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今年の諸々2022

いまだにnoteだと狐面スーツである。
書いたり作ったりなど、今年やったよ!のまとめです。応募したけど箸にも棒にもかからなかったものは省いた…ら、そういったものがなくなってしまった。8年ほど続いていたのでひそかな自慢だったのだが、はじまったものには必ず終わりがある。ナムナム。

1月

Twitter #リプライでもらった漢字ひと文字のお話 2021年版終了
2018年から年末に行なっている、みんなからリアクションをいただいて小説を書く企画。昨年に引き続いて“好きな漢字”にした。漢字を左に、物語を右にするフォーマットも同じ。32の漢字が集まり、シークレット4つを含めて36編、420×36なので15000文字くらい。3年にわたって集めたお題をまとめて冊子しようと決めていたので表紙やらタイトルなども告知。完成は5月。

世瞬舎『星座』表紙・本文デザイン
2019年に発行した『星の幽霊』のデザインを見て依頼をいただいた。本当にありがたい。以前にnoteを中心に活動していた「note文芸部」というサークルの人たちに向けた創刊号かぎりの文芸同人誌で(お声がけいただいた世瞬舎の主催さまが同サークルの運営もされていた)、恐縮ながらお名前や活動などは知らなかったが、熱量というか、切実さを感じたので、紙としての質感や記念の印象が出るように作った。明確なイメージがあったので、写真は『星の幽霊』と同じ写真家の友人、ヒロセミサキ氏にお願いした。

3月

江古田文学109号「ささやかな祈り」掲載
前年の7月に日大文芸賞をいただいた「ささやかな祈り」を掲載したいとのこと。私が大学院生だった頃、その年の優秀賞をいただいた作品が掲載されたことがあった(当時、江古田文学の編集長だった教授が文芸賞の作品と共に私の作品を推していたとのこと。その影響か後年に「優秀賞に引っかかれば江古田文学にも載ると聞いたんですが…」なる問い合わせがいくつかきたらしいが、公式ではないので、コネにより掲載されたという噂がバンバン出回っていた)が、ようやく正規の手段で載った……と思ったら、べつに文芸賞でも載る載らないは決まっていないらしい。またあらぬ噂が流れるじゃん。いやもうべつにええけど。

超短編小説アンソロジー『たまゆらのこえ』
「歌舞」「葬列」「交渉」「覚悟」「失踪」掲載

昨年8月に公募していた『てのひらのうた』に続くWebアンソロジー第2弾。テーマに沿った1編300文字以内の掌編がいくつも載っている。もちろんめいめい書きざまも違うので、推し作家が見つかるはず。まだまだ買えるのでぜひ。主催の紅坂紫さんは他にもアンソロジーの主催をされたり、さまざまな媒体に寄稿をされておられる。本当に尊敬する。

ウクライナへの人道支援のためのチャリティアンソロジー
『青空と黄の麦畑』
「式日」掲載
離婚届を提出しに行く前に、かつて住んだアパートを訪れる話。ロシアのウクライナ侵攻に対して、俳人の星野いのりさんが立ち上げたWebアンソロジーに掲載していただいた。売り上げは全額寄付にあてられました。

4月

白昼社「オートマニュアルvol.2」
「まばゆい白色」「渡り鳥」掲載

原稿を募集していたので、髪の毛を切ってもらう短編を寄せたら、ありがたいことにもうひとつ載せたいとのことで、引っ越し前日に髪を染める短編を書いた。ふたつとも髪にまつわる掌編で、どちらも最終的に瀬戸内へゆく。無意識に魂が瀬戸内へと導かれているのかもしれん。

ウェブマガジン『アパートメント』にて
「デザインが素敵だと思った映画パンフレット」
Weekly Film Pamphlet Reportの連載
ライター・編集者でもある小沼理さんに声をかけていただき、5月末まで連載していた。もともとはTwitterで映画館で観た映画のパンフレットを雑誌ふうに組んでまとめていたもので、好きなように書けるぞ〜!と思っていたのだが、権利的に中身の写真を使うわけにもいかず、このデザインはいかに優れているかを文字だけでこんこんと説明することになってしまった。がんばって書いたけどたぶん反応は悪かったんだろうな……といまだに落ち込んでいる。せっかくの機会だったのにもっとうまくできなかったものか、でもやっぱり好き好きに書くのは楽しかったので、映画パンフレット云々にまつわるZINEを出すことにする。地獄のはじまりだった。完成は11月。

goodie cafe制作マーダーミステリー
「SORCIER 賢者達の物語」パッケージ・内容物デザイン
魔法が発達した国で、ナンバー2の副王が魔法によって何者かに殺害された。4人の賢者たちはそれぞれ副王を殺害した犯人を探してゆくが、その裏に隠された秘密に触れることになり……という感じのキャラクターなりきり謎解きゲーム。物語上ネタバレが存在するので1度しか遊べない。デザインをする手前、どうしてもシナリオやギミックは最後までわかってしまうので一緒にプレイヤーとして遊ぶことはできませんが、GMならできます。暗躍しよう。

