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品品喫茶譚

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暇さえあれば喫茶店に行く。テーブルの上に古本屋で買った本を広げて、珈琲を飲む。ぼーっと窓の外の風景を眺める。 初めて訪れた街では喫茶店を探し、住み慣れた街に新しい喫茶店を見つけて…
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記事一覧

品品喫茶譚 第110回『横浜 野毛 カミン』

最初に言っておくが、カミンとは「come in」つまり、カムインの略である。カムイン、カムウィ…

品品喫茶譚 第109回『東京 人形町 快生軒』

先日、東京国際フォーラムにピナ・バウシュ「春の祭典」を観に行った。 公演はそれはもう凄ま…

品品喫茶譚 第108回『名古屋 高岳 届かなかった喫茶ボンボン』

久しぶりに名古屋に用事ができたので、ボンボンに寄ろうと思った。 用事は夕方からだったので…

品品喫茶譚 第107回『神戸 元町 はた珈琲店 アルファ 後篇』

翌朝も神戸は晴れておった。 早速どこかでモーニングをきめるため、アーケードをうろつく。日…

品品喫茶譚 第106回『神戸 元町ボ・タンバリンカフェ 前篇』

8月24日土曜日。花森書林での独演会以来一か月ぶりの神戸。 夜に元町ボ・タンバリンカフェで催…

品品喫茶譚 第105回『東京 下北沢ニュー風知空知 街の灯』

9月18日にライブさせていただくことになったニュー風知空知は、まだ店名が風知空知だった時代…

品品喫茶譚 第104回『ピンポン喫茶淡』

こんなの書いてなんか意味があるのかい。 ずいぶん続けているようだけど、本当によくやるよ。 毎週、毎週、己の話ばかりで、君はどれだけ自分が好きなのかね。 他にもっと考えなくちゃならないことが沢山あるんではないかい。 さっきからアイス珈琲ちゅうちゅう吸って。 なるほど。そうやって阿呆面さげて、いつもちゅうちゅうやっているわけだ。 嫌にならないかい? あ、店員さん、おかわりください。 ふむ。しかしまあ、いつもいつも同じことばかりしていて飽きないってのもある意味才能なのかね。あ、これ

品品喫茶譚 第103回『京都 烏丸御池ユニオン』

京都に住んで早いもので十一年になるわけだけれども、当たり前だが行ったことがない喫茶店が沢…

品品喫茶譚 第102回『京都 翡翠 花の木』

モーニング終了10分前に店に到着し、「まだいけます?」などと、店員さんにたずねる。 もちろ…

品品喫茶譚 第101回『神戸 元町ファイン 花森書林で歌うのこと』

トンカ書店でのGIGから八年。 トンカ書店の後継店である花森書林でのライブが実現した。 入り…

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品品喫茶譚 第100回『東京 国分寺ほんやら洞 鷹の台アドバルーン商会・サイコロ展最…

二週間前、わたしゃ、東京にいた。 この日は鷹の台という街にあるアドバルーン商会で催されて…

品品喫茶譚 第99回『栃木 宇都宮 パーラー&喫茶BC 宇都宮パルコの、残骸』

翌日、弘前を去る前に中三というデパートの地下にある中みそに寄ろうと思った。 シソンヌじろ…

品品喫茶譚 第98回『青森 弘前ルビアン 土手町ストリート』

昼前に仙台駅を出て、足は実家のある南ではなく、北へ向かう。 弘前へ行こうと急に思い立った…

品品喫茶譚 第97回『仙台 エルベ 道玄坂再訪 銀杏BOYZと友部正人の夜』

先日、仙台に銀杏BOYZと友部正人さんのライブを観に行った。 日光の実家がなくなってから、大学生くらいの頃、つまり己が実際にステージに立つまでに夢中になった音楽が急に自分に帰ってきた。帰ってきた、というのは、もちろん彼らの音楽はいつも自分の中心にあるのだけども、改めて向き合いたい、観たい、何かを感じたい、と思ったのである。 一、二年前、両親と昔から家族に縁のある定義山を訪れた際に帰りに仙台で喫茶店数店舗に寄った以来。 いま新しい実家のある宇都宮からは新幹線で一時間くらい。 ま