ドビュッシーの夢を聴きながら
昨夜は眠りについた
深く眠れたようだ

この曖昧な表情と
陰鬱な旋律が
とても好きだった

その頃に
仲のよかった女性の友達

彼女は今も、何処かで
この曲をしたためるように
自分を大切に
過ごしているのだろうか

そんな僕側の想いは
彼女の年齢に
関係のない速度で
あたらしい曖昧さを齎した

大人になり切れなかった
彼女の
等身大の【Sentimental】は
或る小説のなかで
まだ
優しく
鳴っていた

今にも
消え入りそうな
不安定さは
僕の心を
精神を
安定させる
錠剤
のような
水色をしていた

夢のような
とても淡くて
儚い
甘い『馨』がした

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