5月

閑窓5[道辻を灯す]編集・デザイン
「なめらかでつるりとした」掲載

水晶を磨くアルバイトに勧誘される話。
閑窓5冊目、今回は架空の商店街。はじめて帯と口絵をつけた。口絵は「海をあげる」(上間陽子・著)の表紙でも知られる椎木彩子さんを迎え、既刊と引き続き、カットページは橋本ライドンさん、写真はヒロセミサキ氏と、どんどん派手で豪華な仕様になってゆく。また、寄稿いただいた大木芙沙子さん「ふくらはぎ」が、三田文学で行われている新同人雑誌評にて2022年の下半期優秀賞に選出され、『文學界』12月号に掲載された。すご。いきなり閑窓が初出扱いになって笑ってしまう。大木さん、本当におめでとうございます!

閑窓ペーパー 執筆・デザイン
「懐柔」寄稿

引っ越し先で関西弁の幽霊に取り憑かれる話。会場で配った無料ペーパー。前回それなりに評判があったらしいので作ってみたけれど、会場では別のブースにいたし本当に効果があるのかはわからん。あれ。

『諸字百物語』『蛇蠱の子』企画・編集・デザイン
お題をもらって書くやつをまとめたり、細々と個人的に連載をしていた作品を出した。詳しいことは下の記事に書いてます。[諸字百物語]はありがたいことにほとんどが手から離れていった。気合いを入れて作ったので本当に嬉しい。残部僅かです。お買い求めはお早めに……。

島アンソロジー『貝楼諸島へ/貝楼諸島より』
「呪詛売り」掲載

谷脇クリタさん主催のアンソロジーに参加した。貝楼諸島という架空の諸島群のことを参加者で各々書いてゆく企画で、2冊組。谷脇さんはご自身でイラストも描かれるし(それもキュート!)デザインも素敵なので全体的な仕上がりがとてもいい。アンソロも大きな枠組みだけ作り、集まった作品たちによって勝手に輪郭が浮かび上がってくるので、本当にいいなあと思う。そういう規模感のある企画を自分でもやってみたいがぜったい胆力やら私のフトコロが足りない。お金もそうだし器もそう。「呪詛売り」のプロトタイプは私のnoteでも読めます。

『掌編小説とエッセイのアンソロジー BALM』
「光跡」「巡礼」「黄色い家」掲載

オカワダアキナさん主催のアンソロジーにも参加した。2冊組。2000字くらいの掌編をふたつとエッセイをひとつの合計3つが連続して載ったら、1作だけでは掴みきれない書き手の感覚や考えなんかをとらえられるのでは、という企画で、なるほどたしかに!と思った。作品の内容が好きなのか、そもそも書きざまじたいが好きなのか、考えてみればぜんぜん違う。オカワダさんは集まった46名×3作品の感想をすべて書かれておられた。作家、原稿に対する真摯な態度に(私はいただいた原稿をないがしろにしてはいないか……)と自らの姿勢を本当に恥じた。本当に信頼できる書き手、読み手です。

世瞬舎『世瞬Vol.3』表紙・本文デザイン
1月の『星座』に引き続きお声がけいただいた。いままで無料で配っていた「世瞬」という文芸誌を有料にしてしっかりしたものにしたい、とのこと。表紙から組版まで自由にさせていただいた。『星座』の件もあり、デザインを信頼していただいたとのことで嬉しい。私自身が関わっている「閑窓」とは判型も違うので、もっと文芸誌のような雰囲気で作った、が、わりとたいへん……五大文芸誌はこれ毎月やってるのすごすぎる。

7月

橋本ライドン 著『契約しましょ』ロゴ・連載扉デザイン
友人でもある橋本ライドン氏がついに商業デビュー!ということで、ロゴと連載時の扉もデザインをお願いされた。ふだんの仕事とほぼ同じ流れではあるが、いろいろ緊張する。いまも連載が続いているのでみんな今すぐ読んでくれ。こんなnoteどっちでもいいからはやく「契約しましょ」を読むんだ!

