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No.34 あの年、フル回転だった


この年のことは一生忘れないかもしれない。そう思った。
慌ただしく、息つく間もないような一年だった。

その年は私達家族4人全員が、それぞれに新しいことが始まった。
娘は幼稚園に入園し新世界へ。前年12月に生まれた息子は、その人生が始まったばかり。夫はアメリカにある本社が新規の部門を立ち上げたことで、4カ月の長期でアメリカ本社へ出張をして、帰国してまた海外へ。
私は新園児と新生児という「ダブル新」の二人の子供を抱え、それまでにはない忙しさだった。
週末になってもたのみの夫は帰宅しない。休息というものが全くなかった。

その2年くらい前、まだ1才代だった娘と2人で過ごす日々に、社会との接点が一切なかった私は、
「こんなに平和でいいのか? 社会のことを何も知らなくていいのか?
これでいいのか?」と思ったことがあった。なんだか平和すぎる。

「のんびり出来る時はのんびりすればいいのよ。
 そのうち忙しくなる時も来るのだから」

母がそう言っていたけれど、その時の母の言葉が思い出された。
先人は知っていた……

あの時の「のんびりとした時間」は、この時のために………
そんなわけはないだろうけれど、対照的すぎてそう思わずにはいられなかった。

新生児期を過ぎ少し大きくなった、でもまだ赤ちゃんの息子はよく泣いた。
そして、抱いていると眠るけれど、寝かせると泣き続けた。
息子よ、眠いならば遠慮なく寝てください……
朝や夕方の、娘のお弁当や食事の支度をする時間は忙しいので、これにはまると困ってしまう。
作業が止まり、朝なら幼稚園にも間に合わない。
あー園バスの送迎がないのが恨めしい。と思うことも度々。
でもなぜか朝と夕方によく泣くのだー。
だから息子が泣きそうな時間は、出来るだけその前に必要なことを済ませておきたくて、段取ってがんばりました。
ということもあり、私はいつも早く早くと自分に言い続けて時間に追われていたと思う。
赤ちゃんを泣いたままにしておくことが苦手なんです……泣いたままにもしたけど。
長女もよく面倒を見るというか、あやしたり、遊んだりしてくれて、あれは本当に助かったよ。ありがとう。

今日も幸せな一日でありますように。

Love & Peace,

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