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35歳、妊娠6か月、生もの断ちはまだしていない。 加熱寿司の話その1 実食感想

過去の記事に書いたように、私は寿司が好きだ。うまい寿司が好きだ。回らない寿司が好きだ。家で食べる良質なパック寿司が好きだ。刺身が好きだ。魚卵が好きだ。
夕食に合わせて届いたふるさと納税返礼品の海鮮丼の素を炊きたての白米と共に口に入れるときなど心が躍る。
中略
よろしい、ならば加熱寿司だ。
生ものを避けている連中に寿司の味を思い出させてやる。

と言ったか言わないかは知らないが、健康上の理由から生ものを避けなければならないが寿司が好きな人に、おいしいお寿司を食べて欲しい、という思いから開発されたのが昨晩私の食べた「加熱寿司」である。公式サイトは下記。


美食とお家イベント

私はお家カフェとかお家居酒屋が大好きである。用意しておいたご馳走でもスイーツでも、この日にこんな感じで食べよう、と夫と計画してちょっとしたイベントにするのだ。たとえば、

ディーンアンドデルーカのデリサンドを買っておいて、翌朝ベランダにベンチを持ち出し、コーヒーをたっぷり準備して食事後はそのまま日光浴をしながら本を読む、とか

近所のお餅屋さんでお月見団子を買っておいて、中秋の名月の夜、はたまたその前後の晴れた夜に、夕食後に準備した煎茶をこれまたベランダに持ち出したスツールに載せて、欄干に凭れて月を見上げながら団子を食べる、とか

夫がコロナで隔離状態になってしまったGWには、症状緩解した夫がピクニックをしようと言っておにぎりを握りだし、私はベランダを掃除してヨガマットを敷いて、二人してつば付き帽子を被って隔離されながらも楽しい写真を撮る、とか

初夏に浴衣を着付け未亡人風のヘアメイクを施して、拵えておいた大量の総菜を小鉢に準備し、キッチンカウンター越しに夫に「おビールどうぞぉ」など勧めてみるとか

加熱寿司を冷凍庫に隠し持ちつつ、産休前の仕事納めの日に茶香炉で煎茶を焚き、カウンターで食う高級な寿司屋の体裁を整えておく、とか

そういうことが好きなのである。
日常の中に、特別はいくらでも作れる。コロナ禍で初めてのお店に突撃しにくくなったことで、お家時間の充実はますます私にとっての大きな癒しとなっている。きっと我が子との初めての外食は我が家のベランダでの授乳だろう。

「特別な日にふさわしい寿司にしたかったんです。美味しくて、見た目が美しい寿司であることは譲れませんでした」

https://www.businessinsider.jp/post-262155

こんな思いで作られた加熱寿司、まさに私が大好きなタイプの商品に決まっているではないか。

昨晩の我が家。ちょっとおしゃれな寿司バーに見えはしまいか

この写真を見てくれ。
ついさっきレンジで解凍した寿司だとは思えない上品な佇まいをしている。

加熱寿司は冷凍食品であるが、間違いなく寿司として成功している

購入から保存、解凍までの話は別の記事に譲るとして、まずは食べた感想を書きたい。
おいしい。寿司としておいしい。
繰り返しになって恐縮だが、私は回転寿司に行ったことが人生で2回しかない、ほんまもんの寿司好きである。信用してもらいたい。
加熱寿司は冷凍食品であるが、間違いなく寿司として成功した商品だ。

特に寿司としての満足感が強いのが、カンパチと真鯛の2貫

この二つは私の夫も同様に高く評価していた。良い意味での「魚の匂い」がするのである。昆布や、大葉、梅肉などの薬味を使って風味を出しているのが加熱寿司の特徴なのだが、その作戦が最も成功しているのがこの2貫だと感じた。
普通の寿司屋でなじみのない「炙り」の寿司が出て来ていい意味で驚いた感覚と思ってもらえれば、おおむね間違いはない。
なお、加熱寿司の多くは、普通の寿司と違って上に載せているトッピング的なものと混じったときの風味が最高なので、食べるときはぜひパクっと一口で含んでしまうのが望ましい。
(シャリが崩れやすいという理由もある。これは冷凍だから云々ではなく、寿司屋ごとのシャリの特性として捉えるべきだろう。ゆるっと握って――むすんで――あるシャリの店もあるのだ)

シャリについて

加熱寿司は醤油をつけずに食べるのが推奨されている。シャリにも結構はっきりと味がついているように感じられた。醤油をつけたときにシャリが崩れるのを防ぐ目的なら今のままでよいが、個人的には現段階よりももう少し薄味が好みではある。またこのシャリの味であれば、ちらし寿司のような混ぜご飯的な商品も食べてみたいと思った。

1貫ずつの感想、加熱寿司のお品書き順に!

