短詩集⑧ 病棟にて③

「この下何も着てないの」ネタにするタイミングがない

「パンツは履いてていいんですよね?」再度確認

一人ベッドでラリって詩を書く 書けているのか 書けたら少し困るかも

朦朧とするのに眠りに落ちない脳から零れ出す言葉よ踊れ

「痛いよ、ごめんね我慢して」興奮しました

心当たりなくてもほっとする感染症検査

「一番大事な子がいいよ」重鎮を召喚 友達ありがとう

右も左もわからなくていい 見ればわかる歩いていける

私は人に欲しがるものがない どれもこれも幻

義務と義理以外の動機を持てない私は

ココロ重ねる前にカラダ触ろうとするのはどうして?

「触りますよ」外科医並の予告が欲しいわけ

麻酔でラリる 病院天国!リバー!ビュー!!

隣と向かいのベッドの老人達があやされている

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