母親

空気穴のないケージで
全員とっくに干からびているのに
まだ誰も気付いてない
幽霊は何も感じないから

守り守られ安全に
続く先に自由を失った瞳
最後に死ぬのが自分じゃないなら
誰か責めてりゃ目を閉じていられる

光の方へ開かれて愛は
寂しさを住処にするべきだ
食べなくても触れていられる
触れなくても感じていられる

手を離して自分に
戻ることが出来ないで
誰かの孤独を奪ってきたら
暴れて手が付けられない

窓のない部屋の中に
誰がいるかはもうわからない
閉じ込めたはずの獣は
何か違うものにすり替わってる

光の方へ導かれて愛は
寂しさを墓にするといい

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