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2020年1月の記事一覧

ながれぼし

とくめいきぼうだよ
ぼくはひとがきらいだよ
きえてしまいたいよ
なんであんなことしたの

まどのないへやで
ドアをたたいてたたきつづけて
おもいつくかぎりのなまえを
なまえを なまえを

いまぼくのこえがきこえたら
ここまできてくれるの くれるの
くれないの
ガラスいちまいでちっそくした
じっけんようねずみに
そらをみせてあげて

さむくてしんでもいいよ
きみにあえなくてもいいよ
どこかへむかいた

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どこかへ向かう
列車でしか見られないあの景色
限られた時間
迫る待ち合わせ
今日も何かが試されて
僕は不可逆に変化する

あの曲初めて聴いた時の
感動は二度と戻らないだから
探してる探してる探してるまだ
まだ、まだ、まだ

あの街に会いたい人が増えてゆく
もう今度は誰のためでもなく
僕は僕のために
もう今度は誰に会うためでなく
僕は僕だけのために

魅せられて吸い込まれて
どこへ、どこへ、どこへ

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残視

全部僕のせいだった?
それとも誰かの悪意のせい?
歪んで曲がって堕ちて行った
劈くような悲鳴

立ち上がろうとすればいつも
警告が背中を刺し
かまいたちが風切羽を奪い
幕が閉じた舞台裏で
全員が鉈を構えてる

ああ今は全て忘れて
君の腕に抱かれていたい
嘘をつくのも疲れたから
何も言わず撫で合うだけ

過去も未来もすり抜けて
スキップで駆けてゆく僕は
今最高に自由だ
求めた誰かが待っている

身を

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帰郷

単純で愉快だ
僕が見たままが全てだった
「本当はこうだよ」なんて全部大嘘で
正しさと間違いの話も意味なしで
その時そこで見たものが全て
感じたことが全て
何も考える必要などなかったし
何を探す必要もなかった

帰って辞書を引いたり
検索したりしなくてもいい
だってその場のことはまだ
誰も何にも記録してない
僕の日記が最初だ

僕が嫌だと思えば苦痛があったし
僕が怖ければ恐怖があって
僕が楽しければ

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母親

空気穴のないケージで
全員とっくに干からびているのに
まだ誰も気付いてない
幽霊は何も感じないから

守り守られ安全に
続く先に自由を失った瞳
最後に死ぬのが自分じゃないなら
誰か責めてりゃ目を閉じていられる

光の方へ開かれて愛は
寂しさを住処にするべきだ
食べなくても触れていられる
触れなくても感じていられる

手を離して自分に
戻ることが出来ないで
誰かの孤独を奪ってきたら
暴れて手が付けら

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行方

安らぎの在処はいつまでも
わからないままなのに
怒りはずっとここにある
僕を守っているのか
呪っているのか

僕を陥れたもの全てに苦しみを
立ち上がろうとしたのに
何度立ち上がろうとしたか知れない
なのにいつも
いつも

怒りの矛先がわからない
身体に溜まったものがいつまでも
僕を蝕んでいて

ああ何もかも切り離して
僕は僕以外ではなく
誰のものでもなく
誰にももう僕の心にも身体にも
二度と触れさ

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