loose leaf notebook
まったく
脈絡のないような
話ばかりする
そんな僕を
なぜか
君は
今夜もいっぱい
愛してくれる
話は
基本的に
意味がない方が
『わたし、スキ』
だと
直接、君に
言われたわけではないが
なんとなくの
僕の曖昧さが
君にとって
きっと
心地好いのだろうなと
僕は
とある魔法雑誌を
紀伊国屋で
立ち読むように
ちょっと
小狡い感覚のまま
その話の種を
絶対に
わすれないように
課題用ノートの
最終ページに記録した
綺麗で、丁寧な
誰もが
美しいと感じるような
正しい筆順で書かれた文字
ひらがなとカタカナを
あえて、わざと混ぜ合わせた
二度目以降は
書いた本人でも
わからないように
暗号化された謎の文章を
ただの曖昧ではなく
航空機の設計図のように
正確に、精密に
具体的な説明文入りの
カラフルな付箋をつけて
計画的に
猜疑的に
ちょっと小細工も施して
君が
いなくなった部屋の
勉強机の引き出し
3段の一番下
その奥に
ルーズ・リーフを一枚
そっと忍ばせた
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