見出し画像

河川敷で地盤調査を行うことの大切さ

河川敷の土地を利用する際は地盤調査し、必要に応じて地盤改良することをおすすめします。理由は、河川敷の地盤は不安定なケースが多いことです。また、不安定な土地を見抜くチェックポイントを知っておけば、地盤調査の前にある程度の見当がつけられます。

河川の地盤改良 固化材散布状況

地盤調査で正確な状態をつかむ

河川敷や河川敷から近い土地を利用する計画があるものの、土地の安全性に不安を抱えている。そんな方がおられることでしょう。河川敷やその近辺の土地は地盤が軟弱であることが多く、地震で液状化が起きやすいのです。液状化は地盤沈下を引き起こし、地盤上の構造物が傾いたり、地中に埋めているものが地表に浮き出たりといった被害が出ます。

リスクの高い土地かどうかは簡単にはわかりません。「隣に家や建物があるから、この土地も心配いらない」という判断ができないのが、難しいところです。

安定性のある地盤かどうか確認するために、もっとも有効で信頼できる方法は地盤調査です。構造物を築く前に地盤調査を行うことで、地盤の強度や土質を知ることができますし、構造物の重量に耐えられる地盤(支持層)を探すことも可能です。調査方法としてはスウェーデン式サウンディング試験やボーリング調査があります。スウェーデン式サウンディング試験は比較的小規模な構造物、ボーリング調査はより規模の大きい構造物においてよく用いられます。ボーリング調査の方が詳細なデータを得られる一方、スウェーデン式サウンディング試験は比較的安価で実施できるメリットがあります。

周辺をチェックすることで危険性を予測できる

地盤調査する以外に、危険性の高い土地を見分けることはできないのでしょうか。実は、周辺をよく観察することで、ある程度の見当をつけることができます。チェックすべきポイントの一部を以下に掲載します。

河川沿いの低地部で、山や丘が周辺にある場所は注意が必要です。河川に運ばれた堆積物で構成された地盤は軟弱であることが予想されます。さらに、水は低い所に集まる性質なので、水分を多く含んだ、ゆるい地盤である可能性が非常に高いといえます。
・造成地は、ぱっと見たところ平坦であっても、周辺が高い場合は特に注意が必要です。盛土によって造成された土地は、危険性が高い可能性があります。
・急傾斜でひな壇式の造成地は注意が必要です。このような土地は自然のままの地盤と盛土部分とが混在している可能性があり、安定性に欠けます。
・軟弱層と硬質層の境界付近は不同沈下が起こる可能性が高くなります。

建物や側溝・道路など、地盤上の構造物にも危険のサインが隠れていることがあります。
河川・沼・池・田んぼに隣接している場所では、危険を予測しておくことが必要です。
・近くの施設が地下水の汲み上げを行っている場合、注意しておくべきです。
・構造物が傾いていたり沈下していたりしたら危険な場所だと判断できます。片側沈下や中央沈下が起こっていると思われます。
・側溝が蛇行している場所は、既に何らかの異変が起きています。
・舗装に亀裂があったり、水たまりが多く見られたり、公設ますが浮き上がったりしている道路では、既に異変が起きていると考えた方が賢明です。
・ブロック塀に亀裂が見られたり、倒れたりしている場所では地盤に問題があると予測されます。
・擁壁に円弧すべり・亀裂・はらみ出しなどが見られる場合は要注意です。

このように列挙することで、河川敷はやはり不安定な地盤である可能性が非常に高いことがおわかりいただけたと思います。

強度の小さい地盤は改良が必要

地盤調査の大切さと、危険性の高い土地のチェックポイントを説明しました。強度が小さく、リスクのある土地だとわかったら、地盤改良することをおすすめします。地盤改良は、セメントや石灰などの固化材を使って地盤の強度を高める工事です。

リスクを抱えた土地を安心して利用するために不可欠の工事なので、不安のある方は、まずはお問い合わせください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?