『文藝もず23号』「輪郭」掲載
主人公の私はハデなクラスメイトに対してぜったい遊びまくってる!と決めつけ、彼女の性交の想像ばかりするけれど、実際に仲良くなってみたらぜんぜんそんな感じではなく、でも親密になったがゆえに性交するさまが豊かに思い描けるようになってしまって……みたいなお話。昨年いただいた香川菊池寛賞の副賞。ぼちぼちうまいこと書けたと思うのだが、いかんせん読むすべがすくない。誰かに読まれてどっかに届いてくれ、頼む。

8月

謎解きスタンプタリー エコダ王国ものがたり
ロゴ・謎解き用紙・フライヤーデザイン

去年に引き続き町おこしイベントの諸々を作った。今年も快晴で、自分のデザインした問題用紙を眺めながら歩く親子を見ると嬉しくなってしまう。町の電柱にはイベントの幟がかけられていたが、私が英語の綴りをめちゃめちゃに間違えたのでなるだけ目を合わせないようにした。つらすぎる。

10月

謎解きスタンプタリー 人狼村の謎
ロゴ・謎解き用紙デザイン

8月と同じスタンプラリーイベントのハロウィン版。

11月

閑窓6準備号[架空の百貨店]執筆・デザイン
「あの日を掴むには」掲載

百貨店で久しぶり会った同級生の名前がどうしても思い出せない話。無料のペーパー。来年5月に出す予定の閑窓6冊目のために、肩慣らし+告知+新刊的なものが用意できなかったので作った。次は架空の百貨店です。誰に書いていただくとかはまったく決まっていません。そもそも出せるかもわかりません。やる気はあります、やる気は。

『劇場で観た映画のパンフレット122+3冊の感想と記録 2019.01-2022.09』
企画・撮影・編集・デザイン

タイトル通りのZINE。Twitterに載せていたフォーマットをもとに、アパートメントで連載していた熱量で3年間をまとめた。映画パンフレットを買いはじめたのは2016年あたりからだったが、6年間をまとめるとなると相当なページ数&計り知れない労力で間違いなく死ぬのでこの期間にした。この期間でも本当に本当にたいへんで頭おかしくなるかと思った。表紙は友人で漫画家の栗山ミヅキさんにお願いし、映画パンフが好きそうな方やら友人たちに寄稿をお願いした、が、いくら同人誌、表紙しか載せていないとはいえ、権利関係など完全にあかんので「作ったよ!」を大々的に言えず、直前に告知して文学フリマ東京の会場でサッと頒布することに。あ、あれだけ時間と手間をかけたのに……手にしていただいた谷脇さんには「これはもう仕事やないですか」、オカワダさんには「プロの手さばきだ」と言っていただいて報われた気持ちだ。今までの頒布物に比べて刷った数じたいがすくないので、手にしてる方、レアです。

『夜のフリーペーパーmidnight vol.4』デザイン
友人の北枕ふか子と一緒に作っているウソ100%のフリーペーパー、2年ちょっとの時を経ての最新号。また好き勝手にデザインさせてもらった。毎号ページを増やしているので今回は16P、ウソだけで構成された16Pのフリーペーパーです。フルカラーだし。今回は有料版も作り、封筒やらシールやら北枕と私のラジオ番組が聴けるパスワードなどがついている。文学フリマ東京の会場ではけっこう評判だった。“内見で舐められないためのコーデ”のグラビアページがとくに。有料版を買ってください。次号への資金にします。

『終わりのある脱毛体験コース アンソロジー』掲載
1年間だけ下宿していた歳上の女性にサボテンの棘を抜いてもらったときの話。オカワダアキナさん主催のアンソロ。「終わりのある脱毛体験コース」というDMが届き、これって小説のタイトルのようだ…との着想から、同じタイトルで原稿を書いてもらったらどうだろう、という企画。声をかけていただいて本当にありがたい限りだ……。脱毛についてはかなり間接的にしか書いていないので、アンソロ規定にギリギリ満たしていない感じがあって、たいへん申し訳なかったけれど、作品として並んでみたら不思議といいあんばいになっているのでは…と思えた。なじむ位置に掲載していただいて本当にありがたい、ありがたい……いろんな人のご厚意により生かされている。

