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2022年11月の記事一覧

「かまってちゃん」って言うなよ

「かまってちゃん」って言うなよ

「かまってちゃん」とか言うやつがいちばん
かまってちゃんなんだろう
だからそんなこと言うなよ
言ってくれるなよ
その人のことかまわなくていいから
自分にかまってやるか
かまってって誰かに言えよ
わざわざ追加で二人も
傷つけることないだろう

投影、投影、投影、同一化
仕組みがわかっても抜け出せない泥沼
傷はあぶり出せるのに治らない
「私を見て」と
最終手段に訴え始める

苦しみを証明するために

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魅せられて

絶望に魅せられて
私は死に切れない
死に切れば子いわく
真に生まれることが出来るというのに

幻想が蔓延している
愛とやらは神と同じように
昨今汚れ切って死んでしまった

愛の名の下に
どれほど多くの血が流されただろう
どれほど多くの命が失われただろう

手放すことひとつ
上手く出来ないでいるんだ
そんな自分に絶望することに
魅せられている私はやはり滑稽だ

自分を嗤っても誰も
褒めてくれるわけで

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証明

死を添えれば何かが
とにかく重大だったことだけでも
証明できるのではないかと
安直に考えた

それを抱いて死ねば
嘘じゃなかったと
わかるだろうか

誰に?

助けを求めることも出来なくて
ただ傷ついていくだけの時間の中で
癒しなんて夢物語だから
ただ最後に証明したいとそれだけ願った

もしあなたの一言で私が
死んでしまったとしたら
それが酷いことだって
そうわかるでしょう
もしあの夜私が
朝には

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誓願

とどのつまり私は
自分が必要とするものに
同じく必要とされ
そのバランスの悪くない様相をもってして
幸福と見なし
死までの見通しを立てたいのだ
明日死ぬとしても

さして私を重要と見なさぬものに
庭を踏み荒らされた時
私はまず許し
それから怒り
ほどなくして憎み
最後に傷つくのである
そして庭も家も廃墟になっていく

許そうと思い立つ時点で
既に許しているのだと書いた
やがて怒る気も憎む気も失せた

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gips

gips

ガラ空きの二階席で
フラペチーノの寒さに震える
あと何回秋を越えるのだろう
重ねる度に感じなくなればいつか
空っぽになれるかな

罪はいつも寂しがって
世界中に感染したがるの
私もあなたも犯したでしょう

許せないと泣くあなたは
許そうとして苦しむの
どちらでも構わない
あなたはもうそこに辿り着いている

傷は怒りで覆われて
治るのを待っているけれど
凍ったままでは血が通わない
溶ければ痛みが戻っ

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