自分への矢印。今を発想転換の機会に。
オンラインだからこそのコンテンツ、という声を最近よく聞きますが、まだまだこの状況でなければオフラインでしていたことの延長線上にいる感覚があります。そんなとき、単純にオフラインからオンラインへ、という流れに抱いていた最近の違和感を解消してくれる対応事例に出会いました。
社会や手段が変化していくなかで、大切にすべき価値とは何なのか?
今日は、あるべき変化や価値提供について、自分に矢印を向けて考え直してみる、というお話。
価値の本質は、何か。
発展的なオンライン活用の事例として教えてもらったのが、airbnb。
airbnbといえば、民泊です。個人が自宅などを宿として提供するサービスはコロナの影響で停止状態。そんなairbnbのオンライン上は今、個人が持つ能力を披露したり教える「体験コンテンツ」で賑わっています。
例えば、アルゼンチンよりラテン・グラミー賞候補者によるコンサート(1,100円~)、イギリスより手品のタネ明かし(2,050円~)、日本より思わず自慢したくなる『美味しいお茶の淹れ方』(800円~)など。
私がすごいと思ったのは、コンテンツが宿泊とは関係がないところ。
事業の仕組みではなくサービスしか見ていないと、いかに「宿泊」をオンラインコンテンツに持ち込むかという難題に挑んでしまいます。
そもそもairbnb自体は宿泊機能を有していません。airbnbの本当の価値は、個人が持つ資産とそれを望む個人をつなぐマッチングサービスで、その方法が民泊だった。そう思うと個人の体験を提供する展開には全く違和感がありません。
1度民泊を利用した際にオーナーに茶道をふるまってもらったことがあり、オーナーが宿以外を提供するコンテンツは成立していたんですね。つまり、体験コンテンツの人材集めの基盤はすでに整っていた、ということ。世界中の民泊ホストに加えて、民泊は未提供だが体験なら提供できる!と更に人が集まっている状況です。
素晴らしい…と思うと同時に、airbnbはもともとオンラインサービスだったとはいえ、状況に応じた変化の在り方とはこういうことなのではないかなと思いました。
今のメインサービスをいかにオンラインで機能させるかではなく、自分の提供する価値の本質をとらえること。提供するものの形は変わっても、感じてくれる価値が同じならいいのではないか。
「購入する」をクリエイティブに。
私はアクセサリーを仕立てオンラインで販売提供しているのですが、「なぜアクセサリーなのか」と常々自問自答していた問いが、不要不急の外出を控えるアイテムとして、更に問いかけてきます。
自分の好きなものを身に纏うことは、想像以上に自分を奮い立たせてくれる力があることは確かで、こんな状況でも完全に不要、とは言い難い。
ただ、私が大切にしたいのは、似合う!魅力アップ!というデコレーション的な胸の高鳴りというよりは、「選ぶ時間」=「自分と向き合う時間」の提供だと思っています。
私は「購入する」という行為は、「つくる」ことに似て、とてもクリエイティブなことだと考えます。
なぜならお客様は購入するにあたり、自分の現状を見つめ、未来を想像する力を発揮し、なりたい気持ちをつくりだすことができるからです。
だから私は、購入するまでの時間がなるべくポジティブな自分との対話になってほしい。そんな思いから、アイテムには必ず詩のような、想像が広がる言葉を添えるようにしています。
価値の軸から考える。
もしも「自分と向き合う時間」の提供を価値の軸に考えてみたとしたら、最終アウトプットは必ずしもアクセサリーでなくてもいいのかもしれません。
お客様が自分と向き合い、とてもしあわせな未来を想像する時間を小売りの中にデザインしていく、そんなコンサルのようなことも1つの方法だし、オーダーメイドでお客様と一緒にアクセサリーをじっくりつくっていくことも、そう。
手段だけの変化でも、大袈裟な方向転換でもなく、今していることをお客様の視点で見直してみる。「販売する」と「購入する」が「つくる」ことを、つくる。
……自問自答は続きます。
社会的にも様々な変化の時だからこそ、私も自分と向き合う時間をしっかり持ちながら、変化をしたり、変えてはいけないものを見つけたり、価値を広げたり、可能性を探っていきたいと思います。
みなさんもちょっと時間ができるかもしれない今年のゴールデンウィークは、自分への矢印を向ける時間をぜひ。
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