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品品喫茶譚

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暇さえあれば喫茶店に行く。テーブルの上に古本屋で買った本を広げて、珈琲を飲む。ぼーっと窓の外の風景を眺める。 初めて訪れた街では喫茶店を探し、住み慣れた街に新しい喫茶店を見つけて…
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#世田谷ピンポンズ

品品喫茶譚 第99回『栃木 宇都宮 パーラー&喫茶BC 宇都宮パルコの、残骸』

翌日、弘前を去る前に中三というデパートの地下にある中みそに寄ろうと思った。 シソンヌじろ…

品品喫茶譚 第98回『青森 弘前ルビアン 土手町ストリート』

昼前に仙台駅を出て、足は実家のある南ではなく、北へ向かう。 弘前へ行こうと急に思い立った…

品品喫茶譚 第97回『仙台 エルベ 道玄坂再訪 銀杏BOYZと友部正人の夜』

先日、仙台に銀杏BOYZと友部正人さんのライブを観に行った。 日光の実家がなくなってから、大…

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品品喫茶譚 第95回『東京 高円寺ごん ピンポン、初の個展をするのこと』

5月8日。 午後早く高円寺に着き、ポンチ絵の展示をして下さることになっている本の長屋へ向か…

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品品喫茶譚 第94回『尾道 そごう 喫茶部あくび 凡夜READING CLUB 尾道に登場するの…

連休初日ということもあって、人手を少し警戒していたものの、尾道駅はそこまでではなく、まし…

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品品喫茶譚 第93回『姫路 大陸 木山捷平展でシングするのこと』

朝早く姫路に着いたので、大陸でモーニングを決めることにした。 私は大抵、細長く奥まった店…

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品品喫茶譚第92回『神戸 ファイン』

ファインに入り、私たちは今夜の凡夜READING CLUBトークパートの打ち合わせをする。と共に、とにかく一息つきたい心持ち。 三月も半ばを過ぎると、みるみる春が顔を出し始める。この日もそんなかんじで、元町のアーケードを歩いているうちに二人とも結構暑い、喉が渇いた、流石に早すぎるかもしれないけれど、ここは冷たいやつを一発決めたい、という精神状態になっており、たとえばアイス珈琲、たとえばソーダ水など、数多ある冷たいドリンクの中からお互いにレモンスカッシュをチョイスした。二人して

品品喫茶譚 第91回『神戸 ファインの一個手前』

チェックイン開始時間の十分前にロビーについた。 こういった場合、タイミングによっては少し…

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品品喫茶譚第90回『京都 逃現郷 華麗なカレー』

ここ最近、茶の間にカレーを食べに行くことが多いため、少し辛いカレーに親しみ過ぎていた。 …

品品喫茶譚第89回『京都 茶の間 やはりカレーは辛い』

前回の文章より一週間後、また茶の間にカレーを食べに行った。 前は小雨降りしきる中をチャリ…

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品品喫茶譚第88回『京都 茶の間 カレーは辛い』

今年、スケジュール帳を購わなかったことを結構な頻度で後悔している。 スマホを駆使してスケ…

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品品喫茶譚第87回『京都 ゴゴ 野暮生活者が二人』

ゴゴに入ると、生憎テーブル席は埋まっていた。 少し遅れるという藤井を待つ間、カウンターで…

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品品喫茶譚 第86回『またいつものカフェバー』

タイヤの空気が少し甘い気がするが、気にしないふりをして自転車をガレージから出した。日が伸…

品品喫茶譚 第85回『長崎 冨士男』

土曜日。ってやっぱり今日ですやん。 九州へ。 とても大切な用事があり、そのあと最後の最後、京都へ帰る前に長崎に少しだけ寄る時間ができた。いま街はランタン祭りの真っ只中である。街中に関羽だ、仙人だ、稚児だ、龍だ、と色とりどりのでかいランタン?が惜しげもなく飾られている。壮観である。 覚束ない記憶を頼りに川沿いから『冨士男』を目指す。ここ十年、長崎に来るたびに必ずと言っていいほど寄ってきた喫茶店である。 川は流れ、橋は曲線を描く。その下のひとつではずっとじいさんがひとりしゃがんで