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アオイの結婚 1

2004年3月27日

私のパートナーはこんな人

おおらかで相手を思いやれる余裕のある優しい人。
ありのままの私を必要としてくれ、そのことをちゃんと表現してくれる。
自分にも他人にも誠実で、真面目に働く意志がある。
清潔感があり、若さと行動力はあるが、大人の感性も持っている。
子供はいないか、いても私が関わる必要はない。

葛城アオイ、39歳
女性・営業職・独身
たった今、私のパートナーとなる人のプロフィールを書き上げた。

私は、ものごころついた頃から、どういうわけか失恋してばかりの女だ。
最近も「今度こそ私の番!」と思っていたのに、やっぱりうまくいかなかった。

自分で言うのもなんだが、見た目はそんなに悪くない、むしろ良い方だと思う。
性格だって、悪くない。
周りの人からの評価も「明るくて良い人だよね」とおおむね良好である。

そんな私だが、かれこれもう4半世紀(25年)にわたって失恋続きなのだ。
私の事を好きだと言ってくれる人がいないわけではない。
だが、私の好きな人が私を好きだと言ってくれることは希である。
需要と供給が一致しないのだ。
何故だ? 何故、私はこんな思いをし続けなければならないのだろう?

「いっそ儚くなってしまいたい」

と思ったこともあるが、子供の頃見た『丹波哲朗』の番組で、

「自殺者は成仏しない」

と言っていたので、この上成仏できないなんて、踏んだり蹴ったりなので、思いとどまった。
今、私が生きているのは、丹波センセイのお陰かもしれない…。

私は決して結婚を避けてきたわけではない。
むしろ好きな人ができる度に、その人との結婚生活を夢見てきた。
それこそ小学生時代に憧れたアイドルとの結婚さえ夢見た。

ただ、学生の頃のおつき合いは、長続きしなかったのは否めない。
あの頃の恋は、恋に恋している状態だったのだろう。
だが、それは私に限った話ではないと思う。
二十歳過ぎぐらいまでの恋愛は、おそらく半分以上が勘違いだと思う。

子供の頃の私は、漠然と23歳位になったら結婚するのだろう、と思っていた。
実際にその年齢になった時は、不倫を始めてしまっていた。
結婚は不可能だ。

彼とは2~3年で別れた。
期間がはっきりしないのは、泥沼化して別れたのではなく、前向きなお別れだったため、別れた後も、お互い思慕のようなものが残っていたので曖昧なのである。

しかし、いわゆる適齢期と言われる時期に、3年もアウトローだったことは、大きな敗因の一つにはなっていると思う。
まあ、自業自得だから仕方ないが…。

だが、たとえ既婚者であろうと、自分の思いをしっかりと受け止めてくれる人であった。
そんな人には滅多に出会えるものではない。
それを既婚者という理由だけで、拒否できるほど私は大人ではなかったのだ。

20代後半になると、さすがに自分のアプローチに問題があるのでは? と思い始め、手当たり次第の努力を始めた。
いわゆる恋愛本というものを読みまくった。
占いにも行った。
チャネリングをするという人にも会った。
宗教にも入った。

ちなみに、ラッキーなことに怪しげな新興宗教ではなく、ちゃんとした伝統仏教だった。
しかしこの頃に誘ってくれた人が新興宗教の人でも入信していたかもしれない…、その点は私は本当にラッキーだったと言わねばなるまい。

どのアプローチも、まったく同じではないが、相通ずるものは少なからずあり、次第に実力はついていき、今までの敗因もなんとなくわかるようになってきた。

だが困ったことに、こちらがスキルアップすると共に、悩みの方もレベルアップしてきやがった。
そこそこモテるようにはなったが、仕事が不安定だったり、極端に年下だったりと、これまたうまく行かず、未だ私にプロポーズしてくれる人はいない。

お見合いもしてみたが今イチな感じである。
一番最近の見合い相手には、強烈に惚れ込まれたが、ストーカーになりかねない勢いだったので、命からがらお断りさせて頂くという有様である。

「もうイヤだ!」

何度そう思っただろう。
あと何回こんな思いをすれば許されるのか…、悪いことをした覚えはないが(あ、不倫は悪いことだね、一応)、いい加減滅入ってしまう。

しかし滅入っていても、何も変わらないのでとりあえず行動を起こすべく立ち上がった。
これも、一体何回立ち上がったろう…って感じなのだが。

で、今回は「友達がこれで本当に13カ月以内に結婚した」という

『今日から1年以内にベストパートナーと結婚する13の方法』

という、非常にハズラカシイ(by スノーク)タイトルの本の通りにやってみることにした。

で、冒頭のパートナーのプロフィールを書き上げたのである。
時間はかかったが、これがなかなか有意義な作業だった。

…こんな感じで、ずっと記録していくつもりである。
晴れてハッピーエンドの最終回を迎えることを夢見つつ…。

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