K一家 水族館インタビュー(2024/1/20/雨)
こちらは以下の記事で紹介したフィールドワーク中に行ったインタビュー。
■この日の協力者について
▼フィールドワークに協力してくれた友人K家の家族
私の友人である父32歳=S、母32歳=M、息子4歳8か月=Aとして記載する
▼私と家族
私32歳=Y、妻31歳=H
※以下、話者はアルファベットで記載
※発話文中、言葉をはっきりと聞き取れなかった箇所は「~」と記載する
※言い回しで聞き取れなかった箇所は、推測されるおおよその意図から外れない範囲で補足している
※特に印象に残った発話や行動は太字で記載している
■インタビュー
<レストラン前のベンチにて>
向かいのプールではイルカが泳いでいて、Aはその様子を見ている。まずはレストラン待ちの間に軽く話を聞いた。
名前をきいて、解説してくれること
Y:Aはこれなんだ?って名前を聞いて、答えが分かったらすぐに去っていくよね(笑)
M:骨のとき(骨格標本の展示)とかすごいそれ思った。聞くけど覚える気ない感じ。めっちゃ聞いてね(笑) 聞きまくって。
H:名前をこっちに聞いて、これだよって答えたら、めっちゃ特徴を言ってくれるじゃないですか。
M:あ、言ってた言ってた。なんかね、特徴は保育園でクイズ大会やってて。例えば大根だったら、白くて葉っぱがあります、土の中にあります、なーんだ?みたいな。問題です、ジャジャンっていうのをよくやってて、そのものの特徴を捉えようとするのはここ最近かなーって感じます。イカだったら「守るためにスミをはきます」とか。
Y:それはすごいなと思ったの。結構さ、的確に捉えて説明してくれる感じもあって。
M:ここ最近かもね、この半年数ヶ月ぐらいかなと。
H:ほんとにそんな知ってるんや~と思って
M:そう、知ってる風に話すの上手だよね(笑)
H:それが上手すぎて、すごい
Y:自分が説明して教えるみたいなのも、ちょっと楽しい行為というか、そうしたいのかなと
M:うんうん、そうかもしれないね
書かれた文字への興味
Y:すごく気になったのは、生き物への興味と同じくらい、看板を見て「これなになに?」って聞いたり、それ以外の説明だったり、目に見える現実のところを説明していくのは、結構言語的な理解だと思うんだけど、今なんかそれがどんどん進んでるのかなーとか。
M:それはあるかもしれない。そこに何かが書いてあるってのが分かるんだろうなっていうのは…そう絵本を読んでいても、絵を呼んでるときと文字を見てるときと、視線の先が違うなーと思うときがちょこちょこある。
Sさんにバトンタッチしよ。Aが看板みたり、「これなーに」って生き物をちらっと見て言ったり、それを写真と説明を見てさ、あんなんずっとだっけ?最近だよね?
S:……やっぱさ、俺らが分かんなくてさ、説明見てこれなんて書いてあるよっていうのを。結構前からかな、別に看板に限らず、これなんだろうというのを、書いてあるのを、これ何て書いてるよという説明をしてると、こういう(所に)見に行ったときとかも、「じゃあこれ何て書いてるの?」っていう感じで聞いてくるんだよね。水族館に限らずだよね。
絵本とかもさ、書いてあるっていうのが分かってて。(Mを向いて話す)~のやつとかさ、ここに書いてるの読み飛ばしたらめっちゃ言ってくるもん
M・Y:(笑)
S:読めないけど書いてあるっていうのが、分かる。
Y:読めないけど書いてあることに興味があるのか…
S:興味? まぁ興味なんだろうね
~Aへのインタビュー~
(向かいのプールを見ていたAがこちらの方に近づいてきた)
H:座るかい?
S:A座ろう
Y:Aどうですか?
(Aは座らない。Sが勢いよく抱き上げると、Aが声を出して笑う)
Y:ちょっとAさんにもインタビューさせてもらいたいんだけど
A:え?
S:インタビューだって、Aさんに聞きたいことがあるんだって
(Aはよく分からなそうな表情をしている)
Y:ちょっとお話聞かせてもらってもいいですか?インタビューしてもいいですか?
S:なんでしょうー?
