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[ITIL入門③]参考事例として活用する

ITIL入門シリーズ、第3回は「参考事例として活用する」です。

第1回でお話しした「利用者の立場で考える」で記載したインシデント管理、問題管理の例で今回も説明したいと思います。

利用者の目線で考えたとき、ITILではサービスを復旧するインシデント管理と原因を追究する問題管理は別の活動として考えるという話をしましたが、皆さんの提供しているサービスにおいてはいかがでしょうか?

インシデント管理と問題管理は分割せずに一連の業務として対応しているケースも多いのではないかと思います。これを障害運用業務障害対応と言った言い方で別に運用設計するケースもあります。

では、このようにインシデント管理と問題管理を1つの業務として定義することは間違っているのでしょうか?


答えは、「間違っていない。それも正しい」です。


正確に言うと、「業務の目的を達成するために、最適な業務の区切り方であれば、その組織にとってそれは正しい姿」となります。

なぜなら、ITILはあくまで参考事例であって、その通りにやれば良いものではないですし、その組織の文化や、業務特性、業界特性、組織体制、役割分担、サービスの規模など様々な要因が影響して、その組織にとってのベストな状態が決まるからです。

これはITILだけではなく、ベストプラクティスやBOK(知識体系)、フレームワークなどすべてあてはまります。

重要なのは、その業務で達成したい目的、価値(バリュー)が何なのかを明確にして、その実現にフォーカスすることです。

よくサービス提案の中で、「ITIL準拠」という言葉を聞きますが、ITILは準拠するものではなく、その組織にとって価値があると思う部分をうまく活用するものだと考えて頂ければと思います。

本日は以上です。ありがとうございました。

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