お品書きに書いていないネタバレを含むので、自分で食べたときの驚きを大切にしたい人は読まないようにしてほしい。

【海老】
みしみしとした身の感触を噛み締めて、海老の味が染み出てくるのを楽しめる。もう少し身厚であると食い出があって嬉しい。

【カンパチ】
マイベスト1。昆布とのバランスが最高。生魚に近い食感と香りがある。

【ノドグロ】
栄養!脂!という美味しさ。肉寿司的なチート濃厚さを持つので、最後に食べるのがよいかもしれない。

【穴子】
普通の寿司屋でも出てくると思われる安定した煮穴子。冷凍と言われなければわからない度ベスト1。こればかりで10貫セットなどが買えたら、冷凍庫に常備しておくだろう。

【イカ】
海老と似ていて、噛み締めて旨味が出てくるのを楽しむタイプ。上に載せてあるとびっこの仕事ぶりが見え辛くもったいないが、イカの香りは良い。

【真鯛】
適度な脂みを梅肉が引き立てている。脂のぬるりとした感触が半生的な感覚を生んで寿司としての満足度が高い。生ものを避けていて寿司が欲しい人が求めるのはこれだろう。

【玉子焼き】
甘ーくてトゥルトゥル系。淡白な味わいの寿司からサーモン、ノドグロ等の濃厚チームへ移る直前に挟みたい優しい味わい。玉子だけ10貫セットがあれば冷凍庫に常備して子供たちの集まりなどに出したい。

【ホタテ】
私が特に好きな寿司ネタの一つである。海老、イカとは違う系統の歯ごたえがある。噛む度に柑橘系の薬味の香りが爽やかに溢れてきて、貝の味をいつまでもしがんでいられる気分になる。

【サーモン】
あくまで寿司であって、コンビニのちょっといいサーモンハラスおにぎりなどとは差別化された、焼き鮭に成り下がらないラインを守っていて、魚らしい味が楽しめる

セットで届いたキッコーマン社製の「飲むお出汁”YOHAKU”」

一杯だけ淹れるドリップコーヒーと同じ構造で、コーヒー粉でなくカツオの枯節と荒節が入っている。マグカップにひっかけ、お湯を注げば黄金色の美味しい出汁ができあがる簡単便利アイテムである。お好みで塩を追加、とのことだが、加熱寿司には結構しっかりと味がついているので、私の場合、塩は不要。

このお出汁がセットになっていることは、病人や妊婦にも特別な日をというコンセプトを非常に強力にバックアップしていると思う。
汁物の準備は結構面倒臭いのである。この寿司に合いそうな汁物、と考えたときに私は鯛出汁を準備しようかと思っていた。年末年始の価格高騰を見越して冷凍保存している三つ葉と柚子がある。それを浮かべた澄まし汁は、美しい加熱寿司を引き立てるだろう。
しかし仕事を納めた後、鯛のアラをお湯で下ごしらえして鱗をとったりするか?
面倒すぎるだろう。すぐに疲れる妊婦がやる作業ではない。生ものを避けている病人がやる作業でもない。
ドリップコーヒー感覚で準備できる美味しいお出汁、そんなもの、誰もが欲しいに決まっている。必ず、今後もセット販売するべきだと思う。

まとめ 加熱寿司はお家での特別な食事体験のために買って間違いのない商品

味の面からも見た目の面からも「きちんとした寿司」として遜色ない満足度が得られること、
食べたい時に解凍して食べられること(冷蔵庫で半日解凍とかいう商品だとそうはいかない)
の二点から、私は間違いなくこの商品をまた買うだろう。
お値段は一人前6900円で、きちんとした寿司屋で一人前食べるくらいと考えればよい。

免疫療法中の人、妊娠中の人など加熱寿司がターゲットとしている人たちは、生もの回避の観点以外にも「お家にいる」ことが重要である場合が少なくない。その意味でも、この高級感のある外観と価格を維持して、特別な時間を過ごすための商品であることをPRし続けて欲しい。

どうか一刻も早く、欲しいと思った時に購入できる流通体制を整えてもらいたい。応援しています。

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