M:なんか教えて欲しいんだって
(Aはうんとは言わない)
Y:恥ずかしいかちょっと(笑) だいぶ一緒に回ったけどな
S:イカとエビどっちが好きですか?
A:(おちゃらけて、口をぶぶーっと吹き出す素振り)
S:エビとカニはどっちが好きですか?カニはいなかったっけ
H:カニは~
S:いた?あ、そういう
A:かいがらもあったね、かいがら
S:あ、ああいうカニじゃなくて、
Y:大きいやつ?
S:そう大きい、ワタリガニとか
H:大きいやつ、(大)水槽の裏にたぶん
M:へぇ~
水族館で過ごして実際どうだった?
<レストランの順番が来て中へ入る>
(注文していた料理が揃い、全員着席)
S:ここからが長いよ…(笑) ※Aはあまり食事することが好きではないため
(Aはうどんを食べる)
A:まだあちー、あちーよ
M:ふーふーしてー
Y:じゃあ食べましょうかね
・
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Y:どうだったここの水族館は?
S:(微妙な表情で笑う)
Y:(笑)
H:初めてですか?
Y:行ったことあるのは鹿児島のとか?
S:鹿児島と海響館と、北海道だ。いや、北海道は行ったことないか。鹿児島と海響館ぐらいか……まぁゆっくり見れてはいないんだけど…(笑)。なんだろうね、わりと身近な魚が多い気がする、ここ。
Y:食べるやつとかもね、展示自体が九州の海を再現するってやつで、キャプションにも食べたら美味しいとか書いてあるよね
S:海響館だったら、深海の生物っていうコーナーがあったりだとか
Y:深海はあるんだけど、今日通ってはない
H:大水槽の裏側が通路になってて
Y:そうなの
Y:そこに深海の魚がいる
(Aが落ち着かない様子)
S:座って食べるよ
・
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S:イルカのショーが結構……なんだろう、構成がやっぱ違うよね、全然。その館の人の技量によるところなんだろうなとすごく思う。
・
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Y:水族館みたいな、動物園とかは一緒に行ったりする?
S:動物園は…
M:福岡市動物園は行ったね、動植物園
S:あとは到津
M:Sさん居なかったけど、平川動物園行ったよ
S:あ、鹿児島の?
H:え、コアラいるとこ?
M:いましたいました、でも全然食いつかなかった。やっぱ動きがあるものとか、大きいものとかじゃないと、なんか「つぎ~」みたいな
Y・H:(笑)
H:けっこうサクサク
M:そう、サクサク
(Aが席からテーブルの下に降りようとしている)
S:A座って、座って食べるよ。いいかい?
A:うん。ねぇ、どうしてテーブルってこんなずれるの?
S:Sさんが押してしまったからだよ
A:ええ~
S:サファリだっけ?あそこも行ったな
H:どうでした?
S:楽しかったよな、あのサファリ。
A:うんー
S:バスに乗って、お肉をトラとかにエサあげたりする。覚えてる?
M:覚えてるかな?
S:覚えてないかもね
S:俺が多分水族会より動物園の方が好きっていうのがある(笑)。水族館ねあんまり、楽しいとはあんまり思わなかった。元々ね。
M:そうなの?海響館何回行った?
S:海響館は2~3回行ったっけ?
M:もともと好きじゃないっていう人が行く回数じゃないよ(笑)
S:楽しいって思って行ってないからさ(笑)
M:ひどいね
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知識と知識がくっついていく
(Mからゼミの活動について質問されたので少し概要を話した)
Y:子どもが言葉を習得していく過程って、結構面白い。言葉を覚えるって、自分たちが外国語を新たに覚えるのとは違って、そもそも言葉を持ってない段階から新たに覚えていくっていうのは、目に見えた世界を、言語で捉える世界に置き換えているということだと思っていて。それがなんか今(Aの中で)起こってんだろうなと思って。
M:そうねそうね、まさにそうだと思う。
Y:いっぱい説明してみたりとかこれ何って聞いたり。めちゃめちゃ安直な感覚としては、子どもって動いてるものに興味があるんじゃないか?とか、生き物に興味があるんじゃないかくらいに思ってたけど、同じくらい動いてないものにも興味を持つんだと
M:たしかに、なるほどね(笑)
S:(笑)
Y:で、言葉に興味を持ってたりとか、名前が分かったらスッと去っていったり、あの感覚ってなんだろうなと思って
S:それ不思議だね(笑)、名前だけ
Y:名前を覚えるというのも面白くて、現実と言語を一致させる最初の作業というか。で、名前を知ったら、その名前を通じてコミュニケーションが取れるじゃん。イルカだねって言って、イルカについての語りを親と子どもがそれぞれにしたりとか。そういう所に興味があって
M:ふ~ん、おもしろい
Y:子どもといっても、育児的な観点というよりか、大人に育っていく過程でそれって何が起きてんだろう?って、そんな感じのテーマです
M:おもしろいねぇ、その視点で見るとおもしろいね
H:Mさんは大学のときは、保育士になる学校?
