短詩集⑨ 病棟にて④

二の腕がキリリとした彼女「スポーツやってましたか?」聞いてみたい

左手首に巻いたバーコード 私を管理して徹底的に

心を隠すようにせめて軽やかにあれ私の手脚と頭

「大丈夫ですよ」ベースラインを一歩も動かぬあなたの声に宿る静かな焔

自分で心臓を掴み出す裁断の痛み彼は知ってたから気付いた

共依存抱えた人間の信念をトレースする気にならない

私に「恥を知れ」まで言わせたあの人出世した 見込んだ人に厳しい私

どこにも行けなくていい ここにいられるなら

脈拍モニター欲しい私のドキドキがピコピコ

「痛かったらいつでも呼んでくださいね」そして心の痛みは消えてゆきました

水面を走る車内照明の反射 夜景に必要なのはアクションだった

リバービューに住む野望抱いて安らかに

多分人生は短いんだよ 一度言った「さよなら」を取り消せないぐらいには

二人の寂しさが呼び合ったことを一度だけ愛と呼ばせて

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