お前 (詩)

一切合切を
封筒に入れてお前に郵送した。

「届け、届け」と願いながら未着のままに永遠が過ぎた。

「封筒の中で解放される日を待つ。俺は捕虜なんだよ」と封筒の中身が言った。
「惨めだね」と私は電話越しに相鎚打った。打たれた相鎚カーンと響け!
「うん。惨めなんだ」中身の声、電話越しにカーンと響く。一切合切は風化してカラカラになる。
「仕方ないね」私はたまらくなって慰めた。
「うん…」悲しげに中身の一切合切がこたえた。開封されて慰められる日は来るのかな。

会話が永遠に続いて
お前のことを忘れてしまった。

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