M:そう、保育と社会福祉とだけだったから、そういう子どもの成長をしてないわけじゃないけど、どちらかというと、児童精神の小児発達とか、発達とかみたいな、保育士として必要な知識だけど、人の育ちとしての視点というか、心理学にも近いのかな~
Y:そうだね、心理学だったら発達心理学とかが関わってくるというか。発達心理学でもこういうフィールドワークはやったりするらしいんで
M:うんうん、ありそう
Y:Aはいま沢山勉強してるんだろなーと思うよね
M:うん、めっちゃ知識と知識がくっついていく過程感はあるよね
S:なんか最近めっちゃ問題を出すようになってる、ね
Y:さっき面白かったのが、Sが問題出したときに「いやだいやだ」って言ってなかった?
S:あーイシダイね。あれはまず聞きたいがあったから
Y:教えてって言ってんのに質問出すなと(笑)
S・H:(笑)
Y:Aはすごく説明が上手だなーと思って見てたよ
S:(笑)
Y:その場で見えたことを解説してくれる
S:あれ面白いね、あたかも(笑)
M:面白かったねー、あれね。どんどん喋ってたねー。私じゃなくてさーHちゃんに喋るあたりがさ(笑) なんかちゃんと聞いてくれるっていうのが分かってんだろうなって
H・Y:(笑)
H:そういうことか
M:(Aに向けて)うんうんって聞いてくれるもんね、Hちゃんはねー
H:なんでも知ってるんやねと思いながら聞いたよ
M:全然私のとこに来もしなかったよ、あのゾーンのときね。ずっと喋ってたもん。
・
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私とあなたと「あれ」
Y:あと指差しって、親も子どももお互いにやるなーと思ってて、それってどういう理由なんだろうと思って。見るものとか、注目の対象を共有することかなとは思うんだけど、そういう光景はどの家族でも見られて。なんなら俺も、今日一緒に過ごしてたら指差ししたくなっちゃうんだよね。
S・M:(笑)
Y:それでちょっと分かったというか、(Aに対して)見て見てっていう思いがあった。そういうのは保育としても何か意味があったりする?
M:指差しができるようになるのは、“三項関係”が成立してからみたいなのが~“二項関係”、私とあなた、しかできないときは、指差しって成立しなくって、私とあなたと“あれ”っていうのができるようになったときに、指差しって成立する。
Y・H:へぇ~
M:っていうのは、心理学かなんかかな。赤ちゃんに(指差して)「あれ見てごらん」って言っても、これ(指自体)を見る。
Y・H:へぇ~
M:はは(笑)
S:少し前、今もかもしれないけどAが、あれって言うのが、例えばこれを指すときに、自分と指先を結んだところを指差しちゃう。だから指の向きが違うところを向いてる。
(※ジェスチャーで説明してくれたが、どのような説明だったか忘れてしまった)
Y:へぇ~、おもしろっ。
S:俺らがこうやると(指をかざす)、隣から自分の指先を見て、そのあれ(指差しの対象)を見てるっていうのがある。
Y:へぇ~おもしろいね。そうなんだ。あと、家庭によっても関わり方は違うと思うんだけど、SとMは二人から指示したりとか、これ見てみてとかあんまり言わないんだな~と思った。
S:……言ってる気もするけどね(笑)
M:あんまり気にしてなかった。
Y:今はAがどんどんと(自分で)興味を示していくからかな
S:おれは、こっちにもエビいるよ、とかちょっとは言った気がする。まぁでも、Aが転々とはやいからかもしれない
Y:(笑)
M:はやかったねぇ~今日ね~
Y:いやぁ、おもしろいね
S:でもちゃんと、全部一通り見てはいるよね(笑)
Y:そうね、飛ばしはしないもんね
H:名前だけ確認して次行くみたいな
M:確かにね、たしかに(笑)
Y:2歳くらいの子どもだったりすると、結構親が指し示して、言葉でこれなんとかだよっていうのを見せていく感じで
H:見てみて、みたいなのを親が言う感じ
Y:(少し前の会話を思い出して)三項関係ねぇ…
ショーを楽しむ(ふりをする?)大人
Y:あと些細なことで面白いと思ったのがさ、ショーのときにSとMだけしっかりと拍手してて
M:はっはっは(笑)
S:(笑)
H:なんか手を挙げてーみたいな(笑)
M:(Aは)やんないよねー、絶対やんないよね。
Y:それって二人だけだったら、同じようにやってると思う?
