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前編【レモンサワーブームの火付け役】東京恵比寿。予約殺到の人気店は「広島県三原市」にルーツがあった。

東京恵比寿。
この街に、わたしたちの住む「三原」を感じられるお店がある。しかも東京では予約の取りにくい人気店だそうだ。

そのお店は大通りから少し入った、ビルやマンションに囲まれた一角にあった。

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「晩酌屋おじんじょ」


店名の「おじんじょ」、三原や尾道など備後地方では「正座」という意味。

のれんをくぐる際、見逃しそうなほどさりげない所に、見慣れたダルマが。

三原市の伝統工芸「三原だるま」

お店に入る前から、すでに三原を感じられるいくつかのポイントがあり、少し、うれしくなる。



さて、この「おじんじょ」先ほど紹介したとおり、東京では予約が取りにくい人気居酒屋として有名。そのお店の人気の一つが、瀬戸内レモンを使ったレモンサワーだ。

おじんじょの代名詞とも言えるレモンサワーは6種類。全てに広島県瀬戸田産のレモンを使用している。

三原との関係を知るためには、まずは肌で感じたい。ということで、早速、頼んだのはオーソドックスなレモンサワー。

「いつもの生レモン酎」

爽やかな瀬戸内レモンの香りが口にひろがる。

一口目。驚いたのは、居酒屋で飲むレモンサワーと比べて甘さがかなり控えめ。スッキリとした飲み口が、とても心地よい。

その他にも、ミントが入ったものや、麦焼酎で割ったものなど様々なレモンサワーが楽しめる。


そして、料理の中にも三原に関するものが。

店内のメニューボードにお店の三大名物として、紹介されているのが三原のブランド鶏「みはら神明鶏」を使った肉汁焼き。

三原市は、県内約50%のシェアを誇る鶏肉の最大生産地であり、その中で生まれた良質な鶏を選別し「みはら神明鶏」としてブランド化している。

神明鶏の肉汁焼き

神明鶏の肉汁焼きは、オリーブオイルと塩コショウ・ローズマリーのみのシンプルな味付け。熱々の鶏を頬張ると、しっかりとした肉の旨み。ヘルシーな胸肉なのに、このジューシーさは、三原のブランド鶏「神明鶏」ならでは。

お邪魔したこの日は、平日にも関わらず、店内は満席。途切れること無くお客さんが訪れていた。


この人気店を経営するのが、広島県三原市出身の高丸聖次さん。
せっかくなので、色々とお話を聞かせてもらった。

実は高丸さん。この「おじんじょ」を含めて都内に3店舗を展開する。

伺ったのは3店舗目「祐天寺Bob」のオープン前日!お忙しい中快く、対応してくださいました。

新店舗は祐天寺駅前ファミリーマートの2階
オープンを告知するポスターには広島・三原の文字が。


ーなぜ三原を出て上京しようと思ったんですか?

親父が電気屋なんですけど、居たら継がないといけないし、当時の三原は、音楽とかファッションとか色々な物が入ってきて楽しかったけど、良くも悪くもやんちゃな時期で、地元で何かをするにしても誰かに繋がる。そんなコミュニティの狭さが息苦しかったんです。

当時、音楽が好きで、東京ならライブにぶち行けるじゃんと思って。ほんと、そのぐらいで上京を決めました。

ーいつ自分のお店を出そうと思ったんですか?

上京後、20代はずっとフリーターをして、そのあと飲食店に就職して、その会社で店長や新店の立ち上げなど色々と経験させてもらう中で、結婚して子どもも出来て、そんな中、なんとなくいつかは独立するんだろうと思ってたんですよ。でも何となく踏ん切りがつかなくて──

その時、起こったのが、東日本大震災でした

東京が真っ暗になって数日間停止して、奥さんが地元に子どもを連れて帰ったんですよね。原発もあったので。その時、自分はどうするかって考えたときに、会社の判断を仰いで動かないといけなかったんです。


その時、気づいたのが、雇われていたら自分で判断が出来ない。そう感じ、本気で独立しようと決めました。


「辞めさせてください」と当時の社長に相談したら「お前バカか」と言われました(笑)

社長に「今のお前なら1店舗はやっていける。けど2店舗、3店舗は無理。これから現場に出ず、既存店や新店をまとめる仕事を経験してからにしろ」と。

社長の言葉を受け、2年間、会社の役員となり、新規出店の計画や管理・人材育成や売上の管理など様々な経営の知識を学んだ高丸さん。2年後には出店の資金も貯まり、2014年に「おじんじょ」を開店します。

後半は、今や「おじんじょ」の名物となった、「レモンサワー」そして地元のブランド鶏を使った「神明鶏の肉汁焼き」誕生について、また地元三原への想いなどを聞きました。ぜひ次回をお楽しみに!


文・写真:ずーしみ
https://www.instagram.com/do_shimi/ 

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