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地方移住 - 暮らす場所の正解とは? Supported by 豊嶋建設


「このままこの土地で一生暮らしていくのかな?」

そんな想いがふとよぎる瞬間はありませんか。

あの頃「ここだ!」と思った場所が今はなんだか違う。
「もう2度と戻らない」と思った場所が今はしっくりくる。

なんてことは、年齢や取り巻く環境や状況の変化で大いにあります。

暮らす場所を選ぶというのは、生き方を選ぶといういうこと。瀬戸内サニー編集部は、これから生きていく場所を選ぼうとしている方にぜひ読んでほしいインタビューを記事にしました。

まさかのUターン移住

お話をうかがったのは香川県にある豊嶋建設(とよしまけんせつ)さんの次期社長である、豊島有希(としまゆき)さん。2年ほど前に東京から生まれ育った香川県の丸亀市にUターン移住をした方。

彼女は高校卒業後に地元を離れ、憧れの都会へ。しかし一人っ子である有希さんは、家業を継ぐために再び地元の丸亀に帰ることになりました。

−昨年、東京からUターンで地元の香川県丸亀市に戻って来られたんですよね。どんな想いがありましたか?

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実は突然のことで、かなり戸惑いがありました。県外での生活も長くなっていたし、慣れ親しんだ都会暮らしをやめて、また地元に帰ることはとても怖かったです。

−「怖かった」というのはどういう部分に対してあったんですか?

あの頃とは大きく変わった地元を見ること。地元は良く言えばレトロ、はっきり言えば廃れている場所なんですよね。そんな地元でよく遊んだ、思い出のある場所がなくなっていくのを見るのが寂しくて怖かった。自分も同じように廃れていくのかなって。ある意味、そういう現状を見ないために東京に行った部分もあるんですよね。

だから移住が決まった時、本当は戸惑いというより、絶望に近い気持ちだったのはここだけのお話です。


−なるほど。怖さ以外に何か思うことはありましたか?

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ちょっと矛盾するかもしれませんが、ネガティブな気持ちの中にも、どこかホッとする自分もいたんですよね。正直、高校までは「早くこんな田舎離れたい」そんな想いすらありました。

10年近い年月を東京や関西で過ごすなかで、なぜかふるさとを思い出す機会が多くなっていたんです。それは慌ただしい日々の中で、心が自ずと自分の居場所をもとめて、丸亀こそが自分の帰る場所だと思っていたからかもしれません。

年を重ねて変化した、地元との向き合い方

−実際、10年ぶりの地元暮らしはどうですか?

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意外にも地元での暮らしはしっくりと来たんです。昔はなかった新しいお店や場所をあの頃とは違う「大人の自分」が開拓していくのは楽しくて。

何より、丸亀のあらゆる場所に、思い出があり、青春があり、心地の良い友人たちがいる。それらに触れたときの感覚は、丸亀以外のどの場所にいても得られない、なつかしくて安心するノスタルジーな感覚があります。


−わかります。では有希さんにとって、東京と地元の生活、具体的に大きな違いはなんでしょう?

東京は夢があって、刺激があって、仕事もプライベートも忙しくて、それはそれで楽しかった。そんな生活に憧れていましたからね。

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でも、東京にいたときの私は、仕事に追われていつの間にか心がすり減っていたように思います。仕事は好き。でも、気づいたら時間に追われていて、自分だけでゆっくりできる時間がなくなっていたんですよね。なんというか、東京の忙しさは振り回される忙しさなんです。

−よく働き、よく遊べっていうやつですね。

はい、それです。反対に、今は自分でやりたいことや趣味に没頭してる、主体性のある忙しさなんです。ある意味プライベート的な忙しさが減った気がします。朝コーヒーを入れてちょっとゆっくりする時間がある。そしてその時間さえも愛おしく思える余裕が生まれましたね。東京では、コーヒーを淹れる時間ですら惜しいと思ってましたから。変わるものですね。(笑)

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そんな風に気がつけば丸亀での暮らしは、仕事も、趣味も、おうち時間も、ずっとバランスよく自分にはまりました。無理せず、楽しいことを純粋に楽しめるゆとりが感じられるんです。

変わらない地元と、変わった私

−今、有希さんの目に、地元はどのように映っていますか?

丸亀という場所は、離れた頃と今は実際のところ大きく変わっていません。でも、私の中では見え方が大人になってずいぶん変わりました。

以前は田舎の「現状維持」的な考え方が好きになれなくて。変わることに挑戦しない雰囲気や空気感が嫌だったんですよね。10年ぶりに丸亀市に帰ってきて、それって実は視野が狭かった、ということに気が付いたんです。

つまりベクトルが違うだけで、みんな自分の生活を楽しくするために動いてたり、地方をよくしたいために動いている人もいる。それに、昔は代わり映えしないお店しかないなあと思ってたけど、美味しいお店を行きつけにできるのはいいなあ。というふうに解釈の仕方も変わりましたね。あの頃の自分は気が付かなかったなあ。

−大人になったからこそ、違う視点を持って気が付いたり受け入れたりできるようになる、という部分はありますよね。

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そうですね。こんな言い方良くないかもしれないのですが、私は地元での代わり映えしない日常が大嫌いだったんです。大人になって、代わり映えしないということは、自分が戻って来る場所がある、という風に考えるようになっていました。

それにあの頃の自分は、あまりにも環境のせいにし過ぎていたのだと思います。今の環境がつまらない、ココから出たいっていうのは逃げだったなあと。つまらないんだったら視野を広げたり、自分で面白いことに挑戦してみる。その考えをもっと持っていたかったです。

自分の居場所ができた、地方暮らし

−コロナをきっかけに、Uターンや地方移住を検討している人が増えた、という話をよく聞きます。有希さんは、地方暮らしのどんなところがおすすめと言えますか?