S:あ、俺やんないと思う
Y:そうでしょ、そこも面白いなと思って
M:最初にAがしなかったから、(Mは)じゃあもういいやと思って
H:あっはっは(笑)
M:(Sは)してるなーって思って(笑)
Y:それはやっぱり見せるみたいなこと?
S:そう。俺一人だったら絶対やんないし。なんか拍手とかも、(本来は)拍手しよって自分で思ったときじゃないとやんない(笑)
M・S・H:(笑)
Y:ショーを見てると、大人が律儀に拍手してるのが面白くて。子どもたちは結構目線が泳ぐ。
M:うんうんうん。アシカショーのときさ、本当にどこ見れば正解なのか分かんないくらい、すごく情報が多くて。
S:ま、拍手とかやってると、雰囲気づけるみたいなことになるんだよね。一緒に見てる中で、明るい雰囲気になれるからっていうのでやってたりする。
H:拍手、音声で流してたりもする
Y:へぇーほんと?
M:へぇー
H:あんなに叩かれてなかった気がする(笑)
M:(笑)そうなんだ。一番最初の「おお~」も、あんなにみんな言うかなってくらい
H・Y:(笑)
M:そんなにみんな感動するんだって思ってたけど、あれも流れてたのかな~?
S・Y・H:(笑)
S:あのジャンプしてね
M:感動したけどさ、そんなみんな声が出る?って思って
H:イルカのためかな?それがあったらモチベーション上がるとか
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<大人は食事を終える>
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・
日常と水族館の境界はないのかもしれない
Y:今日(水族館で過ごす)Aを見ててどうだった?
S:いつも通りの感じには近いと思う。いまご飯を食べてるときは意識してた感はあったけど、基本的にはでもいつも通りの感じはあるかな。
Y:水族館ってあんまり慣れてる場所ではないよね
S:うんー、まぁでも暗さとかにも全然普通だし…わりといつも通りかな
Y:いつも通り楽しんでんなって感じ?なんか面白い反応あった?
S:うーん、反応か
Y:生き物を前にしてとか、こういう場だからとか
S:え~……けっこう新しいというより、やっぱり日常が反映されているというか。色んなの見て説明する言葉とかも、結局テレビで見たこうなんだよっていうのを…イルカがジャンプするときに前足でやるんじゃない?みたいなのも。トビウオがヒレで飛ぶんだよ、みたいな話とかをテレビで見たから、ジャンプ、飛ぶっていったら、前足つかってるんでしょみたいなのをたぶん言ってるんだと思う。
結構今までの日常で見たものとか知識を引用して、やってるなっていうのはすごく感じた。
Y:なんか転用されていくんだろうね。
S:なんだろう、俺らからしてみれば“水族館”っていう所に来たっていう感覚だけれども、子どもからしてみれば、シームレスというか、全部の世界の中で偏在してる知識っていうのがあって、繋がりはじめてる。ただまだ水族館っていう枠というのはあんまり無いのかなという感覚があるかな。
H:行った先に、あっなんか見覚えのあるものがある、みたいな
S:そうだね。大人になって俺らだったら、じゃあちょっと離れたあそこまで行って、あそこの水族館にあるっていう感じだけれども、テレビで見たものと、行って見たものと感じたものとかがまだね、しっかり整理されてない。で、全部色んなところから出てきたのが、また言葉に出てるのかなーって。
Y:魚のさ、これは色が変わる魚なんだって説明してたじゃん。あれもそういう、色が変わる生き物がいる、みたいなのがあって、この魚のこれとこれが色が違うから、そうなんじゃないかということなのかな
S:(笑)あーあー、そうだね。たぶんそうだね
一般名詞と固有名詞
Y:あと、今日見ててというわけじゃないんだけど、一般名詞と固有名詞って、子どもって何歳くらいから分かるようになるんだろうって気になってて。Aってもう分かり始めてる?
