなる成長を誓ってどん欲に作品に立ち向かおうとする役者の業がぶつかり合う迫力を…

 偽物を偽物でなくするためには、徹底的に本物を追究しなければならない。井上ひさしの舞台「…

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こんなに日常が心に染みる芝居もない。相反するものを明滅させながら深まっていく物語…

 演劇空間は観客にとっては非日常の空間である。幽霊が登場するのも、科学で証明できない以上…

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戦争が個人にもたらす残酷な仕打ちへの怖れと人生の哀歓がこもった得難い余韻を残して…

 戦争は恐ろしい。そう言ったとしても本当に実感としてそう感じてくれているのかどうかを推し…

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ひたひたと迫る地獄のような戦争の地響きの中で咲く「生」という花々の意味合いがより明確に浮かび上がる仕上がり…★劇評★【舞台/音楽劇=きらめく星座(2020)】

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静謐さの中に人間の温かみを感じさせる忘れがたい逸品。再生に向けた力強さも感じる……

 互いに迫害を受け逃避行を余儀なくされた果てに米国で結ばれた2人。こう書くとずいぶんと美…

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尽きることのない暴力性と純粋な魂がとぐろを巻き合いながら互いを高みへと押しやるよ…

 小説「異邦人」や戯曲「誤解」などを生み出したアルベール・カミュの黄金期と言われる194…

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幾重にも重なる複雑な感情と記憶の森の中で、それでも生きていくための一筋の光を見つ…

 再生。私たちはこの言葉を安易に使い過ぎなのかもしれない。傷ついた心身や破壊された場所か…

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日々の舞台のたびごとに生き、逝き、果てしない命の再生の連環の中でピアフの生が繰り…

 優れた歌手の声や身体には、歌によって悲しみを癒し、穢れを浄化する作用があるとされるが、…

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青白い炎が真っ赤な火炎へと増幅していくような凄みにあふれた作品…★劇評★【舞台=…

 井上ひさしが生前悲願として抱きながら、具体的な作品にすることができなかった長崎を舞台に…

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「人類の危機」に何ができるのか…★劇評★【舞台=チルドレン(2018)】

 2011年3月11日の東日本大震災に伴う津波被害によって福島第一原発が大きな損傷を受け…

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悲嘆、そして希望、女性としてのしなやかな生きざまを熱演する篠原涼子…★劇評★【舞台=アンナ・クリスティ(2018)】

 すべてが運命に導かれるというのなら、人間の意思など必要ないことになるが、人間には、時には運命を導き、時には運命に抗う「業」というつわものがとり憑いている。男と女の、父と娘の、人生を賭けた愛と憎しみが結晶した物語としてユージン・オニールがピュリッツァー賞を受賞した「アンナ・クリスティ」は、そんな人間の業が操る運命が大蛇のようにのたうち回る激しさに満ちている。それでいて、そっと後ろから抱きしめられるような優しさも持つスケールの大きな作品。このオニール渾身の一作の待望の日本初演が

¥400