例えば同世代におすすめするなら、仕事のしやすさと子育てのしやすさを推しますね。

30代になっていく年齢は、ある程度仕事の仕方をわかってるし、自分のパフォーマンスをわかってる。仕事をしやすい環境というのが地方にはあると思っていて。

東京にいたとき、インプットが少ないと思ったんですよね。アウトプット量は多いのに。逆に地方は視野を広げる作業っていうのが多いと感じています。

ちなみに私は、打ち合わせがなく、少し時間に余裕ができるとぽかぽか温泉に行くと決めています。(笑)そんなふうに思考を整理したり、ゆっくりしたりする時間が日常的に持てるのは地方の良いところ。

私はまだ子どもはいませんが、自分の周りでは「子育てしやすい、香川と丸亀で子育てしてよかった」という声もよく耳にしますよ。

保育所の空きもあるし、公園や自然も多い。家を建てるための土地も安いし、お隣さんと距離感もあるので、庭で家庭菜園スペースを作るといったこともしている。暮らしにしっかり目を向けながら生きていけるんですよね。

−逆に、丸亀に「コレあればいいのに」というものはなんですか?

かなり個人的な意見になりますが、コワーキングスペースが少ないかな、というのは感じますね。もう少し作業がしやすい、集中しやすい場所がほしいなと。

あと、周りの人をみていると、子育て世帯になった人がコミュニティから外れちゃう、という印象があります。いろんな背景や年代の方々が集まれる場所があったらいいなぁ。

−都会の暮らしが恋しくなることはないですか?

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それは今のところないですね。でも、私は都会も好きだし、地方も好き。どちらのメリット・デメリットも知った上で、今はこの生活が心地いいなぁと思っています。

東京の友達に言われたのが、「新しいものを0から生み出すタイプではなく、他の事例の本質的な良さを見抜いて今の課題に落とし込むことができる」と言われたんです。

県外での経験や知識、仕事の仕方といったところを生かして、地方に新しい風を吹かせていきたい。今はそういう気持ちが大きいです。

東京で忙しなく働いていた時の自分って何者でもなくって・・・アイデンティティがなかったんですよね。ずっと欲しかった「自分の居場所」が見えてきているのはとても嬉しく思います。

移住やUターンに迷う人に寄り添いたい

都会から地元にもどる怖さや、離れたときとは違う感覚で向き合う地元での暮らし。有希さんはどちらも経験したことを生かし、移住を迷っている人の背中をポンっと押してあげられる人になりたい、と話します。

−地方への移住やUターンを迷っている人にとって、有希さんも感じた「怖さ」というのはやはり大きな壁のように感じます。

そうですね。都会から地元に帰る怖さも知っている自分だからこそ、「帰りたい」「地方に住んでみたい」と思っている人たちに寄り添いたいと強く思うようになりました。けして怖くはないよ、と。

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最近、県外にいる地元の友人が「ああ、地元に帰りたい」とぼやいているのを耳にする機会が増えたんです。

そんな丸亀から離れている「丸亀人」たちに、「もどってきていいんだよ。早く帰っておいでよ。」という、あたたかい気持ちで呼びかけをしたいなぁと。

有希さんがこれから丸亀で、具体的にやっていきたいことはありますか?

丸亀に、丸亀人に、そして元丸亀人の方に、もっと誇りを持ってもらえるような働きかけをしたいですね。例えば、丸亀は子育てに対してとてもいい町だと思うんです。自由に遊べる公園も多いし、実はインターナショナルスクール(幼稚園)もあるんです。

教育面もそうですが何においても、東京は東京、地方は地方という風に比較されてしまう。でも、そうあるべきではないことを伝えていきたい。そして、自分も含めて何か新しいことをやろうとしてる人たちがやりきれる環境を作ってあげたい。

ちょっと受け身な人でも興味を持ってもらえるような環境作りを、自治体の人たちと一緒に実現していければいいなぁと思っています。

−実際、地元に帰ってきた人や移住をした人と、どんなコミュニケーションをとっていきたいですか?

まずは自分のことを「よそもの」だと思って欲しくないんですよね。自分は馴染まないといけないと思うんじゃなくて、自分の面白いと思うことを教えてほしいんです。

実は地元の人もそういうのを求めていると感じていて。東京の情報だったり、新しいものをどんどん伝えてほしい。それが移住者としての価値にもなるし、それを上手に見つけれるようなコミュニティもやっていきたいですね。

−最後に。これから地方で、そして丸亀で生きていく上で楽しみなことはありますか?

実は、都会にいた時は子育てをするイメージが全く湧かなかったんです。それが丸亀に帰ってきて子育てのことを想像するようになりました。この公園すごく子育てに向いてそうとか、この場所に連れて行ってあげたい、なんてことを考えるようになったんですよ。(笑)

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自分でも想定外だったのは、ワークライフのことを、ワークでしか考えていなかった自分に対して、ライフをいかに充実させていくかを考えられるようになったこと。今はそれがすごく楽しいです。

今、Uターンや移住に迷っている人は、あの頃の自分が思っていた場所と違う選択をしてもいいと思います。暮らす場所の正解は、今の自分が持っているのだから。

何より、もっと自由に軽やかに暮らす場所を選んでほしい。そんな世界が訪れてくれたらうれしいです。

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そんな有希さんが勤める豊島建設のホームページもリニューアル👇ぜひクリックして理想の瀬戸内・丸亀暮らしをイメージしてみてね。

Directed by まみこ




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