S:うーん…分かってないかも、しれない。
H:(Aは)二人のことって、名前で呼んでるじゃないですか?お母さんのMさんっていう認識は?
S:一応そういう認識は、お母さんイコールMさんみたいなのは、あるらしいね。お母さん、ママ、Mさんは全部イコール、っていうのは分かってるらしい。
綿あめをめぐる会話と、それぞれの記憶
<Aが綿あめを持ってテーブルに帰ってきた>
※ここからはAとのやり取りも含めて記録していく
※別々の会話が重なり合うシーンもあったが、基本的にそのままの順番で記載している
Y:自分で買ったの?
A:かったの
S:Aが買った?Mさんが買った?
A:Aくんがおかね~
S:Aのお金から出したの?
A:いっこだけ
S:一個だけ (笑)
S:(Mへ向けて)Aが出したの?
M:(小さな声で)私が出した
H・S:(笑)
M:だってみんなで食べるんだもんね? Aくんだけが食べるんじゃないもんね。
A:ちぎってたべる。そっちちぎってたべてもいいよ。
--
S:あとはそんなに、固有名詞ってものに触れてないのかもしれない。
--
M:お母さんも食べたいな、いただきまーす。Hちゃんもどうぞ。
H:食べていいのー?
M:いいよいいよー
H:綿あめとか何年ぶりに食べるだろう
M:(笑)ね、食べないですよねー
--
やっぱその固有名詞の個体に触れるというか身近にいないのと…。でもそっかそっか、女の子とかだとお人形に名前をつけてるイメージがね。そういうのはない。
Y:俺らも「Sさんのともだち」として認識されてるよね
H:認識されてますかね?
S:あ、でも名前はでも、そうだね。Nちゃん(共通の友人の子)は分かるみたい
--
A:みて、Aくんこれといっしょにたべちゃう
--
Y:子どもの方が覚えやすいのかな
S:うーん
--
A:おいしいよー
--
Y:近い距離ではあるしね
S:少ないしね、子どもが
--
A:かたいの(蓋に付いてたざらめ)といっしょにたべるのおいしいよー
--
S:A、この二人の名前とか分かる?
A:わかんない
H:だよねー(笑)
S:誰の友達か分かる?それは分かるよね。楽しみって言ってたもんね。
M:誰と行くの?誰と行くの?って言ってたよね。
H:顔は?顔は見たことある?
M:一緒にガンダム(ららぽーと福岡の)を見たお友達だよって言ったら、「やった~」みたいな(笑)
H:(笑)それは覚えてるんだ
Y:(笑)十分十分
A:(わたあめが)いっぱいでしょ、こんまま~
H:全然なくならんくない?
A:くっついちゃった。へへっ
M:やだそんなぺろぺろしたら~
A:へへっ。だって
M:ほんとは三色わたあめなんだけどね、(Aが)「ピンクも白もいらない
!」って。「すいません、青だけにしてもらえますか…?」って(笑)
H・Y:(笑)
M:「いいですよ~」って言ってくれた(笑)
H:(Aへ)青だけでよかったのー?
M:こないだ自動車学校のお祭りで買った綿あめ、結局食べなかったよね?
S:そうだね…あれ色んな色だったから…(笑) 青じゃなかったから。
H:袋に入ってるやつですか?
M:あれもカップに入ってた。なんかキッチンカーで売ってた綿菓子で、レインボー綿あめみたいな感じで、黄色ピンク緑とか色々書いてあるんだけど、肝心のAが欲しい青がなくて。
(Aが綿あめを指で押し固めている)
Y:それ固めたの食べれるんかね
S:大変だよ(笑) ガブって噛んで
(Aが固めた綿あめを食べる)
S:あぁ、よいしょー
H:青が好きなの?
