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アオイの結婚 11

邂逅

白いポロシャツとジーンズ、白いポロシャツとジーンズと…。
あ、アレかな?

私は blog で顔を晒している。
そうする人は多数派ではないようであり、そもそもアクセスアップが目的でやっていたことだが、パートナー探しには、どうやらその方が有効なようでる。

まず、「会ってガッカリ」というリスクが減る。
これは

「あなたを愛してくれる人だけを愛しなさい」

『理想の男性と結婚するための33の法則』(KKベストセラーズ)

という、THE RULES の教えを実行しやすくする。

相手にとって私が、明らかに『好みのタイプではない』という場合にコンタクトをとろうとする数は減ると思うのだ。

もっとも、純粋に人間として興味を持たれた場合には、この限りではないのだが…。
それにしてもまあ、リスクは少ないにこしたことはない。

私の方はといえば、もうルックスで判断するのはコリゴリなので、相手の顔が見えないのは好都合である。
会ってみて良い人ならば、見た目がどんなであろうと、好きになる努力をする覚悟だ。
昔から『美人は3日で飽きるが、ブスは3日で慣れる』というではないか!(ちょっと違うか…)

エーリッヒ・フロムも言っている。

『愛とは技術であり、能力である。結婚とは、相手を愛することを決意し、決して別れないと決断するいう、意志決定の行為である』

『愛するということ』(紀伊國屋書店)

と。

aki さんらしき人を発見!
アバターの画像より、少し髪の毛が少ない感じだ。(笑)
声を掛けてみる。

「aki さんですか?」
「ああ、ハイ」

なかなかシブイ声の人だ。
声って、私の中ではなかなか重要なポイントを占めていたりする。
良かった、そんなに悲愴な覚悟をすることなく好意が持てそうである。

「じゃあ、行きましょうか?」

何だかそっけない感じにしかできなくて困る。
もともと初対面ってのは、あまり得意な方ではない(まあ、大抵の人はそうだろうが…)のだが、第一印象ってのは大事なんだから、もう少し何とかならないモノだろうか? と自問自答。

まずは『新世界』を一通り案内する。
通天閣、阪田三吉、スマートボール…、大阪プロレスのポスターなんかもあった。

aki さんは大喜びで、写真を撮りまくっている。

そして私はと言えば、緊張のせいかどうでも良いことを喋りまくっていた。
どうも私は、緊張すると口数が増えて困る。
その上、たくさん喋る割には、肝心なことを伝えることができなくて後悔することが多い。

aki さんが、どんな人か知らなきゃいけないのに。
『私のパートナーのプロフィール』に合致する人かどうか判断しなきゃいけないのに。

しかし緊張のあまり、そんな mission はすっかり飛んでしまっている。
これもやはり、場数を踏むことが必要なのだろうか?

そうこうしている内に、aki さんが

「お腹空きませんか?」

と尋ねてくれたので、串カツ屋へ案内することにした。
助かった。
アルコール入れて、少しはリラックスしなくっちゃ…。

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