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SES残酷物語(エピソードⅠ)

自社のエンジニアを特定企業に派遣するSES事業を展開する企業はSNSで悪く言われることが多いです。

もちろん、優良なSES企業もあるのですが酷いところは酷いです本当。僕もSES企業には世話になったのでSES事業を否定するつもりはありませんがこれまで経験したエピソードをありのままに書いていきます。

1.まずは家電量販店に派遣される

Twitterで

「プログラミンは稼げる!」

「未経験から3ヶ月でフリーランスエンジニアになって年収1千万!」

など魅力的なキャッチコピーに感化されたタケシは軽い気持ちで、とあるSES企業に応募し2回の面接の後内定を貰った。3ヶ月程度社内で研修した後に取引先の企業に常駐し経験を積んでいくらしい。

だが、エンジニアに転職できて稼げるようになる!と意気揚々としていたタケシは初出社の日人事から思いもよらぬことを宣言される。

人事「明日から家電量販店で働いてもらうから」
人事「業務後に本社に帰社して研修してもらうからね、休日も本社にきて研修を進めてもらうよ」
タケシ「え。。研修中の給料って出ますか?」
人事「家電量販店での給料が出るけど、業務後や休日の研修は給料出ないよ。もちろん、本社までの交通費は自腹できてね★」
タケシ「そうですか。。頑張ります。。」
人事「研修途中に挫折する人が多いけどサボっちゃダメだよ。ズルズル1年以上も研修中の子がいるから。」
タケシ「わかりました。」

人事から衝撃の宣告を受けたタケシは不安ながらも研修を受けることにした。

2.初めての給料をもらう

昼間は家電量販店で8時間勤務し業務後は社内で研修を行う日々。

休日も早くエンジニアになりたいから研修課題をこなす日々が続く。

タケシ「もうすぐ給料日だな。楽しみ!」

タケシは初めての給料が振り込まれる25日の0時にスマホの銀行口座アプリで入金額を確認したところ、9万円が振り込まれていた。

この企業では研修中は支給額18万円で手取りは15万円になるらしい。それに加えてタケシは会社の寮に住んでいるので寮費の6万円が引かれていた。

タケシ「手取り9万か。贅沢はできないけど、最低限の生活はできるな。」
タケシ「今は低いけど、エンジニアになって高給を掴むんだ!」

タケシは人並の生活を我慢して、早くエンジニアになれることを夢見て研修に励んでいくことになる。

3.研修中の先輩と初めて飲みにいく

研修開始から3ヶ月が経過した頃、同じ職場で研修中の先輩と初めて飲みにいくこととなった。

タケシ「先輩って研修始めてどれくらい経つんですか?」
先輩「俺は半年くらいかな」
先輩「俺はまだ早い方だけど、中には2年も研修中の人もいるぜ」
タケシ「それサボりすぎでしょ!」
先輩「業務後に研修は体力的にしんどいからな。もうその人は研修のカリキュラム全く進めていないらしい。飼い殺しというか。。。」
タケシ「なんで辞めないんですかね。。。」
先輩「貯金もないから辞めるに辞めれないんだよ。寮から出て家を借りるのもお金がいるし」
タケシ「そうですよね。。」

自分は早く研修を終わらせて絶対エンジニアになって稼いでやる!と誓う。

4.風邪を引き体調不良になる

冬が到来し都内では珍しく雪が降り積もっていた。お酒を飲んだまま寝落ちしてしまったのがいけないのか、月曜日の朝ひどい熱にうなされた。

タケシは病欠を貰おうと人事に連絡する。入社して半年経過していないのでもちろん有給を持っていない状態だった。

タケシ「今日熱が酷いので休ませてください」
人事「了解。病欠の場合は欠勤扱いだから控除の対象になるよ」
タケシ「給料が減るってことですよね?」
人事「そう。大体1日9,000円くらい控除になるよ」

タケシは9万円の給料からさらに控除されたら生きていけないと感じたため、早く治ってくれと神に誓いながら安静に過ごす。

5.勤務先の家電量販店が変わる

池袋の家電量販店に勤務して半年後、タケシは人事から勤務先の変更を言い渡される。

人事「来月から川崎の家電量販店に異動お願いね」
タケシ「え、、でも寮から通勤するのに2時間くらいかかります。しかも、現場は寮から40分程度を目安にしてるんじゃ。。」
人事「:skjf;;i;/w;ajqloq;;・・・省略」
タケシ「わかりました」

タケシは翌月から家から遠い家電量販店に勤務することになった。合計4時間も掛かる通勤に嫌気がさし、朝早いシフトの場合は家電量販店近くのネットカフェに寝泊りする日々もあった。

エンジニアになったら今の苦しい状況も笑って過ごせるだろうと、まだ見ぬ世界を夢見て懸命に研修に励んだ。

続く。

次回は研修終盤からエンジニアになるまでのエピソードを書きます。


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