S:青が好き
H:ふーん
M:ざらめ大さじ三杯分
S:大さじ三杯分
H:あおっ、なんかキラキラなってる
M:おうちにあるさ、無印の軽量スプーンあるやん
A:あのね、さいしょね、さとうをね、あなにいれてくーくーってね、~のがでてきてね、ぼうでまいて、こんなか(カップ)にぜんぶいれた
H:へぇ~!
S:大さじ~、そんなもんじゃない
H:口の中青くなりそう
Y:髪にぶつけそう
H:自分も子どもの頃だったら、綿あめ買ってもらってそう
M:なんか私も、買って欲しいけど絶対買ってもらえない親だったから、欲しいって言ったら「じゃ」って激あまだな~と思って(笑)
H:でもあんだけ言われたら「いいよいいよ」って言いたくなる…
M:激あまだよね(笑)
M:いやだ、って言うのが言えないなって思ったら、「自分のお金で買って」って。でもそのお金も結局私から、こそこそ渡しちゃってるんだけど
H:(笑)
S:(笑) 増えてたよね、渡してたん?
M:あげてたのはさ、あれだよ。宝くじの900円。
S:あれね
H:どういうときに渡してるんですか?
M:500円玉があるときに「これあげるー」って
H:はっはっは(笑)
M:激あまだね(笑)
M:さすがに1000円超えるものを欲しがるときには、あーって思うから、「今日は自分の財布持ってきてないから買えないよ」って。自分が買わないんじゃなくて、お財布を持ってきてないせいにして、買わない(笑)
H:(笑)
S:こないだ年始?初詣のときに、もう俺らはお賽銭くらいのイメージだったから、コインケースしか持ってなくて。そしたら破魔矢みたいなやつ欲しいって。1800円くらい。いや、俺お金持ってきてないからって。いや、「ほしい」って。結局こっから(Aのアンパンマンの財布)。
Y:(笑)
S:「それ買うとおもちゃ買えなくなるよ」って。「これがほしい」って。
H:(笑) 破魔矢。
Y:でもあんなおもちゃ売ってないもんね
S:たしかにね
M:そうね、そうねぇ
Y:かっこいいわなー
H:飾ってますか?
S:飾ってる
H・Y:(笑)
M:それがさ、家内安全と交通安全だったんだよね
S:今朝も「これ誰の?」って言ったら、「Aの」って(笑)
H・Y:(笑)
S:覚えてんだなーと思ったね
H:じぶんで買ったんだなー
M:(Sへ向けて)子どもの頃の夏祭りとかさ、綿あめとか買ってもらったことあった?
S:なんか500円以内で自分で、みたいなイメージだった。ちっちゃい頃。
M:綿あめとか買ってもらったことがない。あのお祭りとかでさ、キャラクターの袋に入ってるあれ。欲しくて欲しくてたまらなかったあれ。
S:(笑) そうなんだ。小学校で綿あめ作ったりしたことは?
M:ない
S:缶に穴開けて、家から好きな飴玉もってきて、
H:あーあった気がするー
S:アルコールランプでこう
M:へー、知らない
Y:あー理科の
S:理科の授業ね
H:おもちゃで持ってました
S・M・Y:へ~
H:一回しか使ったことない(笑)
M:あっはっは(笑)
H:めっちゃ舞うんですよ(笑) 外でやって、みたいな。
A:あぁーダメ!
H:もう二度と開けなかったです。
~3人の声が重なって録音が聞き取れない~
M:でも捨てれないですよね、お母さんも。
(Aに向けて)
H:べろが青くなってるね
M:みんなにどうぞってしてる? Sさんも食べていいよー。
(ふざけた表情を見せる)
M:わぁーやな顔
H・Y:(笑)
A:これかけてないのに、おいしくないよ
鬼のお面を怖がらなくなった
S:今年はこれからなんだけど、鬼のお面とか、去年まではもうかけたら怖くて泣くみたいな。去年だったっけ?
