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さぁ、noteはじめましょうか

外に出れば、真夏の日差しは肌を刺すように照りつけていた。テレビをつければ、連日連夜、東京オリンピックの中継や特集。割って入る感染者数。酔ってしまいそうだった。

秋の風が心地よいと気がついた頃には、マスクなんて外せない日本人を、ワールドシリーズを待ち焦がれるアメリカ人が驚きをもって見つめた。

この間、何があったんだろう?
ぼくが宇宙から帰ってきたらそうつぶやくだろう。

情報に埋もれた期待と不安とフラストレーションが、まるでカクテルみたいに混ざり合い、陰鬱とも爽やかとも形容し難い色を見せた。

そんな色に、みんな酔っていたんだろうと思う。

酔いから覚めて見えた景色は、いつもの秋空と、虫のこえ。遠くから聞こえる高校球児の掛け声。

無気力になったり、やる気が起こらなかったりするだろう。だってそのくらいこの2年間は人が自分の定位を失い、社会が居場所という言葉すらなくしたから。

今の無気力には、意味がある。
今の不安には、意味がある。

明日、その感覚を確かめてみようかと思う。失った感覚を確かめながら、地に足をつき、踏み出してみる。当たり前の出来事に意味を付け足してみる。

そんな真っ白な感覚を得られたら、酔い醒ましは完璧だ。

さあ、noteはじめましょうか。

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