有料会員・コミュニティ・理念

ツイッター終了のお知らせ的な話がたくさん出てきているので、この機に乗じていろいろと宣伝をした結果、noteの購読者が少し増えた。よろしくおねがいします。もうnoteを始めて1年半が過ぎたけど、購読してくれっていう宣伝をするのは未だに罪悪感がある。オンラインサロン的なものへの抵抗感が拭えないのだ。

「コミュニティ」は直接売られてはいけない。まず「コンテンツ」が売れ、それを好きな人がなんとなく繋がっていくのを「サポート」するというかたちを取るべきだという古典的な気分がいまでも強い。といっても、このマガジンはコミュニティ要素があんまりないのだが(気軽にコメントとかDMとかしてくださいね。まだまだ読者が少ないこともあって、読者です〜の一言だけでめっちゃ脳汁が出るので)。

それから、まだポヤンと思っているだけだが、今年も読者イベントはやりたい。去年の年末は結局バタバタで、配信もアーカイブもできなかった。次は物理的に来られない人やあんまり現場に行くのが好きじゃない人も楽しめるようにしたい。

うまくなるための課金

課金とその宣伝について、最近おもろいと思ってる事例がある。スマブラのストリーマーだ。ぼくはそもそもSwitchすら持っていないのだが、スマブラの最新作「大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL」のストリーマーたちの動画と、周辺のシーンを調べることにクソほどハマっている。

スマブラのストリーマーと課金について考えるときに重要なのは、YouTubeのメンバー機能だ。プロゲーマーとして食ってくためには、賞金だけだと不安定すぎる。だからそれ以外の食い扶持として、配信でライブと動画の再生数を稼ぐという手法があったわけだけれど、今年になってからはメンバーという新しい会員制課金モデルができた。ぼくもあるストリーマーのチャンネルに課金して、メンバーになっている。しばらくコミュニティに参加してみて、ビジネス系・自己啓発系のオンラインサロンなどとは違って、めっちゃいいなって思う。

というのも、スマブラのYouTuberに課金している人々は、結構な割合で「うまくなりたい」と思っているっぽいからだ(すべてのストリーマーのメンバーになったわけではないが)。ストリーマーを「推す」ための課金と、自分が「うまくなる」ための課金が半々くらいのバランスだなと感じる。メンバーになると、フレ戦と言って、課金したメンバーとプロゲーマーとがオンラインで戦えたり、アドバイスをもらえたりする。そのことになんだか非常に好感を持っている。

シーンを維持すること

スマブラというゲームのコミュニティが、それなりに長い歴史を持って現在のブレークに至っていることも、各ストリーマーに好感を持つ理由になっている。

ぼくは自分でプレイせずひたすら過去の大会やプロゲーマーの配信 / 動画を観たり、コミュニティの歴史をひたすら調べたり(とりあえず関連wiki全部読む、それでもわからないミームがあったらさらに調べる、地方の規模の小さい大会のログを読む)など延々ディグり続けているのだが、本当にコツコツやってきていまがあるという感じ。

いま活躍しているストリーマーは、過去作からスマブラのコミュニティに参加している人が多いからか、自分たちの配信や活動を通じて、スマブラというゲーム全体で上がっていこうみたいなやっていき精神が感じられる。強くて面白いのだが再生数が伸びないストリーマーがいたらフックアップするとか(記事最下部に、ぼくが面白いと思ったスマブラコミュニティ関連の記事などを貼っているので、興味がある向きは見てください)。

あやしくない課金

数年前まで、オンラインの有料課金コミュニティ=怪しいみたいな雰囲気は当たり前だったと思う。そのときの気分に、ぼくはいまも脳みそを乗っ取られている。

けれども、スマブラのストリーマー界隈を見ていると、そこそこポジティブな気持ちになってくる。素朴な話だが、ゲームがうまくなりたい、そのコミュニティを支えたいというお題目・理念・建前のようなものが、スマブラ関連の有料会員モデルをいい感じにしていると思う。このnoteにも、そろそろそういう理念を設定したい。

[おまけ]スマブラのコミュニティ感を味わう記事

↑[宅オフ]スマブラ界隈において重要な「宅オフ」文化を知ることができる記事ふたつ。宅オフは住み開きみたいな事例としても非常に面白いと思う。家庭がある人とかも、ガンガン自宅でオフを開いているのはめちゃくちゃ面白い。下の記事は、有名なストリーマーたちが集まってつくっているメディアから。

[大会]スマブラでは、ボランティアスタッフを中心にしたコミュニティ大会が非常に強い力を持っている。このウメブラという大会の歴史を追いかけるだけでも、非常におもしろい。

↑[子ども]宅オフに行きたい高校生が親を説得しようと書いているブログ記事。自分の好きなことでサードスペースができ、親に抵抗してでもその場所を勝ち取る。なにかを頑張ろうという共通のトピックを持ったコミュニティはなんでもそうだと思うが、こういうところで人は育つよなあと素朴に思う。

↑[オープンネス]初めて(上位勢が主催する)宅オフに行った経験談を話しているラジオ番組。コミュニティの雰囲気が伝わってくる。

[インストラクション]有名ストリーマーによる、コミュニティ育成と学習に関するあまりにも的確な分析。

↑[失敗学]プロゲーマーになろうとして、いまのところおそらくうまくいっていない方のブログ。この方はいまも大会に出ているし、スタッフもやってている。きわどい言い方だが、ちゃんと包摂されているような感じがすっごくいいなと思う。応援しているゲーマー。

↑[ジェンダー]女性ゲーマーによる記事。いわゆるジェンダー問題として捉えられたものではないが、新作スマブラ界隈では一番そういう感じで受容された記事だろう。スマブラでも全然このへんの状況はよくないと思う。

↑[胡散臭さ]こういったシーンにつきもの、金の問題。以前からアヤしいという声のあったプロチームで金銭問題が本日浮上した。すべてが美しいコミュニティというわけでは(言うまでもなく)ない。

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