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コーチングを受けてみて人生の財産を手に入れたよってはなし2

私は聖人でもなければ聡明でもない
才色兼備のカケラすら待ち合わせてない


せめてどちらか有れば
幾分かマシではなかったのだろうか


無いものを数えるのは得意です
有るものを数えるのは苦手です


妥協はできません
けど諦めることはできます


「コーチングの練習させてくれない?」

フランクに、けれど真っ直ぐに
先輩は聞きました

二つ返事でOK

最初はこんな気持ちでした

練習なら本音なんか出してはいけない
あらゆるパターンの一つとして練習台にならなければ
相手がコーチングしやすいようにしなければ
相手がコーチングの苦手ポイントを克服できるようにしなければ
傷つけないようにしなければ
めんどくさがられないようにしなければ

コーチングってことは傾聴か
傾聴に特化したものか

よくありがちな、答えを導く方に
走らないようにコントロールしないとな

知り合いということで緩む可能性がある
そこを配慮しなければ


よくもまぁ、偉そうに
何様だよと今なら思います

そんなこんなで、程よく本音であり
真実のことを話さないとなりません

具体的なエピソードでなく
抽象的なことをテーマにしました

リモートで始まったコーチング
いつもの電話やリモート通話のような感覚です
雑談のような感覚です

最初はたわいない会話でした
俗に言う、アイスブレイクでしょうか


「じゃあ、今回のテーマを」


と自然な流れでスタートしました

テーマ
自分の言いたいことをT P Oに合わせて言えるようになりたい


この年齢になり、歳を重ねることが
どこか子供の頃の成長と違うように感じていました
成長しない人間はいない
けど、その成長に変化も必要
ただ、その変化を恐れるようになるだけ

その変化の中で
品のある人になりたいと漠然と思ったからです
今までのように、ただ明るいだけでは
難しい場面が徐々に出てきました

ただ品のある人になりたくはありません
そこに、親しみやすさという隠し味を入れたいんです

スパイスが効いた存在感のあるものでなく
優しく下味を支えるものです

品が良くても近寄り難い人は
高嶺の花として魅力的に見えます
けど、孤高としているあまり孤独に見えるからです

私が恐れている孤独に


「では、貴女が思う親しみやすさとはどんなものかな」


「…そうですね、いろんな人から話しかけられることでしょうか」


「いろんな人から?」


「そうです、例えば子供の頃、というか今もですが何故かよく人から道を聞かれたり話しかけられたりするんです、

もしかしたら、親しみやすさはすでに持っているのかもしれませんね」


昔から、老若男女問わず色んな人から
話しかけられることが多かった
自然なことだと思っていた
誰しもがあるものだと

複数人でいるとき
せとぐちに向かって迷わずまっすぐ来て
道を尋ねる人が、1日で数回あったときに

もしかしたら、話しかけやすい人なのかも
と思ったのだ


もしかしたら、それが親しみやすさなのではないかと

なんて、安直な


「じゃあ品があるのはどんなこと?」

そこからどう進んだのか
覚えてないが何故か客観というワードが出てきた

品がある
つまり周りが見え、それに応じて対応や
気配りができること
おそらく、ざっとこんな経緯だろう


「貴方が浮かべる客観的とは?」


「広い空間があるんです、その広い空間にはさまざまな感情をもった複数の自分がいるんです。

それを外から眺めているような、
そんな状態を客観的だと思うんです」

頭に浮かんだ景色だった
いつからあるのか覚えていない
明確にそれがあると自覚したのは
中学くらいからです


薄暗いその空間は
先は暗くて見えないどこまで続いているかわからない
けど、おそらくそこまで広くはないのでは?
というような空間

どこから灯りがついているかわからないが
真ん中あたりが柔らかい白い灯りで照らされてる

暖かいと表現しつつもその白さは
緊張感を感じるようなそんな灯り

その中に、複数人の自分がいる
決して多くはない


「そうですね、みんな素直なんです、気持ちにきっと。ただ場面場面でそれは適切であるのか?となると話は別なんです」


公園で元気な子供は公園の中だから
良く見えるが
それがコンサート会場やお店だとどうだろう

本人は素直な気持ちに従ってるだけ
けどそれを評価する周りは変わる


「私はそのコントロールが苦手なんです。一つが中心で、それで頭がいっぱいになって周りが見えなくなる。

よく、視界がそこしか見えてないなんていうけど違うんです」


とジェスチャーで自分の視界の広さが
狭まる表現をし一点だけを注視しているように
大きく伝えました


「けどこれじゃないんです。見えないんです。単純に」


そういって自分の目を両手で覆いました


「この状態に近いんです、けどこれ怖いんです
だって、耳や鼻、口はそのままですから

情報はそこから入ってくるんです

けど見えないんですよ」


今回は手で表現したが
実際は目の前が黒い霧がかかったような
見えてるのに見えない感覚


目は見えているが
見ているものを脳が知覚していない


そんな感覚に襲われる

「この状態になると私はパニックになるんです」


そう伝えた後に
自分の中で何かが落ちてきた

水滴が水面を叩いたような感覚です


「いや、違うな、別にいいですよね
だって、素直な気持ちですもん。

状況によっては必要だけど
抑え続けても苦しいだけ

良く見せようと背伸びし続けると絶対疲れるし
そこより上にはいけないから

そうですね、うん。きっとそうだ。

しゃがみたい時は好きなだけしゃがめばいいし、やりたくなったらやったらいい

もちろん、道の真ん中だと邪魔になるから
端っこでね
けど、しゃがみたい気持ちはそのままでいいや

なんかそう思うと落ち込んでる自分も
受け入れられるようになりました」


突然出てきたソレは
果たして何者だろう

良く見せたいという見栄から出てきたのか
コーチング相手がまるで言ったようにも感じる
けどたしかに彼は何も説いてない


「じゃあ、その感情に名前をつけるとしたら?」


この感情に名前ですか
頭の中の空間で想像する


やっべ、ジャ◯ーさん浮かんじゃった

「Youやっちゃいなよ!」

うわ、だめだ、完全に
ジャ◯ーさんだ

自信ない内気ガールちゃんの背中
思いっきり、だけど優しく押してる

けど、ちょっと素直すぎるな
これだと怒りや悲しみの感情は拍車がかかる


そうだ、身近でいる従姉妹のセリちゃん
セリちゃんの言葉を思い出す

「あの人はあの人だから
来たものは受け入れて、今の状況で今できることを淡々とやっていけば良いよ〜」


とゆる〜く伝えてくれる
笑顔が素敵なセリちゃん
女性として最も憧れている人だ

うん、決めた


「では、ジャ◯ーさんとセリちゃんで
2人が大きく存在している
どっちかというより、2人の間のやり方が
一番しっくり来そうです」

「じゃあ、次回へのアクションとしてはどうしよう?」


「ジャ◯ーさんとセリちゃんの双方の一部を取り入れて事実を伝えてみるにします」


こうして一回目のセッションは終わりました
終わってみて、どこか気持ちが軽く
スッと抜けたような感覚でした

ただ、次の日には罪悪感と大反省会

その理由は、最初に書いた内容
全く練習になってない
完全に自分の話に夢中になった

まぁ、元々お話大好きだし


という後悔に苛まれつつも
気持ちが軽くなったことに素直に感じながら
会社に向かいました


さて、なんとなく問題です
頭の中の空間の登場人物
果たして何人でしょうか?


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