M:去年はかけることさえ許されなくて
S:でも今年、少し前に鬼のお面があったんだけど、こうやっても「Mさんがかけてるんでしょ」って
Y:もうバレちゃったか
S:そう、でも去年まではそれをかけたらもう
M:私って分かってても、鬼をすると怖かった
H:へぇ~
S:だから見えてないと分からないっていうのはあった
M:でもあれ目の前でつけたよ
S:(笑)
M:「お母さんだって」言って、いや~
Y:(笑)
S:顔が見えなくなる不安と
Y:そうだねぇ
なぜ綿あめは溶けるのか
S:これA食べていいの?Mさんにあげる?
A:だんだんだんだん
H:1年でそんな変わるんやね~
S:(綿あめ)いる?
Y:ありがとうございまーす。ちょっといただこう。
S:懐かしの綿あめを、YさんとHちゃんに
(Aが綿あめのカップをこちらに差し出してくれる)
Y:もらってもいいですかー?ありがとう
S:全然遠慮なく取って、なくなんないから(笑)
M:それごと
S:それごとHちゃんといって、なくなんないから(笑)
Y:ははっ(笑)
S:食べたら無くなるんだけど、なくなんないからね~
(Aが綿あめをなめてみせる)
A:ほら、とけるでしょ
H:めっちゃとける
M:なんでとけるの?
Y:美味しいよねー綿あめ
M:どうして溶けるの?
A:綿あめはね、冷たくなってるからね
M:冷たいの?
A:~のところにはいるととけるの
M:でも今冷たくないんだけど
S:雪とかそういうイメージだね
A:ふわふわだからね、食べると~
Y:かき氷とか氷とか、冷たいものは溶けるもんね。おもしろいな~
A:まだいっぱいあるよ
M:ふわふわだから食べると溶けるの?
A:まだいっぱいあるよ。みてー
M:ちょっと考えながら食べてみよう。なんで溶けるんだ?…手がベタベタ。みんなにどうぞするからね。
H:ベタベタや~
S:あんっま(笑)
M:はっはっは(笑)
M:食べたい分だけ取って。なんでこんな溶けるんだろうー?
Y:あ~ありがとうありがとう、もらっていいですか?いただきます。
H:うまーい
M:なんでだと思う?お母さん分かんないわ。
(Aがふざけて変な声を出している)
M:ね、考えて考えて、考え名人さん。
(Aはまだふざけて)
M:考え名人さん、考えて。
A:Sさんたべた?
M:Sさんに聞いてみて、Sさんなら知ってるかも
A:ねぇSさん、どうしてわたあめってとけるの?
S:えっとね~、綿あめって冷たくはないんだけど、あったかくなると溶けてしまう。
M:なんでー?
A:なんでー?
S:なんだろう。ものによって溶けてしまう温度って違うの。雪とかはつめたーいのから、なんだろう、ちょっと冷たくなくなったら溶けちゃうんだけど、綿あめは冷たくなくても、あったかくなっていくと溶けちゃう。
A:どうしてー?
S:どうして…難しいね
M:難しいね。あのお姉さんさー、このつぶつぶザラメをさ、あの輪っかの中に、まーるの中に入れたじゃん。そしたらさ、あの中がめっちゃめっちゃ熱かったの。熱くて溶けたのが空気と一緒にふわふわふわ~って出てきて、それをクルクル―ってしてここに入れたんだよ。
A:ちょっとあのクルクルのはやいのがさ、はやくまわっててさー。
M:めっちゃ熱かったんじゃない、だから溶けちゃったんだよ。で、外に出てきて涼しかったから固まったのかな。
(Aは蓋についてザラメを食べる)
S:どう綿あめと同じ味するっしょー? これ粒じゃないのか
M:謎は解けませんでした!
Y:あっはっは(笑)
S:どうして溶けるか難しい
Y:いやーおもしろいね
A:わかったー!わたあめつくってるひとに、きいたらどう?
Y:あぁ~
S:説明が難しい
Y:ここちょっと全員文系だからな
S:融点の問題だって言っても、伝わら…ああー!
(最後の綿あめが転げて床に落ちていった)
Y:ああ~最後の綿あめがー
S:最後の~(フジファブリックの「若者のすべて」のメロディーで口ずさむ)
H:最後の~(Sに続いて繰り返す)
M:これはもうティッシュにくるくるしてさ~食べれないもん。残念だったね。パッと取ればよかったね~、全然届かなかったもんね~ごめんね。
S:行こう
M:手洗おう
S:手洗いに行こうか
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