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<エンタメ批評家★阪 清和>ストレートプレイ劇評セレクション

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阪 清和が発表したストレートプレイ演劇に関する劇評をまとめました。音楽劇を入れるかどうかはその都度作品ごとの内容を吟味して決定します。さあ、あなたも演劇の深遠な世界へ! ジャニー…
「不要不急」か「人生の宝物」か。そんな議論をしている暇があれば、演劇を観てください。日本の演劇はい…
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#iaku

劇団のスタイル決定づけたiakuの「流れんな」。広島弁での再演で登場人物たちの焦燥感…

 小劇場系の劇団が初めて自主公演のために書き下ろした作品は劇団にとって思い出深いものだが…

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せりふひとつひとつを観客の心の底に着実に沈めていくような静かな力強さと不安な現代…

 幸せや愛情などのようにあいまいな形をしているものは、見る角度によってまったく見え方が違…

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悲劇が生んだ関係性の崩壊と、長い時間を掛けて形を変えていく罪と怒りのメタモルフォ…

 「許す」と「赦す」が、同じ意味合いの言葉なのにずいぶんとニュアンスが違うように感じるこ…

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悲しみが降り積もる夜は…★劇評★【舞台=梨の礫の梨(2018)】

 人は悲しみが心の中に深く深く降り積もって来ると、最後の瞬間にだれかに助けを求めたくなる…

舞台上に絡まり合う生と死のうねり…★劇評★【舞台=粛々と運針(2018)】

 2017年5月、私はその舞台の誕生に立ち会った。大阪を拠点に良質な作品を連発している演…

結婚への決意を目前にした娘と母の揺らぐ気持ちは時代を超えて…★劇評★【舞台=あた…

 名曲「秋桜」を持ち出すまでもなく、結婚を前にした母と娘の心理というものはとても微妙なも…

日常からあふれ出す現実、真相、秘密、本音…★劇評★【舞台=人の気も知らないで(2018)】

 駅近くのカフェで同僚の結婚式での余興の内容を相談するOL3人組。現代ならもどこにでもあるようなそのありふれた光景の中から、現実、真相、秘密、本音がマグマのようにあふれ出してくる。けんかしているわけではないのに、それは互いの欺瞞や矛盾や偽善を激しく突き、さらなる深みへと観客を導いていく。日常の中の対立軸を戯曲の中に持ち込んで議論を形成しつつ自然な会話の中に溶け込ませてきた言葉のマエストロ、横山拓也が率いるiakuが2012年の結成初期から上演を続け、関西を中心とした他の劇団で