「価」BFCオープンマイク掲載
昨年に引き続き、画像2枚なら誰でも載せられるとのことでお願いする。昨年に掲載していたたいた「兄」がインパクトあると感想をいただいたので、同じフォーマットを使う。走馬灯を売り払う話。

ソコロワ山下聖美 著『林芙美子とインドネシア 作品と研究 』書籍デザイン
大学、大学院とたいへんお世話になった先生の本を装幀することになった。実際の作業は昨年の夏あたりからはじめ、今年の2月には手を離れていたので、やっと完成品をお目にかかれたという気持ち。学部3年生の頃、ゼミがはじまる前の1コマを使って、先生の研究室で林芙美子のインドネシアにまつわる文献をテキスト化してゆくバイトがあり、私たちが初年度だった、そのあとは後輩たちに引き継がれているのは知っていたけれど、それがまとまった本になり、そのデザインを任されることになって感激である。バイトといってもゼミの友人たちと「わー誤字した」「タイピングはや」「いにしえのオタクなめんな」わいわい喋りながら、ときにはケーキなんか食べながら作業していたので、実際にデザインを進めていくと、それらの思い出が結晶化してゆくような感覚もあって不思議だった。

12月

橋本ライドン 著『契約しましょ』単行本デザイン
頼む買ってくれ。ロゴ部分がぷっくり盛り上がる加工をしたり、蛍光ピンクを使ったりと可愛さ重視のデザイン・仕様にした。仕事でデザインしている単行本やら雑誌のデザインは会社で受けているのでデザイナー名の後ろに肩書きがついているが、今回は完全に個人で受けた仕事なので落ち着かないやら緊張やらでずっとそわそわしている。続刊が出るかどうかの分水嶺、1巻の初動やら売り上げやらで決まってくるので、頼むお願い買ってくれ。もうこの際、紙版とか電子版とか媒体はとやかく言わない(でも可能なら紙……)ので、後生だ、頼むぜ。

Twitter #リプライでもらった架空の地名のお話 開始
いまやってるやつ。最後のひとりを書くまでお題を募集していますので、どしどし応募ください。書くのが遅いのでいまのところ2月あたりまで続いている予感がある。来年5月の文学フリマ東京で冊子にしたいな…の気持ちでやっています。友人の鮭とば子氏と一緒に作る(予定)のアンソロと連動させたくて始動したので、それとの兼ね合いはあるけれど……。まあとにかく募集してます!よろしくお願いします!

ゴリゴリ仕事のやつ(奥付やらなんやらに載っているもの)
ヘロヘロQカムパニー 立て!マジンガーZ!!舞台パンフレット
先輩がうざい後輩の話  9(一迅社)
先輩がうざい後輩の話 アニメDVD 3・4(キングレコード)
出禁のモグラ 2巻書店用カッティングボード(講談社)
明日のエサ キミだから 8・9(講談社)
宗桂コンビニ版  1〜3(リイド社)
有名・定番・必修すぎる文学作品をだいたい10ページくらいの漫画で読む。コンビニ版(リイド社)
あたしゃ川尻こだまだよ 2(KADOKAWA)
あたしゃ川尻こだまだよ 夏コミ用ポスター(KADOKAWA)
ちゃおビッグアンケート2022(小学館)
ちゃおアオハルしたい10のこと(小学館)
ちゃお竹下通りMAP(小学館)
ちゃおNewYearBOXふろく(小学館)
ちゃおアオハルふろく(小学館)
嘘みたいな話はだいたい嘘(コアマガジン)
恋い焦れ歌え 映画ポスター&フライヤー(フィーチャーコミックス)

読んだことがあった作品ありました? そうだったら嬉しい。

今年は勇気を出してアンソロジーに参加表明したり、声をかけていただいたりと、書いたり作ったりした作品たちが自分以外から発信されることが多くてめちゃめちゃ嬉しい年でした。やってきたことがすこしずつ実を結んできた感覚もある。でも、Twitterまわりがいま現在わちゃわちゃしていて他のSNSへ移動したり(色々あったnoteをこうやって使い続けているのもちょっとどうなのと思うこともあったり)、これまでと同じように活動したりお知らせしたりするのも難しいのかな…とか考えたりもします。

それでも、来年もたくさん書いたり作れたりできたらいいな〜と思っているので、いろいろお声がけくだされば本当に嬉しいです。書くし作るし手伝うよ!誘ってね!どうぞよろしくお願いします。


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