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綾腑哉(あやふや)

つもりはなくても

自分側に
誠実さがないのは
やっぱり
バレてしまうから

その感覚は
決して
生まれて初めて
だったわけではなく

何故か
馬鹿にされた
ような気がした
この怒りに嘘はない

例えば、それが
解り易くはなかったとして

私には
理解できないもの
君という存在には
どうしても
寄り添いたくない
近づきたくないから

なんとなく
自分の方からは

今はまだ
その時ではない
というバイアスが

心に
奥に
眠っていた感情を
呼び醒ましていく

だんだん、ゆっくりと

まるで
気づきたくないような
傷つきたくないような
真新しさに

別の
かつて、選ばなかった
もう一方へと
導かれるように

但し
ただ、その正しさは
今はまだ
必要がないと思った

その認識が
すぐ裏側にある
自己を
逆さまに押しだした

なにも
考えないように
私が努めたような
日々の全ての事柄は

新しいものと比べる
必要がないくらいに
実際には
惹かれない
魅力は感じなかった

新しい自分にも
ホントは
出会いたい

うやむやには
したくなかった

知らなかった
感情の旧さに
自然な違和感が生まれた

知らなかった世界がある
すぐ目の前に

結果的に
引き受けられなくなるのかも?


どうしたらいいのか
自分にはわからない

赤ペンで囲んだ
範囲で示された
地図の目標地点を

知らず知らずのうちに
魚眼レンズ
虫眼鏡(ルーペ)で
拡大している

最も抽象的な
イメージが
だんだん
具体的になっていく
どんどん
観方と味方が
入れ変わっていく

音もしないし
色も感じない
味気ない
不思議なくらい

原因、根拠、証拠
すべて
内側の壁
抽斗の奥に見当たらない
そんな気がした

この人が誰なのかも
よくわからない、知らない

相手
対象にではなく
自分自身のこと

理解が
あやふやになる
なにもかも

心底
期待したのは
曖昧な感覚に対する
希望の光

関係がないような
色彩の鮮やかさに
触ってみたい
一度、触れてみたい

ホントは
自分に嘘をつけない
核心が
在るのを知っている

影法師の輪郭線
話せなかった、誰にも
手離せなかった、執着

この機会に
是が非でも
生まれ変わりたい

自分の欲求に
素直になりたい

怖いけど
何かが変わる
予感がする

足元に
僅かに残されたもの
その存在

今を
影を

『私』を感じること。

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